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第479回 萩原健太のotonanoラジオ#362

2026/09/08 公開

BONNIE PINKさんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

BONNIE PINKさんをゲストに迎えて(その1)

1.

BONNIE PINK

Heaven’s Kitchen

『BONNIE PINK ALL TIME BEST “Grow”』

BONNIE PINKさんをゲストに迎えて(その1)

2.

BONNIE PINK

かなわないこと

『BONNIE PINK ALL TIME BEST “Grow”』

BONNIE PINKさんをゲストに迎えて(その1)

3.

BONNIE PINK

Gimme A Beat

『BONNIE PINK ALL TIME BEST “Grow”』


BONNIE PINKさんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第478回 萩原健太のotonanoラジオ#361

2026/09/01 公開

ザ・ビートルズ『ラバー・ソウル』特集


ザ・ビートルズ『ラバー・ソウル』特集

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第477回 萩原健太のotonanoラジオ#360

2026/08/25 公開

難波弘之さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

難波弘之さんをゲストに迎えて(その2)

1.

SENSE OF WONDER

メビウスナイト

『シルバーグレイの街 〜 難波弘之アンソロジー』

難波弘之さんをゲストに迎えて(その2)

2.

野獣王国

時潮(THE TIME TIDES)

『夏への扉 〜 難波弘之アンソロジー』

難波弘之さんをゲストに迎えて(その2)

3.

難波弘之

浮遊(40周年ライヴ・ヴァージョン)

『シルバーグレイの街 〜 難波弘之アンソロジー』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#359 #360

古今東西、小説タイトルが曲名になっているナンバー

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 嵐が丘 / ケイト・ブッシュ

 難波弘之さんをゲストにお招きした『otonanoラジオ』。いかがでしたか? さすが落語にも精通している趣味人、難波さんだけあって、おしゃべりも見事。立て板に水…てな感じで、難波さんの“鍵盤生活”50周年を記念してソニーミュージックとキングレコードが合同で編纂した『シルバーグレイの街 〜 難波弘之アンソロジー』と『夏への扉 〜 難波弘之アンソロジー』について大いに語っていただきました。楽しかったですねー。またぜひお招きしたいものです。

 というわけで、今回のプレイリスト。キング編アンソロジーのほうのタイトルにもなっている「夏への扉」(作詞:吉田美奈子、作曲:山下達郎)というのは、まあ、もちろん難波さんの代表曲で。1979年にリリースされた初ソロ・アルバム『センス・オブ・ワンダー』の収録曲。このアルバムはご存じの通り、SF小説をテーマにしたコンセプト・アルバムで、収録曲はすべてSF小説のタイトルなどをモチーフにしていたわけですが。それに倣って、今回は古今東西、小説のタイトルが曲名になっている12曲を集めてみました。

 まずはその種の特集があったら必ずセレクトされるこの曲から。エミリー・ブロンテが1847年に出版した生涯唯一の小説『嵐が丘』に触発されて、ケイト・ブッシュが1978年にリリースしたデビュー・シングルです。原題は「Wuthering Heights」。実際には小説にではなく、テレビ・ドラマ化された作品に着想を得たものらしいけど。まあ、そこは、ね(笑)。明石家さんまさんの番組のテーマ曲としてもおなじみでした。
2. 1984 / デヴィッド・ボウイ

 続いてはデヴィッド・ボウイ。1974年のアルバム『ダイヤモンドの犬(Diamond Dogs)』に収録されていたナンバーです。ジョージ・オーウェルが1949年に発表したディストピア小説の最高峰『1984年』に触発され、同小説のミュージカル化のために書かれたものの、未亡人ソニア・オーウェルさんから許可が得られずミュージカル化の計画は頓挫しました。
3. 月に吠える / ヨルシカ

 日本もの、いきます。ヨルシカは「又三郎」とか「老人と海」とか、いろいろ文学オマージュ作品をリリースしていますが、2021年にリリースした本曲は萩原朔太郎が1917年に出版した詩集『月に吠える』をモチーフにした1曲。そこに収められていた「悲しい月夜」と「見知らぬ犬」という詩からのイメージが絶妙に引用されています。
4. プー横丁の家 / ニッティ・グリッティ・ダート・バンド

