ワンス・アポンな六十年代の風景。

エッセンシャルポール・リヴィア&ザ・レイダーズPaul Revere & the Raiders

タランティーノ監督の話題作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で曲が使われ話題となっているポール・リヴィア&ザ・レイダーズの、TOP40入りした14曲を中心に収めた究極のベスト集。

エッセンシャルポール・リヴィア&ザ・レイダーズ

『エッセンシャル ポール・リヴィア&ザ・レイダーズ』(Paul Revere & the Raiders)

◆Blu-spec CD 2◆解説・歌詞・対訳付◆品番:SICP31307~8◆価格:¥2,800+税

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2019年8月公開映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のオリジナル・サウンドトラックはタランティーノ監督が選曲、その中でポール・リヴィア&ザ・レイダーズが3曲(「グッド・シング」「ハングリー」「ミスター・サン、ミスター・ムーン」)も選ばれ話題に。映画はレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが共に映画界で働く親友を演じ、その友情と絆を軸に1969年のハリウッド黄金時代の光と闇に迫るもので、当時のヒット曲がふんだんにスクリーンを彩る。ポール・リヴィア&ザ・レイダーズは、ビートルズを筆頭とする英国勢とモータウン全盛の時代に登場したポートランド出身のポップ・グループで、ポールとマーク・リンゼイを中心にインディー・デビューの後、CBSと契約。当初は黒人音楽をベースにカヴァーが多かったが、多様な音楽性を取り入れながらオリジナル楽曲が増え、やがて人気を不動のものにしてゆく。この2枚組ベストは60年代半ばから70年代初頭にかけて活躍した彼らの、TOP40入りした14曲を中心に収めた決定版だ。

  • DISC ONE
  • 01.ルイ・ルイ
  • 02.オーヴァー・ユー
  • 03.おぼこなワイフ
  • 04.ステッピン・アウト
  • 05.ジャスト・ライク・ミー
  • 06.ライド・ユア・ポニー
  • 07.キックス
  • 08.シェイク・イット・アップ
  • 09.ルイ、ゴー・ホーム
  • 10.ハングリー
  • 11.エアプレーン・ストライキ
  • 12.ルイーズ
  • 13.グッド・シング
  • 14.アップス・アンド・ダウンズ
  • 15.ヒム・オア・ミー
  • 16.モリーン
  • 17.夢うつつ
  • 18.ゴーイン・トゥ・メンフィス
  • DISC TWO
  • 01.ドゥ・アントゥ・アザーズ
  • 02.心の平和
  • 03.トゥー・マッチ・トーク
  • 04.ハプニング ’68
  • 05.恋のブーガルー作戦
  • 06.シンデレラ・サンシャイン
  • 07.ミスター・サン、ミスター・ムーン
  • 08.レット・ミー
  • 09.フリーボーン・マン
  • 10.ジャッジGTOブレイクアウェイ
  • 11.虹をつかもう
  • 12.素敵な17歳
  • 13.さあ行こう
  • 14.嘆きのインディアン
  • 15.気の合う二人
  • 16.カントリー・ワイン
  • 17.メルセデス・クィーン
  • 18.ソング・セラー

