第415回 萩原健太のotonanoラジオ#298
2025/06/17 公開
浜崎貴司さん(FLYING KIDS)をゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

1.
FLYING KIDS
REFLEX ACTION
『希望のシッポ』

2.
FLYING KIDS
じゃーね
『希望のシッポ』

3.
FLYING KIDS
ステッパーズ
『希望のシッポ』

4.
FLYING KIDS
希望のシッポ feat. スガシカオ
『希望のシッポ』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#298
LOOK BACK!いかした日本のファンク・グルーヴ
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. 我想うゆえに我あり / FLYING KIDS 先週に引き続き、フライング・キッズの浜崎貴司さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。新作アルバム『希望のシッポ』についてたっぷりお話をうかがいました。 というわけで、今週のプレイリスト。フライング・キッズの場合、けっして真っ向からのファンク・バンドというわけではないものの、やはり『イカ天』登場時からそのファンキーなグルーヴで大いに話題となったのは事実。なので、今回はそのフライング・キッズをはじめ、まだまだファンクの何たるかが日本では一般に浸透していなかった時期、日本にファンク・グルーヴを定着させようとがんばったいかしたやつらの試行錯誤を振り返ってみます。 まずは主役、ハマちゃんがフロントを張るフライング・キッズのナンバーから。彼らが『イカ天』に初登場したときに歌っていた初期の代表曲です。デビュー後、1990年に2枚目のシングルとしてもリリースされました。 |
2. MONSTER STOMP / 吉田美奈子 日本が誇る最強ディーヴァ、吉田美奈子さんが“ファンクの女王”とか呼ばれていた時期、1981年にリリースしたアルバム『MONSTERS IN TOWN』に収録されていたナンバーです。 |
3. FUNKY労働者 / SUPER BUTTER DOG 永積タカシ、池田貴史らが在籍していたSUPER BUTTER DOGも、フライング・キッズ同様、ファンキーな持ち味とセンチメンタルな持ち味とを絶妙に交錯させたバンドでした。そんなバター・ドッグの2000年のアルバム『FUNKASY』より。 |
4. あ! あぶない! / 米米CLUB ぼくのプロデュース作をひとつ。1988年のアルバム『GO FUNK』より、ジェイムス小野田とカールスモーキー石井の掛け合いが楽しいこの曲を。ビッグ・ホーンズビーのホーン・セクションもごきげんです。 |
5. 金っきゃねぇ / ビブラストーン ラップ/ヒップホップを打ち込みではなく生バンドでぶちかまそうという斬新なコンセプトの下、ファンキーに暴れていた近田春夫さん率いるビブラストーン。彼らの初スタジオ・アルバム『ENTROPY PRODUCTIONS』からこの曲を。 |
6. Honmoku Funk / クレイジーケンバンド アルバムを発表するたび、番組にも毎度登場してくれる横山剣さん率いるクレイジーケンバンドは、メロウなもの、ディスコなもの、いろいろ取り混ぜてソウル・ミュージックの魅力を独自の視点から伝えてくれるバンドですが。もちろんファンキーなものも売り物のひとつ。ということで、今回は2022年のアルバム『樹影』の収録曲を楽しんでいただきましょう。 |
7. WILD ON THE STREET / 佐野元春 佐野元春さんが単身ニューヨークに乗り込んで制作してきた1984年のアルバム『VISITORS』にも、当時ニューヨークのストリートに溢れていたデジタル・ファンク・グルーヴが満載されていました。そんなアルバムからこの曲をピックアップ。スリッカフォニックスみたいでばかかっこいいな、と、当時大いに盛り上がったものです。 |
8. あそこのゴーゴー / いとうせいこう すみません。ぼくのプロデュース作をもうひとつ。いとうせいこうとともにファンクを深掘りしてみましたよ。1992年のアルバム『OLEDESM』より。コーラスはLip'sの面々。楽しかったなー。 |
9. 塀までひとっとび / サディスティック・ミカ・バンド 今回のセレクションの中ではいちばん古いものかな? 1974年のアルバム『黒船』から、ミカ・バンドの面々がスライ&ザ・ファミリー・ストーンっぽいグルーヴに挑戦しているこの曲を。当時、ぶっとびました。 |
10. High Roller / 久保田利伸 久保田利伸さんの初期のファンキーさというのも、なんだか新鮮だったっけ。ファンキーって言葉を日本に定着させた功労者のひとりです。というわけで、1988年のアルバム『Such a Funky Thang!』より1曲。 |
11. ゴーグル、それをしろ / JAGATARA 江戸アケミ率いるファンク軍団、JAGATARAの代表作、1987年のアルバム『ニセ予言者ども』からのナンバーです。 |
12. バナナの国の黄色い戦争 / スガシカオ で、ラストはフライング・キッズの新作『希望のシッポ』にも客演しているスガシカオさん。2008年のアルバム『FUNKAHOLiC』のオープニング・チューンで今回のプレイリスト、ファンキーにしめくくりましょう。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第414回 萩原健太のotonanoラジオ#297
2025/06/10 公開
浜崎貴司さん(FLYING KIDS)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