 近年は映画でもおなじみ、“クマのプーさん”と言えば、A・A・ミルンが1926年に発表した児童小説『クマのプーさん(Winnie-the-Pooh)』の主人公。その続編である『プー横丁にたった家(The House At Pooh Corner)』も1928年に出版されました。これに基づいてケニー・ロギンスが書いたのが本曲。1970年、カントリー・ロック・バンドのニッティ・グリッティ・ダート・バンドがアルバム『アンクル・チャーリーと愛犬テディ(Uncle Charlie & His Dog Teddy)』で取り上げました。その後、作曲者ケニー・ロギンスも1971年にロギンス&メッシーナのアルバムで自ら歌っています。
5. 浮かぶ飛行島 / 南佳孝

 日本もので文学作品のタイトルを曲名に冠しているもの、というと、真っ先に思い出すのが松田聖子「風立ちぬ」だったりするわけですが。あまりにも有名すぎるので、今回はちょっと遠慮させていただいて。同じ松本隆の作詞によるこちらの曲をセレクト。“日本SF小説の始祖”とも呼ばれる小説家/漫画家/科学解説家、海野十三が1938年に『少年倶楽部』誌上で連載した同名の長編小説に触発された1曲です。1984年にリリースされた南佳孝のアルバム『冒険王』の収録曲。
6. 不思議の国のアリス / ニール・セダカ

 ルイス・キャロルが1865年に発表した超おなじみの児童小説『不思議の国のアリス(Alice’s Adventures In Wonderland)』は、本当にたくさんのアーティストを触発して、たくさんの名曲を生み出していますが。今回はそんな中からこれを。ニール・セダカが1963年にリリースしたシングルです。ちなみにこちらの原題は、小説の簡略化された通名“Alice In Wonderland”でした。
7. 毛皮のヴィーナス / ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ

 ウクライナ出身のオーストリアの小説家、ザッヘル=マゾッホが1870年に書いた中編小説『毛皮を着たヴィーナス』(原題は「Venus Im Pelz」)にインスパイアされてルー・リードが書いた曲。1967年の名盤『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』の収録曲です。こちらの原題は、小説の英題「Venus In Furs」。でもって邦題が「毛皮のヴィーナス」。ややこしいっすね。
8. ロンググッドバイ / きのこ帝国

 “The Long Goodbye”というのは、レイモンド・チャンドラーが1953年に書いた傑作ハードボイルド探偵小説『長いお別れ』の原題。それをカタカナ表記のまま曲名にしたのが本曲です。きのこ帝国が2013年にリリースしたミニ・アルバムの表題曲でした。
9. アモンティラードの酒樽 / アラン・パーソンズ・プロジェクト

 アラン・パーソンズ・プロジェクトが1976年にリリースしたファースト・アルバム『怪奇と幻想の世界(Tales Of Mystery And Imagination)』は、幻想小説の大家、エドガー・アラン・ポーの作品をテーマに据えた1枚。アルバムまるごと、「アッシャー家の崩壊」「黒猫」「大鴉」といったポーの名作をモチーフにしていましたが、その中から今回はこの曲を。ポーが1846年に発表した短編小説のタイトルを曲名にしたものです。原題は「The Cask Of Amontillado」。
10. コーヒーと恋愛 / サニーデイ・サービス

 獅子文六が1962年から1963年にかけて新聞に連載していた小説『可否道』が1969年、角川書店から文庫化される際に『コーヒーと恋愛(可否道)』と改題。1990年代になってからそれを読んだ曽我部恵一が触発されて同名曲を書き、1996年、サニーデイ・サービスのアルバム『東京』に収録したところ、今度は筑摩書房の編集者がそれに感動しその小説を文庫として復刊。曽我部くんが巻末の解説を担当するなどして、新たな世代に獅子文六の名前と独特の作風がまた広まっていった、と。そういう美しい話でありました。
11. ロミオとジュリエット / ダイアー・ストレイツ

 ダイアー・ストレイツが1980年のアルバム『メイキング・ムーヴィーズ』に収めた曲。もちろんシェイクスピアが1590年代半ばに書いた同名戯曲を下敷きにしたものではありますが、作者マーク・ノップラーは当時別れたばかりの恋人とのあれこれをそこに重ね合わせてこの曲を書いたとかなんとか…。
12. いちご色の窓 / 難波弘之

 最後は難波さんの作品で占めましょう。「夏への扉」などとともに1979年の初ソロ・アルバム『センス・オブ・ワンダー』に収められていた曲。レイ・ブラッドベリが1959年に出版した短編集『メランコリイの妙薬』の中の一篇に触発され、山下達郎(作曲)&吉田美奈子(作詞)が書き下ろした名曲です。小説の原題は「The Strawberry Window」。

解説:萩原健太


難波弘之さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第476回 萩原健太のotonanoラジオ#359

2026/08/18 公開

難波弘之さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

難波弘之さんをゲストに迎えて(その1)

1.

