今のCITY POP再評価の源流であるバンド流線形。
その主宰者であるクニモンド瀧口による、今こそ聴いてもらいたい隠れた名曲にスポットを当てたシティミュージック・コンピレーション。
初CD化曲、長らく廃盤となっていた曲、現時点での未配信曲など、この盤でしか聴くことの出来ない曲も多数収録!

2020114発売 ¥2,200+税

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【 収録曲 】

  • 1.
    雨のケンネル通り EPO

  • 2.
    心から好き 宮沢りえ

  • 3.
    アップル -Apple-PLATINUM 900

  • 4.
    Easy Love 国分友里恵

  • 5.
    私達を信じていて Cindy

  • 6.
    あなたがそばにいる理由 奥居 香

  • 7.
    花を買う野田幹子

  • 8.
    Bitter SweetSECRET CRUISE

  • 9.
    EMPTY HEART PAZZ

  • 10.
    あの時計の下で Chara

  • 11.
    トップ・シークレット (最高機密) PIZZICATO FIVE

  • 12.
    さよならの風景 大野方栄

  • 13.
    ほろほろ草子 マナ

  • 14.
    クリスタル・ナイト KAORU

  • 15.
    ラスト・チャンス ラジ

  • 16.
    スターダスト・レディ *初CD化長谷川みつ美

  • 17.
    Love LightYUTAKA

2020114発売

「CITY MUSIC TOKYO invitation」

○価格:¥2,200+税
○品番:MHCL-2862

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ゼロ年代シティポップの金字塔的名作、流線形のデビュー作『シティミュージック』から7inchシングルカット第2弾が決定!

2020122発売

「フライデーナイト/エアポート'80」流線形

○完全限定生産盤7inchシングル
○価格:¥1,800+税
○品番:MHKL-37

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好評発売中

「3号線/恋のサイダー」流線形

○完全限定生産盤7inchシングル
○価格:¥1,800+税
○品番:MHKL-36

Sony Music Shopで購入


「CITY MUSIC TOKYO」とは、その名の通り「都会・音楽・東京」から想像する事を選曲したシリーズ。
夜の高速道路、高層ビル、東京タワー、埠頭、プールサイド、キャフェテリア‥‥‥音楽の中の言葉やサウンドの展開にドキドキやワクワクがあり、ありそうでない時代や場所へ連れていってくれる。それは、東京に居なくても想像できる小説のようなもの。

僕の原体験に、中学生の頃、熱海に遊びに行った時のことがある。ウォークマンに自分で編集したカセットテープをセットして、改札を出てしばらく歩いて海が出てくるタイミングで、山下達郎の「ライド・オン・タイム」をPLAY。真夏なのに鳥肌が立ったほど、音楽とロケーションのマッチングにやられてしまった。その後、友人の叔父が持っていたマンション(13F)のベランダで、熱海の海を見ながらウォークマンを聴いていた。夜になり、山下達郎の「FUTARI」を聴いた瞬間に、二度目の鳥肌が立った。熱海に居ながら、都会のアーバンを感じて感動したのを覚えている。きっとテレビのドラマの影響もあり、大人の世界に憧れていて、ベランダから夜景や海を見るだけでカッコよく映っていたのだと思う。そこにぐっと演出してくれるのが音楽だった。
高校生になると、友達の兄貴の車で、高速道路を飛ばしていた。カーステレオからは角松敏生が流れ、ここでも大人の世界を感じて、ワクワクしたのを覚えている。

原点の一つに、こういった体験があって、音楽が好きでいつも聴いていたが、いつしか音楽を作る側となっていた。

2003年、初めて音源にした僕のバンド流線形のアルバムタイトルを『CITY MUSIC』にした。直訳すると”都会音楽”。いまではベタ過ぎるこのタイトルは、1970年代に様々なセッションに参加したギターリスト ホルヘ・カルデロンの同名アルバムからの影響もあった。日本ではシュガーベイブが『SONGS』を発売した同年1975年に、ホルヘのアルバムが発売される。この頃はまだ、シティポップもA.O.R.(アダルト・オリエンテッド・ロック)もジャンルが無かった頃だ。70年代後半に都会的な音楽としてボズ・スキャッグスやボブ・ウェルチなどが、日本でもシティ・ミュージックと呼ばれた時期があったようだ。その後、A.O.R.やクロスオーバーなどが、ジャンルの用語として定着しはじめ、いつしかシティ・ミュージックとは呼ばれなくなっていった。

そういった成り立ちや始まりの初期衝動に立ち返ることがあり、自分がやりたい音楽の方向性を決めた時に、「都会的で洗練されていて、大人への憧れを持った」アルバムタイトルは『CITY MUSIC』にしようと決めたのだった。

時間は流れ、時代はシティポップ・ブーム。YouTubeやサブスクリプションの影響もあり、世代や、ジャンル、国を越えて、2020年になりさらに広がりつつある。日本から世界に発信した音楽ジャンルのブームは、極めて稀なことだろう。前述したように、どこの場所に居ても、共通言語のように日本発の音楽が、何となく共有できてしまうのは不思議な事だ。

今回、僕なりのシティ・ミュージックを選曲、そしてテーマを東京にすることが、このコンピレーションCDのコンセプトだ。ぜひ、世代や国を超えて、いろいろな方に聴いていただきたい。

2020.8.24 クニモンド瀧口