1.
FLYING KIDS
BUZZER BEATER feat. トータス松本
『希望のシッポ』

2.
FLYING KIDS
ハナフブキ~宴もたけなわ~ feat. PES (RIP SLYME)
『希望のシッポ』

3.
FLYING KIDS
希望のシッポ feat. スガシカオ
『希望のシッポ』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#297
古今東西!バンド名に採り入れられた楽曲集
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. シュガー・ベイブ / ヤングブラッズ フライング・キッズのハマちゃん、浜崎貴司さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。ぼくは、彼らのメジャー・デビューのきっかけとなったバンド・コンテスト番組“イカ天”(『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』)時代からの長い付き合いながら、ここ数年は会ってちゃんと話をする機会も少なかっただけに、久しぶりにたっぷり話を聞くことができてうれしかったです。新作アルバム『希望のシッポ』も充実の仕上がりで。頼もしい限り。 ということで、今週のプレイリストですが。彼らが“フライング・キッズ”というバンド名を、アルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』に収録されている山下達郎の「フライング・キッド」からとったことはおなじみでしょう。なので、そんなふうにバンド名に採り入れられている楽曲というのを今週は集めて12曲並べてみました。ほんとは達郎さんの「フライング・キッド」も選曲したかったのだけれど、ストリーミングされていないので泣く泣く外して。まずはその達郎さんが半世紀前、デビュー時に結成していた伝説のバンド“シュガー・ベイブ”の名前の由来となっている曲から。ジェシ・コリン・ヤングがかつて率いていたフォーク・ロック・バンド、ヤングブラッズが1967年にリリースしたアルバム『アース・ミュージック』に収録されていたナンバーです。達郎さんのシュガー・ベイブとはずいぶん音楽性が違う気がするけど…。 |
2. エヴリ・リトル・シング / ビートルズ 続いては、もっちーといっくん、持田香織と伊藤一朗によるポップ・ユニット“エヴリ・リトル・シング”。これはご存じ、ビートルズが1964年にリリースしたアルバム『ビートルズ・フォー・セール』の収録曲から採られたユニット名でした。 |
3. ハニー・パイ / ビートルズ ビートルズものをもうひとつ。ムーンライダーズの前身的バンドとも言うべき“はちみつぱい”。これは1968年にビートルズがリリースしたアルバム『ザ・ビートルズ(通称“ホワイト・アルバム”)』に収録されていた「ハニー・パイ」というポール・マッカートニー作品のタイトルを日本語に訳したものでした。結成当初は“蜂蜜パイ”とか“ハチミツパイ”とかいろいろな表記をされていました。 |
4. サケ・ロック / マーティン・デニー 星野源、伊藤大地、浜野謙太らが結成していたインスト・バンド“SAKEROCK”。これはエキゾチック・ミュージックの王者、マーティン・デニーが1959年のアルバム『クワイエット・ヴィレッジ』に収録していた、この、なんともいかがわしい楽曲から採られたバンド名でした。 |
5. ザ・レッド・ルースター / ハウリン・ウルフ 大江慎也、花田裕之、井上富雄、池畑潤二によるハード・エッジなロックンロール・バンド“ルースターズ”。この名前はローリング・ストーンズもカヴァーしているブルース・スタンダード「リトル・レッド・ルースター」から採られたもの。ということで、そのオリジナル・ヴァージョンです。1961年、ハウリン・ウルフが「ザ・レッド・ルースター」というタイトルでリリースしました。 |
6. シーナはパンク・ロッカー / ラモーンズ これはバンド名というか個人名というか。“シーナ&ザ・ロケッツ”のシーナさんですが。本名は鮎川悦子(旧姓は副田)さんですが、ラモーンズのこの曲「シーナはパンク・ロッカー(Sheena Is a Punk Rocker)」が大好きだったことと、夫である鮎川誠さんのおばあちゃんの名前が“鮎川シナ”だったことから、ステージ・ネームとして“シーナ”と名乗るようになったのだとか。この「シーナはパンク・ロッカー」って曲、ラモーンズの1977年のアルバム『ロケット・トゥ・ロシア』に収録されていたことを思うと、“ザ・ロケッツ”というバンド名のほうにも影響を与えているかも。 |
7. ローリン・ストーン / マディ・ウォーターズ ここからは洋楽もの、いきます。まずは“ローリング・ストーンズ”。これはご存じ、ブルースの巨星、マディ・ウォーターズが1950年にリリースした必殺の「ローリング・ストーン」って曲から採られたバンド名です。 |
8. プリティ・シング / ボ・ディドリー メンバーチェンジを繰り返しながら世紀を超えて長い活動を続けたイギリスのバンド、“プリティ・シングス”。この名前は黒人ロックンローラー、ボ・ディドリーが前出「リトル・レッド・ルースター」を書いたソングライター、ウィリー・ディクソンと1955年に共作した「プリティ・シング」にインスパイアされたものでした。 |
9. マッドネス / プリンス・バスター イギリスの超ごきげんなスカ・バンド、“マッドネス”。このバンド名は、ジャマイカ出身のプリンス・バスターが1963年にリリースした曲の名前に由来しております。 |
10. ミスター・ビッグ / フリー 日本でも人気の高いアメリカのハード・ロック・バンド、“ミスター・ビッグ”のバンド名も曲名由来。ポール・ロジャース、ポール・コゾフ、アンディ・フレイザー、サイモン・カークから成る最強ブルース・ロック・バンド、フリーが1970年、アルバム『ファイア・アンド・ウォーター』に収めていたナンバーです。 |
11. レディオ・ヘッド / トーキング・ヘッズ 次はイギリスの“レディオヘッド”。これはトーキング・ヘッズ、1986年のアルバム『トゥルー・ストーリーズ』の収録曲から採られたバンド名。当時、日本盤では「ラジオ・ヘッド」とカタカナ表記されていましたが、最近は「レディオ・ヘッド」となっているみたい。 |
12. ディープ・パープル / ヘレン・フォレスト&アーティ・ショウ楽団 でもって、ラスト。1970年代、日本のリスナーにハード・ロックの魅力を教え込んでくれた“ディープ・パープル”。これはがらりとイメージが違って、1930年代生まれのポピュラー・スタンダード曲に由来しています。結成当初のギタリスト、リッチー・ブラックモアのおばあちゃんの愛聴歌だったのだとか。おばあちゃんはビング・クロスビーのヴァージョンでよく聞いていたという話だけれど、ストリーミングされていないみたいなので、今回はヘレン・フォレストが歌っているこの1939年のヴァージョンで。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第413回 萩原健太のotonanoラジオ#296
2025/06/03 公開
澤部渡さん(スカート)をゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