難波弘之

シルバーグレイの街

『シルバーグレイの街 〜 難波弘之アンソロジー』

難波弘之さんをゲストに迎えて(その1)

2.

難波弘之

夏への扉

『夏への扉 〜 難波弘之アンソロジー』

難波弘之さんをゲストに迎えて(その1)

3.

難波弘之

SLOW DOWN~流れゆく愛

『シルバーグレイの街 〜 難波弘之アンソロジー』


難波弘之さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第475回 萩原健太のotonanoラジオ#358

2026/08/11 公開

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その2)

1.

坂本美雨

なにもいらない

『Something True』

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その2)

2.

坂本美雨

If I must die

『Something True』

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その2)

3.

坂本美雨

静夜曲

『Something True』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#357 #358

If I must die …“静かな抗議の歌”集

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1. If I must die / 坂本美雨 & 原摩利彦

 坂本美雨さんをゲストに迎えた『otonanoラジオ』。デビュー30周年を目前に控えた今年、久々にリリースされた新作アルバム『Something True』について、いろいろ深いお話をうかがいました。

 というわけで、今回のプレイリスト。この『Something True』のキーポイントのひとつともなっている「If I must die」という曲に触発されたセレクションをお届けします。この曲、番組でもかけて、美雨さんにその成り立ちを話していただきましたが。パレスチナ・ガザ地区の詩人/大学教授のリフアト・アルアライールが2023年12月、イスラエル軍の空爆で亡くなる直前に残した同名詩が原典。原摩利彦の作曲・編曲によるストリングスとピアノの演奏のもと、美雨さんが歌った作品です。「もし私が死ななければならないなら、あなたは生き延びて物語を語り継いでほしい」と、静かに、しかし確かな思いの下、ガザ地区におけるイスラエル軍の軍事侵攻および人道危機に対する抗議を伝える1曲。静謐な祈りを通して反戦と、命、尊厳の回復を訴えています。

 今回はそんな“静かな抗議の歌”を12曲集めてみました。プロテスト・ソングというと強いメッセージを激しく放つタイプのものも多いわけですが、美雨さんの「If I must die」のように、静かだからこそより深く、鋭く、聞き手の心に届くものもあります。そんな佇まいの12曲。まずは番組でのオンエアとダブってしまいますが、美雨さんのこの曲から、改めて。
2. Black Boys On Mopeds / Sinéad O'Connor

 シネイド・オコナーが1990年にリリースしたセカンド・アルバム『蒼い囁き(I Do Not Want What I Haven't Got)』に収められていたナンバー。1983年1月、ロンドンのストーク・ニューイントン警察署内で不審な死を遂げた黒人青年コリン・ローチの事件(自殺と裁定されたが遺族や公民権団体は警察の隠蔽を訴えた)に捧げられ、当時のサッチャー政権下における警察の暴力と人種差別構造への抗議を静かに綴った作品です。
3. Man Of War / The Jacksons

 マイケル・ジャクソンを含むザ・ジャクソンズが1977年にリリースしたアルバム『ゴーイン・プレイシズ〜青春のハイウェイ』の収録曲。「平和を願おう」という邦題が付いていました。ベトナム戦争終結からまもない冷戦期、“武器を置け”というストレートなメッセージを放った反戦歌です。フィリー・ソウルの名匠、ケニー・ギャンブル&レオン・ハフ作/プロデュース。
4. Redemption Song / Bob Marley & The Wailers

 ボブ・マーリー生前最後のスタジオ・アルバム『アップライジング』(1980年)より。奴隷貿易の歴史、植民地支配、および現代人の“精神的奴隷状態”に対して異を唱えるナンバーです。マーカス・ガーベイの演説フレーズを引用し、肉体的な解放だけでなく、自らの思想や精神を精神的束縛から解放せよと静かに促す人権宣言。
5. I Can’t Breathe / H.E.R.

