ケニー・ロギンス
『ジャパニーズ・シングル・コレクション─グレイテスト・ヒッツ─』
収録曲解説
ケニー・ロギンス『ジャパニーズ・シングル・コレクション ─グレイテスト・ヒッツ─』ライナーノーツ全曲解説(文・安川達也=otonano編集部)よりテキスト抜粋。フル・ヴァージョンは実際の商品でお楽しみください。
DISC 1 [CD: JAPANESE SINGLES]
1.Whenever I Call You “Friend”|二人の誓い(with スティーヴィー・ニックス)
ミリオンセラーに輝く2ndアルバム『ナイトウォッチ』(全米7位)からの1stシングルで、ソロ名義では初のトップ10ヒット。メリサ・マンチェスターとの共作だが、美しいメロディを一緒に歌っているのは人気絶頂のスティーヴィー・ニックス。ケニーがフリートウッド・マックの『噂』ツアーのオープニング・アクトを努めた経緯から実現した。
2.This Is It|明日に向って
3rdアルバム『キープ・ザ・ファイア』(全米16位)からの1stシングルで、「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」でグラミーを分け合ったマイケル・マクドナルドと再び共作。その美酒の続編を想起させる、終わらせることが出来ない恋物語をマイケルはピアノとヴォーカルでバックアップ。第23回グラミー賞で最優秀男性ポップ歌手を受賞。
3.I’m Alright|アイム・オールライト(映画 『ボールズ・ボールズ』主題歌)
ビル・マーレーがゴルフコースの管理人に扮しグリーンを地中から荒らす愛嬌のあるモグラと死闘……爆笑シーンが忘れられない映画『ボールズ・ボールズ』(’80年)。陽気なコメディ映画のオムニバス・サントラに最多4曲を提供したケニーの主題歌は’80年10月11日付全米7位を記録。バックコーラスにはエディ・マネーが参加。
4.Don’t Fight It|サンライズ・パーティー(withスティーヴ・ペリー)
4thアルバム『ハイ・アドヴェンチャー』(全米13位)の爽快なオープニングを飾った飛び切りキャッチーなロック・ナンバー。共作者のひとりスティーヴ・ペリー(ジャーニー)はヴォーカルでも参加し、ワンコーラス丸ごとリードも務めた。’82年10月23日付全米17位、同10月2日付全米メインストリーム・ロック・ソングスで4位を記録した。
5.Heart To Heart|ハート・トゥ・ハート
4thアルバム『ハイ・アドヴェンチャー』からの2ndシングルは盟友マイケル・マクドナルド、そして『シカゴ16』(’82年)で80’sシカゴ再生の立役者となったデヴィッド・フォスターとの共作。’83年1月29日付から5週連続の全米15位(年間72位)、同全米アダルト・コンテンポラリーでは最高3位を記録した。
6.Welcome To Heartlight|愛のハートライト
4thアルバム『ハイ・アドヴェンチャー』からの3rdシングルで’83年4月30日付全米24位を記録。アルバム初出は「Heartlight」だが、同時期にヒットしたニール・ダイアモンドの「Heartlight」との混合を避けるためシングル発売時には「Welcome To Heartlight」に表記変更されている。
7.Footloose|フットルース~メイン・テーマ(映画 『フットルース』主題歌)
ダンスもロックも禁止の田舎町にシカゴから越してきた高校生の奮闘を描いた青春映画『フットルース』(’84年)は、新しいビジュアル時代=全盛MTVとも共鳴し主題歌は空前のヒットとなった。’84年3月31日付~4月14日付で3週連続全米1位(年間4位)を記録。オリコン洋楽シングルチャートでは同5月21日付から4週連続1位を獲得した。
8.I’m Free(Heaven Helps The Man)|アイム・フリー(映画 『フットルース』挿入歌)
『フットルース』からの6thシングルとして発売され’84年7月28日付全米22位を記録。劇中ではハイライトとなるダンス・パーティー会場を準備する場面で効果的に使われた。サントラは9月10日付オリコン総合アルバムチャートで1位を獲得、’84年度の年間アルバムチャートでは、1位『スリラー』、2位『フットルース』の洋楽1,2フィニッシュ!!