●若月眞人の解説より

  • Disc 1
  • 01. ルイ・ルイ 10thシングルのA面曲にして、レイダーズがコロンビアとの契約を得るきっかけになった1曲(コロンビアからの"リイシュー盤"は63年6月のリリース)。チャート上の成績は、競作になったキングズメンのそれに及ばなかったものの、レイダーズのショーに欠かせないレパートリーになっている。
  • 02. オーヴァー・ユー 64年8月にリリースされたシングルのA面に収録されたカヴァー曲。
  • 03. おぼこなワイフ 00年の編集盤『Mojo Workout!』で陽の目を見た、ロニー・ラスの62年のヒット曲のカヴァー。デビュー当初のバー・バンド然とした歌唱/演奏が聴けるのはここまでで、以降は同時代の英ビート・グループや米フォーク・ロック勢の影響を滲ませた、よりコンテンポラリーな路線にシフトしていく。
  • 04. ステッピン・アウト 英R&Bグループ、ナッシュヴィル・ティーンズの「Tabaco Road」([2]14と同じジョン・D・ラウダーミルクの作品)のリフをモチーフにした65年8月のシングルのA面曲。本国ではトップ40圏外に終わったものの、カナダでは8位をマークした。
  • 05. ジャスト・ライク・ミー ワイルド・ナイツ(作者のリック・デイとリッチ・ブラウンが在籍)のオリジナルを"簡略化"し、キンクスをモデルにしたビート・ナンバー風に仕立て直した出世作。65年11月にリリースされ、明けて1月に米シングル・チャート11位に達した。
  • 06. ライド・ユア・ポニー 4thアルバム『Just Like Us!』(米5位)の拡張盤(98年)で陽の目を見た、リー・ドーシーのヒット曲(65年)のカヴァー。
  • 07. キックス ドレイク・レヴィンの奏でる12弦ギター(この時期のレイダーズの諸作を手がけていたテリー・メルチャーがバーズのプロデュースも兼任していたことは周知の通り)の響きも印象的な、レイダーズの代表曲の一つ。66年2月のシングルのA面で発表。米4位、カナダでは首位を獲得した。説明不要のヒットメイカー、バリー・マン&シンシア・ワイルの作品。
  • 08. シェイク・イット・アップ いかにもB面といった風な7のカップリング・ナンバー。
  • 09. ルイ、ゴー・ホーム 64年3月のシングルA面曲を、7を踏襲したアレンジでリメイクしたもの。66年5月のアルバム『Midnight Ride』(米9位)で初出。
  • 10. ハングリー 66年6月に発表。7の姉妹編といった類の無難な1曲で、思惑通り、米チャート6位を記録。
  • 11. エアプレーン・ストライキ テリー・メルチャーが作曲/制作に関わったこの時期のレイダーズの作品は圧倒的なクオリティを誇るが、これもその一つ。66年9月のシングル(米20位)のA面に採用されたのち、別ヴァージョンが同年11月の『The Spirit of '67』(米9位)に収録された。
  • 12. ルイーズ ライジング・サンズに在籍したことでその筋に知られるジェシー・リー・キンケイドの作品。『The Spirit of '67』から。
  • 13. グッド・シング 工夫を凝らしたヴォーカル・アレンジも魅力的な米4位のヒット曲、66年11月のシングルと『The Spirit...』に収録。
  • 14. アップス・アンド・ダウンズ 67年1月のシングルのA面に収録されたストーンズ・タイプのナンバー。本国では22位を記録するに留まったが、カナダのチャートでは7位に達している。リンゼイ脱退後のレイダーズは、リンゼイは、それぞれに往時のヒット曲の"リレコ"を残しているが、リンゼイとカーラ・オルソンらの共演による94年の「Ups And Downs」はそうした"コピー"と一線を画す、気合いの入った仕上がりだった。
  • 15. ヒム・オア・ミー 67年8月の『Revolution!』(25位)のハイライトに数えられるきわめつきのパワー・ポップ・チューン。ハル・ブレイン、ジム・ゴードンら3名のドラマーを動員してレコーディングされている。アルバムへの収録に先駆け、67年4月にシングル・カット。米5位、カナダでは首位を獲得した。
  • 16. モリーン リンゼイとメルチャーの共同作業の最高の成果の一つ『Revolution!』から。
  • 17. 夢うつつ 67年7月のシングルで発表。その後、『Revolution!』に収録された、いかにもこの時代らしい佳曲。本国では17位に留まるも、カナダのチャートでは2位に達した。
  • 18. ゴーイン・トゥ・メンフィス メンフィスに赴き、チップス・モーマンのプロデュースの下、彼のアメリカン・レコーディング・スタジオで録音された同名のアルバム(68年)から。
  • Disc 2
  • 01. ドゥ・アントゥ・アザーズ 67年10月のシングル「心の平和」のカップリング・ナンバー。
  • 02. 心の平和 メルチャーが制作したグループの最後の新曲。米42位という控えめな成績に終わったが、モーマンのプロデュースを売りにした『Goin'...』に例外的に採用された。
  • 03. トゥー・マッチ・トーク リンゼイが単独でプロデュースを担った68年1月のシングルのA面曲。米チャート19位。
  • 04. ハプニング ’68 (TV Version) リヴィアとリンゼイがホストを務めた同名のTVショー("American Bandstand"の後番組として68年1月から2年弱放送された)に使用されたトラック。3のB面、68年10月の『Something Happening』には、それぞれに異なった同曲の別ヴァージョンが収録されている。