 いわゆる“ブラック・ライヴズ・マター”ムーヴメントの中から生まれた1曲。2020年5月、白人警官に圧迫されて死亡したジョージ・フロイドが発した言葉をタイトルに冠して、構造的差別と無関心な社会に対して痛切に抗議した作品です。
6. Shipbuilding / Robert Wyatt

 1982年のフォークランド紛争の際、衰退していた造船所が軍艦製造によって景気回復に沸いている状況を皮肉る形でエルヴィス・コステロが作詞したナンバー。造船所が潤うということは、自分たちの子供が戦場へ送られるということ…という歪みが淡々と描かれています。作曲はクライヴ・ランガー。コステロ自らも歌っていますが、もともとはロバート・ワイアットのために書き下ろされたものでした。
7. Is It Because I’m Black (45 Version) / Syl Johnson

 1969年のブルージーなソウル・ナンバー。前年のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師暗殺後の社会的緊張の中、黒人が日常的に直面する構造的貧困および社会的機会の剥奪について訴えたものです。“自分が黒人だからなのか”という問いが繰り返されます。
8. In The Ghetto / Elvis Presley

 1969年にエルヴィス・プレスリーが放ったメッセージ・ソング。シカゴのスラム街を舞台に、貧困の中で育った若者が罪を犯して命を落とし、また次の命が生まれるという貧困の連鎖と、それに対する社会の無関心に対して警鐘を鳴らした作品です。
9. Strange Fruit / Billie Holiday

 ニューヨーク市ブロンクス地区のユダヤ人教師、エイベル・ミーロポールが1937年、ルイス・アレン名義で発表したプロテスト・ソングの原点的作品。アメリカ南部でリンチにあって虐殺され、ポプラの木に吊りさげられた黒人の死体を“奇妙な果実”と描写し、人種差別と黒人虐殺の真実を告発したものです。1939年にビリー・ホリデイが歌い、世に広まりました。
10. Blowin’ In The Wind / Peter, Paul & Mary

 1962年、フォークの若き旗手だったころのボブ・ディランが作った名曲。公民権運動および核軍縮・反戦問題を巡って、自由や平和がいつ実現するのかという9つの問いに対し“答えは風に舞っている”と繰り返す中、人間の権利侵害や戦争を容認し続ける社会の遅鈍さを静かに批判したものです。今回はシングルとして世界で大ヒットしたピーター・ポール&マリーのヴァージョンで。邦題は「風に吹かれて」。
11. A Change Is Gonna Come / Sam Cooke

 その「風に吹かれて」に触発されて、サム・クックが1964年に作った名曲。人種差別と不平等の歴史、過酷な現実を描きながら、しかし“必ず変革の時が来る”という確信を込めて希望と権利の平等を提示しています。
12. Where Have All The Flowers Gone? / Pete Seeger

 米フォーク音楽の父とも呼ばれるピート・シーガーの作品。邦題は「花はどこへ行った」。花はどこへ行った?→少女が摘んだ→少女はどこへ行った?→愛する男のお嫁に→男はどこへ行った?→兵士になって戦場へ→兵士はどこへ行った?→戦死して墓に→墓はどこへ?→花で覆われた…と続き、再び冒頭の、花はどこへ? と連環し、やがて最後、When will they ever learn? つまり、いつになったら彼らは学ぶのだろう…と、人間の愚かさを嘆く曲です。様々なアーティストが歌っていますが、今回は作者、ピート・シーガー自身の歌声で。

解説:萩原健太


坂本美雨さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第474回 萩原健太のotonanoラジオ#357

2026/08/04 公開

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その1)

1.

坂本美雨

Lullaby

『Something True』

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その1)

2.

坂本美雨

美しい雨

『Something True』

坂本美雨さんをゲストに迎えて(その1)

3.

坂本美雨

食卓

『Something True』


坂本美雨さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第473回 萩原健太のotonanoラジオ#356

2026/07/28 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大江千里

Acha!(あわてんぼうの実験)

『HOMEWORK』

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大江千里

Homework(ピュアな好奇心)

『HOMEWORK』

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

3.