1.
スカート
ぼくは変わってしまった
『スペシャル』

2.
スカート
火をともせ
『スペシャル』

3.
スカート
君はきっとずっと知らない
『スペシャル』

4.
スカート
トゥー・ドゥリフターズ
『スペシャル』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#296
身につけるモノにちなんだアーティスト名の曲集
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. カーニヴァル / カーディガンズ 先週に引き続きスカート〜澤部渡くんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。新作アルバム『スペシャル』の話をたっぷりうかがいました。ますますバンドっぽさを強調しながらの新鮮な活動、期待してます! ということで、今週のプレイリスト。澤部くんの“スカート”ってユニット名にちなんで、服とか装身具とか、そういう身につけるものにちなんだバンド名なりユニット名のアーティストの曲、集めてみました(笑)。まずはカーディガン。スウェーデンのバンド、カーディガンズが1995年にリリースしたごきナンバーからスタートです。 |
2. ドゥ・イット / タキシード 続いてはタキシード。メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンからなるモダン・ディスコ/ファンク・ユニット“タキシード”のナンバー、2015年の「ドゥ・イット」です。 |
3. フィール・ユー / マイ・モーニング・ジャケット マイ・モーニング・ジャケット、いきましょう。中心メンバーのジム・ジェイムズが、ケンタッキー州レキシントンの大学近くの焼け落ちた古いストリップ・バー跡をうろついていたとき、“MMJ”という刺繍がほどこされたローブが床に転がっているのを見つけて、きっとこれは“モーニング・ジャケット”のことだろう、朝用のタキシードなんて変なの…と思って自分のバンドにその名前をつけたと言われておりますが。本曲はそんな彼らが2020年にリリースしたもの。 |
4. トレイシー / カフリンクス これは服ではないけれど、ファッション的に大切なアイテム。日本だとカフスボタンとか呼ばれることが多い“カフリンクス”。ご存じ、シャツやブラウスの袖口を留めるための装身具ですが。そんな名前のバンド、カフリンクスが1969年にヒットさせた懐かしいポップ・チューンです。 |
5. ヘイ・ゼア・デライラ / プレイン・ホワイト・ティーズ 白Tです。プレイン・ホワイト・ティーズ。“純白のTシャツのような、クールなバンドになりたい”という思いからつけたバンド名だとか。てことで、2005年発表のこの代表曲を。 |
6. ライズ / ニッカーボッカーズ 日本では“ニッカボッカ”とか言われていたニッカーボッカー。膝下丈で裾が絞られた半ズボンのこと。それをバンド名にしていたのが、1960年代に活躍したニュージャージーのバンド、ニッカーボッカーズ。といっても、彼らはこの名前を地元の道路名“ニッカーボッカー・ロード(郡道505号線)”から取ったそうですが…。まあ、細かいことは置いといて(笑)、この1965年の全米トップ20ヒットを。 |
7. ノット・トゥー・ヤング・トゥ・ゲット・マリード / ボブ・B・ソックス&ザ・ブルージーンズ ボブ・B・ソックス&ザ・ブルージーンズはフィル・スペクターの下でレコード・リリースしていた男女混合グループで。男性ヴォーカルのボビー・シーンと、女性ヴォーカルのダーリーン・ラヴがフィーチャーされていました。ブルージーンのほうはそのままジーンズのことですが。ボビー・シーンの芸名だった“ボブ・B・ソックス”のほうも、これは“ボビー・ソックス”にかけた名前。てことで、彼らが1963年に放ったこのヒット曲を。プロデュースはもちろんスペクター。 |
8. ナ・ナ・ヘイ・ヘイ・キス・ヒム・グッバイ / ナイロンズ これは服っていうか、素材ですが(笑)。ナイロン。カナダのアカペラ・グループ、ナイロンズいきます。もともとは1969年にスティームがヒットさせたナンバーを、彼らが1987年にカヴァーしたものです。 |
9. フェアリーテイル・イン・ザ・スーパーマーケット / レインコーツ 次はレインコート。イギリスのボスト・パンク・バンド、レインコーツです。これは1979年のデビュー・シングル。 |
10. アリウープ / ハリウッド・アーガイルズ これも変化球だなぁ。服の“柄”です(笑)。アーガイル。プロデューサー/ソングライターのゲイリー・パクストンがでっちあげた架空のバンド、ハリウッド・アーガイルズが1960年に大ヒットさせたノヴェルティ・ナンバーです。アリー・ウープというのはご存じの通り、バスケットボールのシュートの一種としてもおなじみですが、この歌は当時人気のあった新聞漫画の主人公である原始人のことを題材にしたものでした。 |
11. トゥモロウ・ナイト / シューズ 1970年代パワー・ポップ・バンドのひとつ、シューズ。靴、ですな。1978年のデビュー・シングルです。 |
12. ドント・レット・イット・ハプン・アゲイン / カシミアズ で、ラストはドゥーワップで締めたいなと思って。ファイヴ・サテンズとかもいいかなと思いましたが。サテン同様、素材名ではありますが、今回はカシミアでいきます。ザ・カシミアズが1955年にリリースしたナンバーです。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第412回 萩原健太のotonanoラジオ#295
2025/05/27 公開
澤部渡さん(スカート)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