9.Vox Humana|ヒューマン・ヴォイス
言うべきことを言わなくちゃだめさと人生からの逃亡者をたしなめる作詞は当時の妻エヴァ・エインとの共作。リズム、リード全てのギターをケニー本人が奏で、陽気なベースはこの頃ステージ上でもケニーを支えた名手ネイザン・イースト。’85年5月4日付全米29位、同全米メインストリーム・ロックでは18位を記録した。
10.Forever|フォーエヴァー
フットルース旋風が冷めやらぬ’84年11月、新曲として披露して満員の日本武道館の観客の心をひとつにさせた伝説の熱唱「フォーエヴァー」。翌年、5thアルバム『Vox Humana|ヒューマン・ヴォイス』(全米41位)に収録され2ndシングルとして発売された。不変の愛を誓う究極のパワー・バラードの作曲はデヴィッド・フォスター。
11.Danger Zone|デンジャー・ゾーン(映画 『トップガン』主題歌)
トム・クルーズの人気を決定的にした’86年度世界No.1興収映画『トップガン』主題歌。音楽プロデューサーでもあったジョルジオ・モロダー作曲、トム・ウィットロック作詞という背景のなかケニーはあえてヴォーカルに専念。♪Danger Zoneにはコブシを入れるなどそれまでの自作曲とは歌い方を変えている。’86年7月26日付全米2位を記録した。
12.Playing With The Boys|真昼のゲーム(映画 『トップガン』 挿入歌)
全米だけで900万枚のセールスを突破したサウンドトラック『トップガン』(5週全米1位)からのカット・シングルで’86年9月13日付全米60位を記録。サントラは’87年1月19日付オリコン総合チャートで3位(年間5位/洋楽1位)を記録し当時だけで約60枚のセールスを突破した。
13.Meet Me Halfway|心の夜明け(映画 『オーバー・ザ・トップ』挿入歌)
シルベスター・スタローン主演の映画『オーバー・ザ・トップ』の挿入歌。「デンジャー・ゾーン」と同じく作曲ジョルジオ・モロダー、作詞トム・ウィットロック、歌ケニーという最強トライアングルを再現。’87年6月13日付全米11位を記録。サントラがオリコン洋楽アルバムチャートで’87年3月9日付から5週連続1位を獲得した。
14.Chain Lightning|チェイン・ライトニング ~夏の光にカンパイ~(‘87キリンびん生CFソング)
シングル「心の夜明け」のわずか2か月後に日本のみで発売されたケニー書き下ろしによる’87キリンびん生CFソング。力強い♪Chain Lightningのサビに「カンパイ!」のかけ声が重なるのは、日本バブル経済の力技か……。ケニー最後の日本ドーナツ盤のB面は、「カンパイ!」の合いの手なしで再生時間が5秒長いAlbum Versionだった。
15.Nobody’s Fool|ノーバディーズ・フール(映画 『ボールズ・ボールズ2』 主題歌)
主題歌「アイム・オールライト」が大ヒットした映画『ボールズ・ボールズ』(’80年)の続編『ボールズ・ボールズ2』(’88年・日本劇場未公開)に再び主題歌を提供。映画は興行的に失敗したが、ケニーが手がけた主題歌「ノーバディーズ・フール」は’88年9月17日付全米8位を記録、同シリーズ主題歌で連続トップ10入りとなった。
16.Be Bop A Lula|ビー・バップ・ア・ルーラ(‘89キリン モルトドライ CMソング)
‘87年に続く、日本のみで発売された’89キリン モルトドライCMソング。「逢えたね。初めての、モルトドライ」。スーツ姿で缶ビールを片手に夕陽を浴びる、本人も出演したCFで流れてきたアカペラの♪BE-BOP-A-LULA。サンタバーバラの自宅スタジオで録音したのはロカビリー・アーティスト、ジーン・ヴィンセントのカヴァーだった。
17.Conviction Of The Heart|コンヴィクション・オブ・ザ・ハート~愛の確信