  • 05. 恋のブーガルー作戦 68年5月のシングルのA面に収録。その後、『Something...』に採用されたポップ・ソング。米27位。
  • 06. シンデレラ・サンシャイン バブルガム・ポップの流行を踏まえ、聴き手を楽しませることに徹した68年9月のシングルのA面曲。ただし米58位と成績は振るわなかった。69年3月の『Hard 'N' Heavy (with Marshmallow)』には、より先鋭的な別ヴァージョンで収録。
  • 07. ミスター・サン、ミスター・ムーン バブルガム路線を推し進め、米18位をマークした68年1月の7インチのA面曲で、『Hard 'N'...』にも収録。これはシングル用のショート・ヴァージョン。
  • 08. レット・ミー 69年4月に発表。米シングル・チャート20位をマークしたポップ・ロック・ナンバーで、ここで聴けるのは7月の『Alias Pink Puzz』で聴けるヴァージョン。リンゼイは69年5月に最初のソロ・シングルを発表しているが、ソロ・デビューを促したのは、この8のセッションにたまたま居合わせ、リンゼイの変幻自在な歌唱(その声質や節回し、融通性はチープ・トリック初期のロビン・ザンダーを想起させる)にバラード・シンガーとしての可能性を感じたジャック・ゴールド(ジョニー・マティスらのプロデューサーとして高名)だったという。
  • 09. フリーボーン・マン 68年にレイダーズに加入したキース・アリスンが、67年のシングルで発表したリンゼイとの共作。68年には"キング・オブ・ブルーグラス"の異名を取るジミー・マーティン、76年にはアウトロウズがカヴァーを発表している。ここで聴ける9は『Alias Pink Puzz』に収録。
  • 10. ジャッジGTOブレイクアウェイ レイダーズの面々も出演したポンティアック社の車のCMソング。当時は非売品の7インチ盤に収録されるに留まったが、90年の編集盤『The Legend Of Paul Revere』でリミックス・ヴァージョンが商品化。10年には6の改作「Swingy Doll」(こちらも同名の商品のキャンペーン・ソング)等とともにこのオリジナル・ミックスがCD化されている。
  • 11. 虹をつかもう 同年の映画『Square Root』(シルヴェスター・スタローンが出演しているとか)のサウンドトラックに使用されたフレディ・ウェラーの作品。69年8月のシングルのA面に採用され、本国では50位に留まるも、カナダでは6位まで上昇した。67年から72年までレイダーズに在籍したウェラーは、69年にはソロ・デビュー。以来、カントリー・チャートにコンスタントにヒット曲を送り込んでいる。なお、11、12、13はレイダーズの最高傑作『Collage』(70年)にも収録。この11に関しては、アルバム所収のヴァージョンの方が出来がいい。
  • 12. 素敵な17歳 70年1月のシングルのA面曲。リンゼイの一連のMOR調のソロ作と差別化するという意図もあったのだろう。ハード・ロックに傾いた意欲作だったが、米82位と、同じころトップ10入りしたリンゼイの「Arizona」の10位に及ばない成績に終わっている。
  • 13. さあ行こう 『Collage』には既存のレパートリーのリメイクが数トラック含まれているが、これもその一つでオリジナル・ヴァージョンは『Revolution!』に収録。ただしここには70年4月のシングル所収のヴァージョンで収録。
  • 14. 嘆きのインディアン マーヴィン・レインウォーターが59年に「The Pale Faced Indian」のタイトルで録音。およそ10年後にドン・ファードン(元ソローズ)がヒット(68年に米20位、70年に英3位を記録)させたラウダーミルク作品のカヴァー。前述の通り、71年7月に米チャート首位に立っている。
  • 15. 気の合う二人 71年8月にシングル・カットされたジョー・サウスの68年の作品のカヴァー(米23位)。この15と14を併録した同年のアルバム『Indian Reservation』(ただし15はシングルとは若干異なるヴァージョンで収録)も同19位と健闘した。なお、アリソンは69年に同曲のカヴァーをA面に配したソロ・シングルを発表。ウェラーは、やはり69年にサウスの「Games People Play」でカントリー・チャート2位のヒットをものにしている。
  • 16. カントリー・ワイン ジョイント・エフォートのエド・ヴィラリアルとワンダ・ワトキンスの提供を受けた71年12月のシングルのA面曲。米51位。
  • 17. メルセデス・クィーン 72年4月のシングル(米50位)のA面に収録。16とともに、コロンビアからの最後のオリジナル・アルバムになった同年の『Country Wine』にも収録された"リンゼイ節"全開の1曲。
  • 18. ソング・セラー 72年9月のシングルのA面に収録されたジミー・ウェッブの作品(ウェッブのヴァージョンは同時期のアルバム『The Letter』等に収録)。米96位。

タランティーノ監督が楽曲セレクト!『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド サウンドトラック』

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド サウンドトラック』

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