1.
スカート
スペシャル
『スペシャル』

2.
スカート
遠くへ行きたい
『スペシャル』

3.
スカート
四月怪談
『スペシャル』

4.
スカート
期待と予感
『スペシャル』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#295
デビュー15周年!マイ・フェイヴァリット スカート
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. ストーリーテラーになりたい / スカート めでたくデビュー15周年を迎えたスカート〜澤部渡くん。メジャーからの5thアルバム 『スペシャル』もリリースされました。てことで、澤部くんに久々に番組に来ていただいてこの新作アルバムのことをあれこれ細かくお話いただいた『otonanoラジオ』でした。楽しかったですねー。来週も楽しみ。 なので今週のプレイリストは超ストレートに、ぼくが好きなスカートの楽曲を12曲、ずらっとセレクトしてみました。新作『スペシャル』の収録曲は番組のほうでオンエアしているので、そこに至るまでのスカート作品からピックアップしてみました。 まずはこの曲。メジャー・デビュー前、2016年にリリースされたアルバム『CALL』の収録曲です。2020年、コロナ禍の自宅ライヴ・シリーズ『在宅・月光密造の夜 Vol.4』で披露されたギター弾き語りヴァージョンもよかったけど、ここはとりあえずバンド・ヴァージョンで。 |
2. さすらう青春 / スカート これはカヴァー。ムーンライダーズ、2005年のアルバム『P.W Babies Paperback』に収められていた、かしぶち哲郎作品です。かしぶちさんが亡くなった後、2014年にリリースされた『かしぶち哲郎 トリビュート・アルバム~ハバロフスクを訪ねて』からの音源。細野晴臣、矢野顕子、あがた森魚、佐藤奈々子、ピエール・バルーら錚々たる顔ぶれに交じって、若きスカートも奮闘しておりました。 |
3. ランプトン / スカート 2017年にリリースされたメジャーからのファースト・アルバム『20/20』より。TVのドキュメンタリーというかドラマというか、不思議な番組『山田孝之のカンヌ映画祭』のエンディング曲でした。 |
4. 視界良好 / スカート これも『20/20』からのナンバー。 |
5. 遠い春 / スカート 2018年、メジャーからのファースト・シングルとしてリリースされた曲。映画『高崎グラフィティ。』の主題歌でした。 |
6. それぞれの悪路 / スカート 2019年、メジャーからのセカンド・アルバム『トワイライト』に収められていた曲。 |
7. 高田馬場で乗り換えて / スカート これも『トワイライト』の収録曲。前年、DJ MARUKOMEとのコラボレーションでシングル・リリースした曲の再演版です。 |
8. 標識の影・鉄塔の影 / スカート 2020年のシングル。ドラマ『絶メシロード』のシーズン1で主題歌に起用されていました。 |
9. 月光密造の夜 / スカート デビュー10周年にあたる2020年、インディーズ時代のレパートリーを再録音する形でリリースされたアルバム『アナザー・ストーリー』に収められていた曲。 |
10. 返信 / スカート これも『アナザー・ストーリー』より。もちろん古いレパートリーの再演です。 |
11. ODDTAXI / スカートとPUNPEE PUNPEEのラップとのコラボで2021年にリリースされたナンバー。TVアニメ『オッドタクシー』のオープニング曲です。 |
12. 十月(いちおう捨てるけどとっておく) / スカート 2022年、8人組コント・ユニット、ダウ90000の第4回演劇公演『いちおう捨てるけどとっておく』のエンディング曲として書き下ろされたナンバー。ダウもスカートも大好きなぼくとしては夢のコラボでした。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第411回 萩原健太のotonanoラジオ#294
2025/05/20 公開
志磨遼平さん(ドレスコーズ)をゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

1.
ドレスコーズ
ロックンロール・ベイビーナウ
『†』

2.
ドレスコーズ
やくたたず
『†』

3.
ドレスコーズ
がっかりすぎるわ
『†』

4.
ドレスコーズ
ホエン・ホエア・ホワット
『†』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#294
志磨遼平の曲を聞いていると無性に聞きたくなる洋楽!
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. All the Young Dudes / Mott the Hoople 先週に引き続き、話題のニュー・アルバム『†』をリリースしたドレスコーズ 志磨遼平さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。むちゃくちゃ興味深いお話をたくさんうかがえて、最高の時間が過ごせました。心機一転、新たなデビュー・アルバムのような気分で作ったという『†』も会心の仕上がりで。ますます勢いに乗りそうなドレスコーズ。さらなる活躍がまじ楽しみです。 というわけで今週のプレイリスト。今週はけっこう乱暴なセレクションですが。毛皮のマリーズ〜ドレスコーズと連なる志磨遼平さんの音楽と並べて、ぼくが個人的にプレイリストに加えたい洋楽ナンバーってやつをざっくり12曲、ランダムに集めてみました。志磨さんの歌を聞いていると無性に聞きたくなる洋楽曲、というか(笑)。そういう曲たちです。まずは1972年、デヴィッド・ボウイがモット・ザ・フープルに提供したこの曲。「すべての若き野郎ども」という邦題でおなじみ、必殺のナンバーです。 |
2. The Kids Are Alright / The Who 続いてはザ・フー。1966年のヒット・シングルです。 |
3. I Wanna Be Your Boyfriend / The Rubinoos 米カリフォルニア出身のパワー・ポップ・バンド、ザ・ルビヌーズ(日本では“ルビナーズ”と表記されてました)が1978年に放ったシングル。邦題は「あの娘のボーイフレンド」。 |
4. Dandy in the Underworld / T. Rex 毛皮のマリーズにとって重要なルーツのひとつ、Tレックスのナンバーも。選びたい曲は山ほどありますが、今回はちょっと見逃されそうな1曲を。マーク・ボランが悲劇の自動車事故に遭う前年、1976年にリリースされたナンバー。邦題は「地下世界のダンディ」でした。 |
5. Alabama Song (Whisky Bar) / The Doors 志磨さんのシアトリカルな個性にきっとそれなりに大きな影響を与えたに違いないジム・モリソンを擁するザ・ドアーズが1966年にリリースしたファースト・アルバムから1曲。ドレスコーズも取り上げている『三文オペラ』の作者であるベルトルト・ブレヒト&クルト・ヴァイルによる作品です。 |
6. Surrender / Cheap Trick ドレスコーズのパワー・ポップ・テイストのルーツかなと思われるチープ・トリック。この曲は1978年のヒット・シングルです。 |
7. Personality Crisis / New York Dolls デヴィッド・ヨハンセン、ジョニー・サンダース、シルヴェイン・シルヴェインらが在籍していたニューヨーク・ドールズ。彼らがトッド・ラングレンをプロデューサーに迎えて1973年にリリースしたファースト・アルバムの冒頭を飾っていたごきげんなナンバーです。 |
8. The Equestrian Statue / Bonzo Dog Doo Dah Band ヴィヴィアン・スタンシャルやニール・イネスら、奇才が在籍していたボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドが1967年にリリースしたシングル曲。このやばいノスタルジア感覚もまたドレスコーズにつながる気がするのだけれど…。 |
9. Candy Says / The Velvet Underground ルー・リード率いるヴェルヴェット・アンダーグラウンド。これは1969年のサード・アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』の冒頭を飾っていた曲です。 |
10. The Ballroom Blitz / Sweet グラム・ロックとパワー・ポップがぐしゃっと入り乱れた感じのスウィート、1974年のヒット曲。邦題は「ロックン・ロールに恋狂い」という、なんともはやな…。 |
11. You Better Believe It / Small Faces 1966年にスモール・フェイセズがリリースしたファースト・アルバムより。 |
12. Life On Mars? / David Bowie で、ラストは1曲目のモット・ザ・フープルに曲提供していたデヴィッド・ボウイの歌声で締めましょう。「火星の生活」というそのまんまの邦題でおなじみ、1971年のナンバーです。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第410回 萩原健太のotonanoラジオ#293
2025/05/13 公開
志磨遼平さん(ドレスコーズ)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

