







デビュー25周年を締め括る、
birdの初期名作群が最新リマスタリングで甦る!
全タイトル2025年最新リマスタリング音源使用
Blu-spec CD2仕様/birdセルフライナーノーツ掲載
2025.07.23 Release!
1990年代末の音楽シーンに颯爽と登場したbirdの記念すべきデビュー作。彼女のエモーショナルなヴォーカルを、敢えて抑制されたビートで支えるというサウンド・プロダクションが当時は非常に新鮮だった。特筆すべきは先行シングル「SOULS」。ストリングスやゴスペル風のコーラスを交えたクールなトラックの上で、熱情を内に秘めた伸びやかな歌声は聴く者すべてを魅了する。後に彼女のライヴでアンセムとなるのも納得の名曲である。また、アグレッシヴなビートで前のめりに歌い上げる「空の瞳」、ルンバ・フラメンカ風のラテン・テイストで仕上げた「BEATS」、彼女のルーツを彷彿とさせるジャジーな「満ちてゆく唇」など、代表曲と言えるナンバーがずらりと並ぶ。プロデュースを手掛けたのは、彼女を見出したMONDO GROSSOの大沢伸一で、全曲の作曲とアレンジを手掛けている。R&B、ヒップホップへアプローチした、デビューとは思えない貫禄と瑞々しさが同居した稀有な作品。
デビュー作でJ-R&Bシーンのディーヴァ的存在としての立ち位置を確立し、さらにその先へと突き進んだ感のある2ndアルバム。前作同様、大沢伸一が全面的にプロデュースを手掛け、ソングライティングからトラックメイキングまで徹底した美学を貫いている。ナチュラル・テイストを打ち出したアコースティック・グルーヴ「オアシス」、いつになくエモーショナルでアッパーな「マインドトラベル」、ブレイクビーツに乗ってファンキーに躍動する「マーメイド3000」と、当時の成熟しつつあったクラブ・シーンを意識した音作りが印象深い。その一方でメロウな「4PM」、シンプルなボサノヴァ・タッチの「二人の夜明け」、ジャズ色が濃厚な「9月の想い」などもあり、緩急のメリハリが効いた作品でもあると同時に、ヴォーカリストとしての表現力も十分。クライマックスは、二胡と揚琴を配し、ゆったりとしたラヴァーズロックに仕上げた名曲「桜」。birdの成長と進化がしっかりと刻み込まれた傑作。
2ndアルバムのリリースツアーで行われた2000年のNHKホール公演を収録したライヴ・アルバム。主に『bird』と『MINDTRAVEL』の2作から選ばれたセットリストは、ただ原曲を再現するだけでなく、プログラミング主体で作られていたトラックを生バンドで演奏することによって、新しい命が吹き込まれたかのように有機的に進化していることがわかる。なかでも「SOULS」や「空の瞳」におけるバンドスタイルのアレンジは楽曲の持つ魅力を違う角度から輝かせ、会場を圧倒するようなパワフルなヴォーカルとの相乗効果で独特のグルーヴを醸し出している。MONDO GROSSOのアルバム『MG4』に客演したサマー・チューン「LIFE」のライヴ・ヴァージョンも貴重。ギターの田中義人やドラムスのGENTAといったbirdのサウンドに欠かせないミュージシャンが盤石なサポートを務め、ホーン・セクションを含めたアンサンブルで躍動感に満ちた演奏を繰り広げる様子も聴きどころ。スタジオ録音盤だけではわからないbirdの魅力を存分に堪能できる貴重な記録というべき、ベスト盤的実況盤。
- オアシス
- SOULS
- 空の瞳
- 満ちてゆく唇
- 4PM
- GAME
- マインドトラベル
- 9月の想い
- LIFE Movie
- 桜
R&Bディーヴァ・ブームの中核からいち早く抜け出し、新たな一面を見せた3rdアルバム。大沢伸一のもとを離れ、birdが果敢にセルフ・プロデュースに挑戦した記念碑的作品でもある。まず大きな特徴が、レコーディングやライヴでがっぷりと四つに組んできたギタリストの田中義人との共作曲がメインとなっていること。この時期の代表曲であるブラジリアン・テイストの「flow」を筆頭に、ダンサブルな「私的パートナー」、ライヴ感溢れるファンキーな「NUMBER」などによって、ヴォーカルの表現力をサウンドとともにアップデートさせることに成功。また新機軸として、山崎まさよしとのコラボレートが話題になったアコースティック・テイストの「散歩しよう」、ピアニカ前田が作曲し彼のセンチメンタルな演奏が切ない「夕風」などもあり、これまでになかった彼女の自然体の佇まいが前面に打ち出されている。極彩色のアートワークも含め、birdとは何たるかをひとつの指針として知らしめた<分岐点>となる作品。