大江千里

Stormy Day(嵐が丘)

『HOMEWORK』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#355 #356

再生タイム2分以下のポップ・ソングたち

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Welcome To The Working Week / Elvis Costello

 大江千里さんをゲストにお迎えして新作アルバム『HOMEWORK』のことをあれこれうかがった『otonanoラジオ』。今回のアルバムは、盟友とも言うべきベースのマットさんとドラムのロスさんとともにレコーディング・スタジオで録音したストレートアヘッドなジャズ作品から、おうちでコンピューターを使って宅録されたエレクトロニックなベッドルーム・ポップ系の作品まで、千里さんの体内に渦巻く幅広い音楽性を反映した仕上がりになっていますが。けっこう目立っているのが、1分20秒とか50秒とか40秒とか、2分に満たない、さりげないスケッチのような小品が5曲入っていて。でも、それらがアルバム全体にいい“フック”をもたらしていること。むりやり4分とか5分に引き伸ばして通常の楽曲としての体裁を整えるのではなく、短いものは短いまま、その楽曲のたたずまいを提供してくれているようで。なんだか素敵でした。

 というわけで、今回のプレイリスト。千里さんの小品にインスパイアされつつ、2分以下のポップ・ソングたちの中からぼくの好きなものを思いつくまま12曲並べてみました。12曲選んだのに全長20分以下(笑)。もしかしたら『otonanoラジオ』のプレイリストとしては過去イチ短いものにしあがったかも。

 まずはエルヴィス・コステロが1977年にリリースしたデビュー・アルバム『マイ・エイム・イズ・トゥルー』の冒頭を飾っていたこの曲。1分20秒くらいの、スピード感たっぷり、痛快なオープニング・ナンバーでした。
2. The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy) / Simon & Garfunkel

 続いてはサイモン&ガーファンクルが1966年にリリースしたアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収められていたこの曲。「59番街橋の歌」という邦題でもおなじみでしょう。アルバム・タイトルは長いですが、それに対してこの曲は1分50秒弱。キャッチーな曲なのでシングル・カットも検討されたらしいけれど、曲が短すぎるってことで見送りに。翌1967年、ハーパース・ビザールが本曲をカヴァーしてシングル化した際には、途中アカペラ・コーラス・パートなどを挿入して2分半くらいに引き伸ばしていました。
3. Lazing On A Sunday Afternoon / Queen

 クイーン、1975年の傑作アルバム『オペラ座の夜(A Night At The Opera)』に収められていた「うつろな日曜日(Lazing On A Sunday Afternoon)」も1分ちょいという超短い曲ながら、ノスタルジックな名曲。バケツの中にヘッドフォンを入れ、そこからフレディ・マーキュリーのヴォーカルを再生して、古っぽい音質にしているそうです。遊び心が楽しい。
4. Boy About Town / The Jam

 モッズに捧げられた、このジャムの名曲もぎりぎり2分以下。1980年の5作目『サウンド・アフェクツ』の収録曲です。もちろん作者はポール・ウェラー。
5. Little Cowboy / Harry Nilsson

 ハリー・ニルソンが1968年にリリースしたアルバム『空中バレー(Aerial Ballet)』の収録曲。お母さんがベッドで子供に“かっこいいカウボーイになりたかったら、そろそろ寝て、少しお休みなさい”と歌いかける、短いながらも本当に素敵な子守歌です。
6. I’d Love Just Once To See You / The Beach Boys

 続いてはビーチ・ボーイズ、1967年のアルバム『ワイルド・ハニー』より。夜、お皿を洗ったり、シンクを磨いたりしながら、ああ、君が一緒にいてお皿を拭いてくれたらいいのに…みたいなことを歌う、なんとも切ない曲です。
7. Judy Is A Punk / Ramones

 1976年にリリースされたラモーンズのファースト・アルバム『ラモーンズの激情(Ramones)』は、収録されている全14曲すべてが3分以下。2分台が7曲、1分台も7曲。初めてアルバムを聞いたとき、曲が終わったんだか、曲中のブレイクなんだか、わからなかったものです(笑)。そんな1分台の曲の中から今回はいちばん短いこの曲を。
8. Please Please Please Let Me Get What I Want / The Smith

 ザ・スミスはデビュー直後の1983年、何度かBBCレディオ・ワンの音楽番組のためにスタジオ・ライヴを行っているのだけれど。そこからの10曲を集めたコンピ・アルバム『ハットフル・オブ・ホロウ』のエンディングを飾っていたナンバー。ドリーム・アカデミー、ミューズ、デフトーンズ、フーティー&ザ・ブロウフィッシュ、シー&ヒムなどもカヴァーしている名曲です。
9. Baby Snakes / Frank Zappa

 音楽界最強の奇才、フランク・ザッパが1977年にニューヨークのパラディアムで行ったハロウィーン・コンサートの映像を収録した映画『ベイビー・スネイクス』のサウンドトラック・アルバムより、そのタイトル・チューンを。
10. I’m In Love With A Girl / Big Star