1.
ドレスコーズ
ヴィシャス
『†』

2.
ドレスコーズ
ミスフィッツ
『†』

3.
ドレスコーズ
ハッピー・トゥゲザー
『†』

4.
ドレスコーズ
キラー・タンゴ
『†』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#293
マイフェイヴァリット志磨遼平|毛皮のマリーズ~ドレスコーズ
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. 或るGIRLの死 / 毛皮のマリーズ 5月14日に手応えたっぷりのニュー・アルバム『†』をリリースするドレスコーズ〜志磨遼平さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。新作についてたくさん興味深いお話をうかがいました。新旧・内外のロック/ポップスはもちろん、文学にも映画にも精通している志磨さんのトークは本当に刺激に満ちていますね。 というわけで、今週のプレイリスト。志磨遼平さんの歩みをたどるという意味で、毛皮のマリーズでデビューしてからの流れをざっくり振り返ってみましょう。過去、リリースされた毛皮のマリーズとドレスコーズのオリジナル・アルバムを年代順にたどりながら、1作1曲ずつ、ぼくの好きなナンバーをセレクトしてみました。いつも全12曲でプレイリストを作っているので、今回も12曲。ドレスコーズの途中まで…ってことになりますが、あしからず。ちょうどマリーズ6曲、ドレスコーズ6曲ってことになりました。 まずは毛皮のマリーズから。2006年のインディー・デビュー・アルバム『戦争をしよう』から、この曲を。 |
2. MAYBE / 毛皮のマリーズ 続いてはインディーからの2作目、2007年のアルバム『マイ・ネーム・イズ・ロマンス』より。ぐっとオールディーズ風味を強めた1枚でした。 |
3. 超観念生命体私 / 毛皮のマリーズ 2009年にリリースされたインディーズ時代最後のアルバム『Gloomy』より。 |
4. すてきなモリー / 毛皮のマリーズ これ、実はヴォーカルをベースの栗本ヒロコさんがとっている曲なんですが。大好きな曲なもんで、お許しください。作詞作曲はもちろん志磨遼平さん。2010年、メジャーと契約してリリースされた初のアルバム『毛皮のマリーズ』より。 |
5. おおハレルヤ / 毛皮のマリーズ ついにオリコン・チャートでトップ10入りを果たした2011年のアルバム『ティン・パン・アレイ』より。軽くソウルフルなホーン・セクションが心地よいです。 |
6. 上海姑娘 / 毛皮のマリーズ 英ロンドンのアビー・ロード・スタジオでレコーディングされた楽曲を含む、毛皮のマリーズ最後のオリジナル・アルバム『THE END』より。 |
7. Lolita / ドレスコーズ ここからドレスコーズ。2012年のアルバム『the dresscodes』より。まだバンド編成だった時代の作品です。今回のプレイリスト、すべて作詞作曲:志磨遼平ですが。この曲と次の曲、バンド時代のドレスコーズ作品だけは作詞:志磨遼平、作曲:ドレスコーズというクレジットになっています。 |
8. シネマ・シネマ・シネマ / ドレスコーズ 2013年のアルバム『バンド・デシネ』より。これも作詞:志磨遼平、作曲:ドレスコーズです。 |
9. 才能なんかいらない / ドレスコーズ 2014年のアルバム『1』より。ここでドレスコーズから志磨さん以外のメンバーが脱退。志磨さんのソロ・プロジェクトとなりました。 |
10. みなさん、さようなら / ドレスコーズ ピエール中野、中村圭作、會田茂一、近藤研二、オカモトコウキらのサポートの下で制作された2015年のアルバム『オーディション』より。 |
11. 20世紀(さよならフリーダム) / ドレスコーズ 2017年のアルバム『平凡』より。 |
12. Bon Voyage / ドレスコーズ その後、志磨さんがブレヒト作の音楽劇の音楽を手がけた記録『ドレスコーズの《三文オペラ》』を間に挟んで、2019年にリリースされたアルバム『ジャズ』より。もちろんこの後も様々な切り口の名盤を着実にリリースしつつ、タイトルをどう読めばいいのかわからない最新作へと至るドレスコーズですが。そのあたりはまたの機会に…ってことで、ラストは『ジャズ』からのこのノスタルジックな1曲で。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第409回 萩原健太のotonanoラジオ#292
2025/05/06 公開
ナイアガラ・レコード50周年特集(その2)

今週のオンエア曲

1.
大滝詠一
恋の汽車ポッポ第二部
『大瀧詠一 乗合馬車 (Omnibus) 50th Anniversary Edition』

2.
大滝詠一
Cider '73 (MONO)
『NIAGARA CM Special Vol.1 3rd Issue 30th Anniversary Editon』

3.
大滝詠一
Cider '74 (MONO)
『NIAGARA CM Special Vol.1 3rd Issue 30th Anniversary Editon』