前作からさらに大きく飛躍した4thアルバム。その飛躍ぶりは、冒頭の「チャンス」を聴けば一目瞭然だろう。シタールの響きから始まるUKロック・テイストのこのナンバーは、それまでのbirdのイメージとは一線を画している。トータルのプロデュースはOriginal Loveの田島貴男。しかも、彼の楽曲だけでなく、国内外から様々なソングライターを起用したことが画期的だ。Saigenjiによるスウィンギーなワルツ「廃墟のダンスホール」、ハナレグミの永積タカシによるブルージーな「よみがえれ」など、新たな組み合わせが新鮮。さらに驚くべきは、ブラジルの至宝イヴァン・リンスによるポップな「スパイダー」、ノラ・ジョーンズとの共演で有名なジェシー・ハリスによるオールド・タイミーな「喜怒哀楽も」、ロック界のレジェンドであるアル・クーパーによるアーシーな「見上げた空へ」と、豪華な作家陣に目がくらむ。birdのディスコグラフィーで最も異色作かつ意欲作と言える自由奔放な作品。
- チャンス Movie
- 廃墟のダンスホール
- ふくらみ
- VIVA! SPA
- スパイダー
- よみがえれ
- 喜怒哀楽も
- 見上げた空へ
- 受けついだもの
- 光るあなた
5thアルバムは、仮想の島で一日過ごすという、リゾートをテーマにしたコンセプト・アルバム。前作に引き続きOriginal Loveの田島貴男がプロデュース、birdと森俊之が共同プロデュースに名を連ね、五島良子、岡本定義(COIL)といった新たなソングライターとのコラボレートも実現した。実験的な前作に比べるとポップなソウル・チューン「ハイビスカス」を筆頭に、メロディアスでグルーヴィーな楽曲が並ぶのが特徴。なかでも、KIRINJIの堀込高樹が作曲を手掛けたメロウな人気曲「髪をほどいて」では、森俊之、田島貴男、堀込高樹の3人の共同アレンジという贅沢な作りになっている。バカンスが始まる高揚感を演出する「夏をリザーブ」に始まり、島の夜を想起させる幽玄的な「月下美人は眠る」で終わる構成も見事だ。また、ロック・テイストの「ビキニコレクター」からディープなR&Bチューンの「サンセットドライバー」までアレンジのバリエーションも幅広く、あらためてbirdの包容力を感じさせてくれる作品でもある。
- 夏をリザーブ
- 木漏れ日とワルツ
- ビキニコレクター
- ハイビスカス Movie
- 髪をほどいて
- 夕暮れの少年
- サンセットドライバー
- コーラルガーデン
- 欲望のワールプール
- 月下美人は眠る
出産という大イベントを挟んで発表した6thアルバム。その後、幾度もコラボレートする冨田恵一(冨田ラボ)と本格的にタッグを組んだ作品でもある。生まれてから死ぬまでの人生をテーマにした作品集で、インストの「おなかの中で」から子どもの誕生を描いた「ファーストブレス」への流れで始まる荘厳な雰囲気に圧倒される。冨田恵一によるスタイリッシュなアレンジが全編を彩り、なかでも松本良喜が作曲した「SPARKLES」の目くるめく展開には誰しも魅了されるだろう。レゲエのリズムが不思議な空間を生み出す「記憶の水槽」は元キリンジの堀込泰行、スティーリー・ダンを思わせるひねりの効いたポップチューン「マイ ペン ライ」は青山陽一、弦楽四重奏を起用したチェンバー・ポップ「laboratory」は前作に続きCOILの岡本定義と、個性的なソングライターを多数起用している点も興味深い。そして、ニューオーリンズのセカンドラインのリズムを取り入れた冨田恵一作曲による大作「パレード」で、祝祭的にアルバムを締めくくるのである。
「bird ""Reconnect"" Live」の振り返りトークが公開!
セットリストプレイリストを聴いてライブの余韻に浸ろう
birdという名前をいただいて、歌い続けて長い時間が経ちました。歌や音楽から感じとれる、目に見えないけれど、とても大切にしたいもの。歌や音楽を通して、どこまでも広がっていく出会い。そういうものに魅せられて今も歌っています。
2024年はデビュー25周年ということで、オフィシャルYouTubeチャンネルの開設、「THE FIRST TAKE」出演、リエディット・ベスト盤リリースやライブ、新曲MV公開など盛りだくさんな1年でした。音源を聴いてくださったみなさん、ライブを観に来てくださったみなさん、ありがとうございました!
2025年もニュー・アルバム『Reconnect』のリリースやビルボードでのライブ、ギターの樋口直彦さんと全国を旅する、そうだシリーズなど、音楽活動が続いています。
7月には25周年の結びとして、私の1999年から2006年までの初期7作品がリマスターされてみなさんにお届けできることになりました。個人的には長く続けてきたご褒美のように感じています。
どの作品も当時リリースされてから随分時間が経っていますし、アルバムごとにトライしていた音の方向性も様々です。しかし今回、山崎翼さんがマスタリングをしてくださった音は、今の感覚で聴くことができて、私自身とても楽しんでいます。
1枚ずつアルバムを聴いていくと、ずっと忘れていたことが音と共によみがえってきて、時間や距離を超えて、いろんな場所へ連れていってくれます。
たくさんの出会いが重なり、つながって生まれた音楽。今、新しい光を浴びて再び目覚めていきます。ぜひ楽しんでいただけたらと思います!
これからもどうぞよろしくお願いします。
bird