 ビッグ・スターが1974年にリリースしたアルバム『レディオ・シティ』のラストを飾っていたナンバー。中心メンバー、アレックス・チルトンによるアコースティック・ギターの弾き語りです。アレックス・チルトン流の、新しい愛への賛歌。
11. Soldiers / James Taylor

 シンガー・ソングライターの最高峰、ジェイムス・テイラーはけっこうたくさん1分台の曲を書いているのだけれど、そんな中から今回はこの曲を。1971年のアルバム『マッド・スライド・スリム(Mud Slide Slim And The Blue Horizon)』に収められていた作品です。短いながらも、しっかり反戦のメッセージがこめられた名曲。
12. I Will / The Beatles

 最後はビートルズで締めましょう。1968年の2枚組『ザ・ビートルズ』(通称“ホワイト・アルバム)収録のポール・マッカートニー作品です。

解説:萩原健太


大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第472回 萩原健太のotonanoラジオ#355

2026/07/21 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大江千里

Fresh Edge(消しゴムの角)~Rain Glass(雨の窓)

『HOMEWORK』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

2.

大江千里

Pure Scars(愛しい破壊跡)

『HOMEWORK』

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

3.

大江千里

First Wish(一番星のシグナル)

『HOMEWORK』


大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第471回 萩原健太のotonanoラジオ#354

2026/07/14 公開

吾妻光良さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

吾妻光良さんをゲストに迎えて(その2)

1.

吾妻光良 & The Swinging Boppers

やっぱり肉を喰おう

『SPECIAL BANQUET』

吾妻光良さんをゲストに迎えて(その2)

2.

吾妻光良 & The Swinging Boppers

Misty [feat. EGO-WRAPPIN']

『SPECIAL BANQUET』

吾妻光良さんをゲストに迎えて(その2)

3.

吾妻光良 & The Swinging Boppers

150~300

『SPECIAL BANQUET』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#353 #354

タイトルが数字だけの曲集

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 634-5789 / Wilson Pickett

 吾妻光良 & The Swinging Boppersから、親分、吾妻さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。今年のお正月に結成45周年記念として東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYAで開催されたライヴをまるごと収録した映像パッケージ『Special Banquet』についてあれこれお話をうかがいました。なんとも渋く、おかしく、じんわり味のある2週間でした。

 で、その中で、今回のライヴでも披露され、番組でも聞いたバッパーズの大当たり曲のひとつ「150-300」の話になって。これはウィルソン・ピケットの1965年のR&Bヒット「634-5789」のように、タイトルが数字だけの曲を作りたかったので書いたものだ…という裏話を披露してくれました。その話にインスパイアされて、今回のプレイリストは曲名が数字だけの曲特集。数字入りのタイトルってのは本当にたくさんあるので、今回は“数字だけ”ってところにこだわって選んでみました。もちろんそれでもほんの一部ではありますが…。

 まずは「150-300」の発想のもとになっているというウィルソン・ピケットの「634-5789」から。まあ、バッパーズは血圧の歌で、こちらは電話番号を歌ったものですが。寂しいとき、愛がほしいとき、俺に電話してくれよ…というストレートなラヴ・ソングです。
2. 1999 / Prince

 タイトルが数字だけの曲で、いちばん多いパターンが年号かも。その代表的なひとつ、プリンスが1982年にリリースした「1999」です。これは文字通り1999年、20世紀最後の年のことを歌ったもの。ツアーでホテルに滞在中、ノストラダムスの大予言を扱ったHBOのドキュメンタリー番組をテレビで観たのがきっかけで生まれた曲だとか。新世紀を前にした1999年に世界が滅びるとしても、怯えながら過ごすのではなく、最高に楽しみながらポジティヴに死のう…という、人類滅亡の危機を前にした究極の開き直り曲。
3. 1979 / The Smashing Pumpkins

 続いては1979年の歌。スマッシング・パンプキンズが1995年にリリースしたアルバム『メロンコリーそして終りのない悲しみ』に収録されていたナンバーです。1979年はフロントマン、ビリー・コーガンが12歳だった年。子供から大人へと変わっていく思春期特有の、退屈だけど何かが始まりそうな予感がノスタルジックに綴られています。
4. One / Three Dog Night