4.
かまやつひろし
お先にどうぞ
『あゝ、我が良き友よ』

5.
大滝詠一
ロックン・ロール・マーチ
『NIAGARA MOON 50th Anniversary Edition』

6.
大滝詠一
楽しい夜更し
『NIAGARA MOON 50th Anniversary Edition』

7.
大滝詠一
ナイアガラ・ムーンがまた輝けば
『NIAGARA MOON 50th Anniversary Edition』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#292
新しい時代の到来を夢見た1975年の日本の音楽シーン
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. ほうろう / 小坂忠 先週に引き続き、ナイアガラ・レコード50周年をお祝いした『otonanoラジオ』。先週のシュガー・ベイブ編に続いて、今週はレーベル・オーナーである大滝詠一師匠がナイアガラ・レコードを立ち上げるまでの歩みを駆け足で振り返りました。 それにしても、あれから50年。日本のポップ・シーンのど真ん中に歌謡曲という強大な文化がでーん! とそびえ立っていた当時、日本にももっと新しいサウンドを…と理想を掲げた若い世代の音楽家たちが状況を変えようと奮闘していました。その最初のピークが、ナイアガラ・レコードが設立された1975年。大滝さんばかりでなく、意識的な若いアーティストたちが次々とかっこいいアルバムを出して、ぼくたちをわくわくさせてくれたわけです。 ということで、今週のプレイリストは1975年の日本の音楽シーンを振り返るセレクション。これ、実はちょっと前にぼくのWEBサイトで発表した同趣向のプレイリストのマイナーチェンジ版って感じで、手抜きっちゃ手抜きなのですが(笑)、なかなかかっこいいリストだと思うのでこちらでもお楽しみいただければ、と。ちょびっとだけ大滝さん寄りに選曲をいじりました。こういう曲を聞きながら、当時大学生だったぼくのような音楽ファンは新しい時代の到来を夢見て胸を高鳴らせていたのでした。 まずは1975年の年明け、1月にリリースされたこのアルバムから。『otonanoラジオ』のプレイリストでは何度も取り上げている小坂忠の『ほうろう』です。細野晴臣さんを中心に結集した意識的なミュージシャン集団“ティン・パン・アレー”がバックアップした超名盤ですが。そこからアルバム・タイトル・チューンをまずは聞いてください。 |
2. 砂の女 / 鈴木茂 細野さんや大滝さんと同じ、はっぴいえんど出身で、ティン・パン・アレーの重要なメンバーのひとりでもあった鈴木茂が、単身渡米してリトル・フィートやタワー・オヴ・パワーのメンバーをバックに制作した名盤『BAND WAGON』も1975年に生まれた1枚。同年3月のリリースでした。 |
3. ゴロワーズを吸ったことがあるかい / かまやつひろし ムッシュことかまやつひろしが1975年4月にリリースしたアルバム『あゝ、我が良き友よ』は、吉田拓郎、加藤和彦、井上陽水、日高富明、遠藤賢司、細野晴臣、りりィなど、当時日本の音楽シーンで新しい動きを見せていたキーパーソンたちから提供された楽曲を集めた1枚でした。番組では大滝さんが提供した「お先にどうぞ」を聞いていただきましたが。そんなアルバムからこちらでも1曲。これはかまやつさんご自身が作詞作曲したものです。なんと! ちょうど来日していたタワー・オヴ・パワーの面々がバックアップした名曲でした。 |
4. 恋の西武新宿線 / 愛奴 浜田省吾がメンバーだったことでもおなじみのバンド、愛奴(あいど)。1974年に吉田拓郎のバック・バンドとしてプロ活動を始めて、翌75年5月、シングル「二人の夏」とアルバム『愛奴』でデビューを飾りました。「二人の夏」も名曲でしたが、今日は9月に第二弾シングルとしてアルバムからカットされたこちらのナンバーを。 |
5. 少しだけ片想い / 荒井由実 ユーミンも1975年に大きくハネたアーティストのひとり。2月にリリースしたシングル「ルージュの伝言」が、まあ、まだまだ地味ではあったものの、オリコン・チャートに初ランクインするなど、一気に知名度がアップした感じでした。そんな「ルージュの伝言」をフィーチャーする形で6月にリリースされた3作目のアルバムが『COBALT HOUR』。今日はそこからこの曲を。アレンジはもちろん松任谷正隆。演奏はティン・パン・アレー。山下達郎と吉田美奈子がバック・コーラスを担当しています。 |
6. HURRICANE DOROTHY / 細野晴臣 これも1975年6月リリース。大滝さんの盟友、細野晴臣のセカンド・ソロ・アルバム『トロピカル・ダンディー』です。5月に出た大滝さんの『ナイアガラ・ムーン』ともども、本当によく聞いた1枚。そこから今日は、大滝さんも大好きだとおっしゃっていたこの曲を。 |
7. うん、と僕は / センチメンタル・シティ・ロマンス そんな細野さんをプロデューサー(“チーフ・オーディエンス”とクレジットされていましたが)に迎えて制作され、1975年8月にリリースされたのがセンチのファースト・アルバム『センチメンタル・シティ・ロマンス』。シュガー・ベイブ、愛奴と並ぶ注目の新バンドでした。爽快なウェストコート・サウンドがかっこよかったなぁ…。シュガーと愛奴は翌年解散してしまいましたが、センチはその後もちょこちょこメンバーチェンジを繰り返しながら長い活動を続けました。 |
8. わたし / 吉田美奈子 吉田美奈子さんのセカンド・ソロ・アルバム『MINAKO』は1975年10月リリース。これもティン・パン・アレーが全面バックアップした大名盤でした。ご本人の作品の他、ユーミン、細野さん、佐藤博さんなどが曲提供していましたが、今回は大滝さんが提供したこの曲を。 |
9. DEVIL WOMAN / ブレッド&バター 前年、「ピンク・シャドウ」を含む大傑作アルバム『バーベキュー』をリリースしたブレバタが、勢いに乗って1975年10月にリリースしたのがサード・アルバム『MAHAE』でした。これもよく聞いたっけ。その中からぐっとファンキーなこの曲を。 |
10. バイ・バイ・ベイビー / 久保田麻琴と夕焼け楽団 先週のプレイリスト、シュガー・ベイブのメンバーがコーラスに参加している曲集でもセレクトした曲ですが。今回はそのアルバム・ヴァージョンを。久保田麻琴と夕焼け楽団が1975年11月にリリースしたアルバム『ハワイ・チャンプルー』からのナンバーです。シュガー・ベイブが参加していたシングル・ヴァージョンとはがらりと違うアレンジがかっこいいです。 |
11. マダマダ産婆 / サディスティック・ミカ・バンド これも1975年11月リリース。サディスティック・ミカ・バンドのサード・アルバム『Hot! Menu』からのナンバーです。プロデュースはクリス・トーマス。オリジナル・ミカ・バンドとしてはこれが最後のスタジオ・アルバムでした。 |
12. あの娘に御用心 / 沢田研二 で、ラストはジュリー。沢田研二が1975年12月にリリースしたアルバム『いくつかの場面』からのナンバーを。井上堯之バンド、結成したばかりだったゴダイゴ、そしてティン・パン・アレーらがバックアップした1枚で、そこにも大滝さんの提供曲がひとつ入っていました。ということで1975年の日本の音楽シーンを振り返るプレイリスト、ラストは大滝さんの作品で締めさせていただきます。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第408回 萩原健太のotonanoラジオ#291
2025/04/29 公開
ナイアガラ・レコード50周年特集(その1)feat. シュガー・ベイブ『SONGS』50周年