7thアルバム『リープ・オブ・フェイス~愛を信じて』では本来のシンガー・ソングライター的な立ち位置に回帰。’91年9月28日付全米71位に甘んじるものの実に58週間にわたりアルバムチャートにランクインするなど、人間味あふれるギター・プレイと温かい歌声が多くのリスナーに支持されゴールドディスクを獲得、往年のファンも喝采を送った。
18.For The First Time|フォー・ザ・ファースト・タイム(映画『素晴らしき日』主題歌)
ジョージ・クルーニー&ミシェル・ファイファー主演の90年代を代表するラブコメ映画『素晴らしき日』。エンドロールを包み込んだ、劇中ドラマの台詞をケニーが代弁するかのようなストーリー・ソングは、映画音楽の巨匠ジェームス・ニュートン・ハワードが中心となって制作した美しい佳曲。’97年5月3日付全米アダルト・コンテンポラリーで初の1位を記録した。
19.Your Heart Will Lead You Home|ユア・ハート・ウィル・リード・ユー・ホーム(映画『ティガー・ムービー プーさんの贈りもの』主題歌)
映画『ティガー・ムービー プーさんの贈りもの』(’00年)の主題歌。プーさんシリーズでは初となったトラが主人公のファンタジーを、アコギに寄り添うケニーの美しい歌声が包み込んだ。ディズニー音楽の重鎮シャーマン兄弟との共作も話題に。アップテンポになったメロディがディズニー・ランドのパレードに使われるなどディズニー・クラシックに仲間入りを果たした。
DISC 2 [DVD: MUSIC VIDEOS]
(DISC1収録曲に関しては、そちらの解説をご参照ください)
3
03.Easy Driver|イージー・ドライヴァー
ケニー・ロギンス名義で初のミリオンセラーを記録した2ndアルバム『ナイトウォッチ』からの2ndシングルで、’79年1月13日付全米60位を記録。アルバムでは2曲目。オープニングを飾る約8分におよぶ壮大なタイトル曲からのバトンを受ける形で、シャッフル・ビートを聴かせた3分半の軽快なロック・ナンバーを展開した。
4
04.Keep The Fire|キープ・ザ・ファイア
2作連続でミリオンセラーとなった3rdアルバム『キープ・ザ・ファイア』のタイトル曲で’80年4月12日付全米36位を記録。今夜だけは炎を明るく燃やし続けるんだ……。新妻エヴァ・エイン・ロギンスとの共作詞はまさにホットな相思相愛の関係を言葉で投影。作曲はケニー。
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08.Swear Your Love|スウェア・ユア・ラヴ
「スウェア・ユア・ラヴ」のミュージック・ビデオは、本作のためにマスター映像を捜索中に偶然に発掘された逸品で、まさに蔵出しの未発表映像にして初のパッケージ化! 映像監督は(本作に関するデータが残っていないため推測になるが)「ハート・トゥ・ハート」と同じく、MTVの申し子と呼ばれた、スティーヴ・バロンだと思われる。
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16.I’m Gonna Miss You|(アイム・ゴナ)ミス・ユー
アダルト・コンテンポラリーな世界観とバブル時代のタバコCMをみるようなミュージック・ビデオとの相性は抜群。スターシップ「シスコはロック・シティ」(ピーター・ウルフ、デニス・ランバートほか作)の繋がりでミッキー・トーマスがバック・ヴォーカルで参加している。’88年11月26日付全米82位を記録した。
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19.Always, In All Ways|オールウェイズ, イン・オール・ウェイズ
子供の成長過程に聴かせたいというコンセプトのヴォーカル・アルバム『リターン・トゥ・プー・コーナー~帰ってきたプー横丁』(全米65位)。42週間にわたりランクインするロングセラーを受けて制作された続編アルバム『More Songs From Pooh Corner|モア・ソングス・フロム・プー・コーナー』(’00年)の収録曲。