今週のオンエア曲

1.
大滝詠一とココナッツ・バンク
空とぶウララカ・サイダー
『ライブ!!はっぴいえんど』

2.
荒井由実
12月の雨
『MISSLIM』

3.
シュガー・ベイブ
SHOW
『SONGS 50th Anniversary Edition』

4.
シュガー・ベイブ
今日はなんだか
『SONGS 50th Anniversary Edition』

5.
山下達郎
ドリーミング・デイ(Live)
『SONGS 50th Anniversary Edition』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#291
シュガー・ベイブが1975年前後にコーラスを手がけた作品集
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. グッド・タイム・ミュージック / 斉藤哲夫 ナイアガラ・レコード50周年を記念して、1975年、ナイアガラの初リリース作品となったシュガー・ベイブのアルバム『SONGS』にまつわるもろもろを特集してお届けした『otonanoラジオ』。半世紀という歳月を超えて今なお躍動的に響くシュガー・ベイブは、まじかっこいいですねー。 番組の中でも触れましたが、シュガー・ベイブのフロントを担っていた山下達郎、大貫妙子の2人(あるいは、ときどき村松邦男を加えた3人)は、デビュー前からよく吉田美奈子さんを交えてシュガー・ベイブ名義でいろいろなアーティストのレコーディング・セッションでコーラスを担当していました。そうしたセッション・ワークも含めて当時ぼくたちはシュガー・ベイブというアーティストを追いかけていたわけです。ということで、今回のプレイリストはシュガー・ベイブが1975年前後にコーラスを手がけた作品集。以前、大貫さんがゲストに来てくださったとき、大貫さんがコーラスで参加した作品集というプレイリストをセレクトしたことがありましたが、そのときと同じアーティストの同じアルバムからの音源も含まれてます。曲はダブってません。50年くらい前のアルバムってことになると、けっこうストリーミングされていない音源も多く、限られた中からのセレクションなので、そのあたりお許しください。 まずはシュガー・ベイブのアルバム・デビュー以前、1974年の作品から。同年5月にリリースされた斎藤哲夫のシングルです。クレジットはされていませんが、コーラスでシュガー・ベイブが参加しているようです。 |
2. かもめ (Sea Gull) / 沢チエ これもデビュー前、1974年7月にリリースされた沢チエのアルバム『23 (TWENTY-THREE YEARS OLD)』の収録曲です。アルバム中2曲にシュガー・ベイブがコーラスで参加していましたが、そのうちのひとつ。 |
3. たぶんあなたはむかえに来ない / 荒井由実 旧姓時代のユーミンの大傑作アルバム、1974年10月リリースの『MISSLIM』から番組では「12月の雨」をオンエアしましたが、他にもさらに4曲で、シュガー・ベイブは吉田美奈子さんや矢野顕子さんを交えつつコーラスを担当していました。そのうちの1曲。この曲は達郎、ター坊、美奈子という顔ぶれによるハーモニーのようです。いろいろとアイディア豊かな、達郎さんならではのコーラス・アレンジがほどこされています。 |
4. 丘を越えると / 佐藤公彦 創設当時のナイアガラ・レコードの配給元はエレック・レコードでしたが、そういう意味ではシュガー・ベイブのレーベル・メイトでもあった“ケメ”こと佐藤公彦。彼が1974年11月にリリースしたアルバム『片便り』からのナンバーです。クレジットはされていませんが、この曲にシュガー・ベイブがコーラスで参加していました。 |
5. 虹をあげよう / ルネ カナダのキッズ・シンガー、ルネ・シマールが1975年4月にリリースしたファースト・スタジオ・アルバム『君のすべてが欲しい』より。シュガー・ベイブのアルバム・デビュー直前のリリースでした。達郎、ター坊、美奈子によるハーモニーです。 |
6. サマー・ビーチ・ガール / BUZZ シュガー・ベイブのアルバム『SONGS』リリース直後、1975年5月にリリースされたBUZZのシングルB面曲(A面は「はつかり5号」)。クレジットはされていませんが、シュガー・ベイブが張り切ってビーチ・ボーイズふうのコーラスを披露しています。 |
7. バイ・バイ・ベイビー (single version) / 久保田麻琴と夕焼け楽団 これも1975年5月リリースのシングル。アルバム『ハワイ・チャンプルー』にも収録されている曲ですが、先行リリースされたシングルはまったくの別アレンジ、別ヴァージョン。このシングル・ヴァージョンにノー・クレジットながらシュガー・ベイブがコーラスで参加していました。 |
8. ロンリネス / 風 伊勢正三と大久保一久によるポップ・デュオ“風”が1975年6月にリリースした『風 ファーストアルバム』より。シュガー・ベイブ+吉田美奈子+ハイ・ファイ・セットという面々がコーラスを担当している曲がふたつ入っていました。そのうちの1曲。大貫さんゲスト回のプレイリストのほうでは「でい どりーむ」という曲をピックアップしましたが、今回はもうひとつのほうです。 |
9. 個人的メッセージ / ガロ これも1975年6月発売のアルバム、ガロの『吟遊詩人』より。ここにも2曲、シュガー・ベイブ+美奈子さんがコーラス参加した曲が入っていました。そのうちのひとつ。もちろんガロの面々もコーラスに加わっています。豪華だ…。 |
10. CHOO CHOO GATTA GOT '75 / ティン・パン・アレー 細野晴臣を中心に結集したミュージシャン集団、ティン・パン・アレーが、その前身となったバンドの名義をアルバム・タイトルに冠して1975年11月にリリースしたアルバム『キャラメル・ママ』にも、達郎&ター坊がコーラスで参加したものが3曲。そのうちのひとつ、細野さんがリーダーシップをとったこの曲を。 |
11. つめたく冷して / あがた森魚 あがた森魚が1976年1月にリリースしたアルバム『日本少年〜ヂパング・ボーイ』には達郎、ター坊、そして矢野顕子という3人がコーラスで参加した曲がふたつ。そのうち、前回、大貫さんのプレイリストのほうには「薄荷糖の夏」という曲をピックアップしましたが、今回はこちら。エルヴィス・プレスリーのヒット曲の替え歌です。コーラス・クレジットは“香港赤色ジョダネアーズ”(笑)。 |
12. Bye-bye / 丸山圭子 1976年3月リリース、丸山圭子のアルバム『黄昏めもりい』にも、達郎+ター坊+村松の3人がシュガー・ベイブ名義で3曲にコーラス参加していました。大貫さんのプレイリストでは「スカイラウンジ」という曲をセレクトしましたが、今回はプレイリストの〆にふさわしく「Bye-bye」という曲を。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第407回 萩原健太のotonanoラジオ#290
2025/04/22 公開
佐橋佳幸さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

1.
ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸
Decidedly Kabuki-cho
『EN』

2.
ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸
French Is Spoken Far From Here
『EN』

3.
ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸
Coltrane's Blue World
『EN』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#290
”日本”の地名が入ったタイトル曲コレクション<洋楽編>
▶ CLICK TO PLAY Apple Music, Spotify, LINE MUSIC
各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. Love Letter To Japan / The Bird and The Bee 先週に引き続き、敬愛するピーター・ゴールウェイとのコラボ・アルバム『EN』を4月23日にリリースする佐橋佳幸くんをゲストに迎えた『otonanoラジオ』。相変わらず楽しいおしゃべりを聞かせてくれました。ということで、今回もピーター・ゴールウェイさん絡みのプレイリスト、お届けします。ピーターさんは日本のミュージシャンとも“縁”の深い人で、サハシとのコラボ・アルバムでも細野晴臣、小原礼、林立夫、屋敷豪太、Dr. kyOn、山本拓夫、矢野顕子、大貫妙子、松たか子など、たくさんの日本人ミュージシャンが素晴らしいサポートを聴かせています。それだけに日本にまつわる曲というのをたくさん作ってくれていて。今回のアルバム『EN』にも、東京とか新宿とか歌舞伎町とか京都とか明治神宮とかプリンスホテルとか、いろいろ日本の地名が登場します。それにちなんで、今回は日本の地名みたいなものがタイトルに織り込まれている洋楽曲ってやつを12曲集めてみました。 まずはざっくり“ジャパン”って言葉がタイトルに入っている曲たちから。トップ・バッターは先日、ヴァン・ダイク・パークスの来日公演にゲスト出演していたイナラ・ジョージ(リトル・フィートのローウェル・ジョージの娘さん)とグレッグ・カースティンによるポップ・デュオ、ザ・バード・アンド・ザ・ビー。彼らが2009年にリリースしたセカンド・アルバム『レイ・ガンズ・アー・ノット・ジャスト・ザ・フューチャー』に収めていた曲です。 |
2. Welcome To Japan / The Strokes 続いてはストロークス。2013年のアルバム『カムダウン・マシン』の収録曲です。ウェルカム・トゥ・ジャパン、スキューバ・ダンシング、タッチダウン! って、何言ってんだか、意味わかりませんが(笑)。 |
3. Made in Japan / Buck Owens 今度はちょっと古めのところから。カントリー界の大スター、バック・オーウェンスが1972年、全米カントリー・チャート1位に送り込んだナンバーです。“彼女の美しさは想像以上/早春の山に咲く桜の花のよう/川沿いを歩きながら彼女がそっと俺の手を握った/そのとき俺は“メイド・イン・ジャパン”の女の子と恋に落ちた”という歌詞が、まあ、若干微妙ではありますが、泣けます。 |
4. Tokyo Storm Warning / Elvis Costello & The Attractions ここからは“東京”って言葉がタイトルに入っている曲。最初はエルヴィス・コステロが1986年にリリースしたアルバム『ブラッド&チョコレート』からのナンバーです。“世界が冗談だとしてもかまわない/投げキスして手を振るさ/死は図体がでかいから大きな帽子をかぶってる/俺たちはこの一瞬だけに生きている”とか、ノッケからワケがわからない歌詞ですが(笑)。かっこいいからいいです。 |
5. Tokyo Joe / Bryan Ferry また1970年代の曲。ブライアン・フェリーが1977年にリリースしたソロ・アルバム『イン・ユア・マインド』の収録曲です。謎めいた“トーキョー・ジョー”をめぐって展開するミステリアスな1曲。 |
6. Tokyo Nights / Bee Gees ビー・ジーズが1989年にリリースしたアルバム『ワン』からのナンバー。ニューヨークで孤独を感じる主人公が、かつて過ごした東京での夜を思い出しています。 |
7. Woman from Tokyo / Deep Purple これも古い曲。昔のロック・ファンにとって東京を歌った洋楽といえばこの曲だったかなー。ディープ・パープルが1973年にリリースしたナンバー。日本でのライヴ盤のヴァージョンもおなじみですが、今回はアルバム『紫の肖像(Who Do We Think We Are)』に収録されたスタジオ・ヴァージョンで。 |
8. Harajuku Girls / Gwen Stefani これは“原宿”をテーマにした曲。グウェン・ステファニーが2004年にリリースして、世界に向け原宿の楽しさとか、“かわいい”って単語とかを広めた曲です。日本語のフレーズもちょいちょい顔を出します。スーパーかわいい! |
9. Kamakura / Ash 次は“鎌倉”。北アイルランドのロック・バンド、アッシュが2009年にリリースしたナンバー。 東京、札幌、京都、大阪、名古屋、そして鎌倉など日本各地の都市名が列挙されて、“故郷に帰ってきたみたいだ、アリガトー”とか歌われています。 |
10. Kyoto / Phoebe Bridgers 続いて“京都”です。フィービー・ブリッジャーズの2020年のアルバム『パニッシャー』より。“京都でオフ/お寺にも飽きちゃった…”とか歌いつつ、家族のこととか、疎外感のこととか、いろいろ綴っています。 |
11. Sumahama / The Beach Boys これは具体的な地名は出てこないのだけれど、どうやら関西の須磨海岸のことを歌っていると言われているビーチ・ボーイズのナンバー。作者のマイク・ラヴが当時付き合っていたスマコさんという女性に触発されて作ったという説も。よくわかりませんが。なんだかお気楽な日本情緒が描かれた曲です。日本語の歌詞もあやしくてよいです。1979年のアルバム『L.A. (Light Album)』より。 |
12. Going Back to Okinawa / Ry Cooder 最後は“沖縄”、いきましょう。細野晴臣さんとか久保田麻琴さんとかの音楽にも興味を抱いていたライ・クーダーが、1987年のアルバム『ゲット・リズム』に収めていたナンバー。沖縄音階をふんだんに盛り込みつつ、戦争のイメージなども交えて異国の郷愁に思いを馳せる曲です。 |
解説:萩原健太

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!