 歌っているバンドはスリー・ドッグ・ナイト。こっちにも数字が入ってますが。曲名はずばり「ワン」。失恋してひとりきりになってしまった男の虚しさが歌われています。“1は人生で経験する中で最も孤独な数字”というフレーズが印象的。作者のハリー・ニルソンが1968年に発表した曲ですが、翌年、スリー・ドッグ・ナイトがカヴァーして全米ヒットさせました。
5. 1-2-3 / Len Barry

 1965年の大ヒット・ナンバー。フィラデルフィアのブルー・アイド・ソウル・グループ、ザ・ダヴェルズのフロントを張っていたレン・バリーがソロ・シンガーとして放った曲です。恋に落ちるのなんて“1、2、3”くらい簡単さ! というキャッチーなダンス・チューンです。
6. 99 / Toto

 続いてはTOTOが1979年にリリースしたアルバム『ハイドラ』の収録曲。リード・ヴォーカルをつとめているスティーヴ・ルカサーですが、作者はデヴィッド・ペイチ。ジョージ・ルーカス監督のSF映画*『THX 1138』に登場する、名前ではなく“99”という番号で呼ばれるキャラクターへのオマージュとして作られた曲だとか。人間が番号で管理される、愛のないディストピアがクールに描かれています。
7. 33 1/3 / The Jesus and Mary Chain

 ジザメリが1995年にリリースしたEP「アイ・ヘイト・ロックンロール」の収録曲。オリジナル・アルバム未収録の地味曲です。タイトルの「33 1/3」はアナログLPレコードの回転数のことだろうなぁ。現実世界の閉塞感、退屈さ、抑圧から逃れるように、LPレコードをプレイヤーに乗せて音楽のノイズとメロディに没入していく姿…みたいな? よくわかんないけど(笑)。
8. 409 / The Beach Boys

 一転、思いきり陽気なやつをいきましょう。ビーチ・ボーイズが1962年、シングル「サーフィン・サファリ」のB面に収めていたこの曲。ビーチ・ボーイズ初期の曲作りに協力していたゲイリー・アッシャーが当時憧れていた人気車、シヴォレー409のことを歌ったホットロッド・ナンバーです。ちなみに、イントロのエンジン音は、ゲイリー・アッシャーが当時乗っていた愛車、シヴォレー348のものらしい。
9. 19 / Old 97’s

 スリー・ドッグ・ナイト同様、バンド名にも数字が入っているパターンだな。オルタナティヴ・カントリー・バンド、オールド97sが1999年にリリースしたアルバム『ファイト・ソングズ』より。ずばり19歳だったころの自由で瑞々しい記憶に思いを馳せている曲です。
10. 5-7-0-5 / City Boy

 これも1曲目にセレクトしたウィルソン・ピケットの同様、電話番号を歌った曲。イギリスのロック・バンド、シティ・ボーイが1978年に発表したものです。邦題は「君のナンバー5705」でした。思いを寄せる彼女に公衆電話から必死に電話をかけまくりながらもまったく無視されている主人公の切ない空回りが歌われてます。もう1枚の10セント硬貨しかない…とか、ねえ、交換手さん…とか。固定電話の時代の歌だなぁ(笑)。
11. 11:59 / Blondie

 曲名が数字ということだと、時刻を歌ったものもいろいろ。シカゴの「長い夜」とかも原題は「25 or 6 to 4」(4時25〜26分前)だし。でも、これだと“or”とか“to”とか入っているので今回は外して。こっちにしました。ブロンディが1978年にリリースしたアルバム『恋のパラレル・ライン』の収録曲。深夜11時59分、あと1分で明日になってしまう、あるいは世界が終わってしまうような世紀末感を描きながら、都会の夜の孤独とか、刹那的なロマンスをキャッチーに歌ったナンバーです。
12. Nineteen Hundred and Eighty Five / Paul McCartney & Wings

 最後は再び年号で。ポール・マッカートニー&ウイングスが1973年にリリースしたアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』のラストを飾っていたこの曲。表記は“Nineteen Hundred and Eighty-Five”となっているけど、要するに1985年のこと。ディストピアを描いたジョージ・オーウェルのSF小説『1984年』を意識しつつ、それをほんの少しだけ超えた未来として“1985年”を選んでポールが書いたと言われている曲です。発表された1973年の12年後の“未来”が歌われているのだけれど、どっちにしても今から振り返ればずいぶんと“過去”だなぁ(笑)。もし未来がどんなに不確かに思えても君がいればどんな未来も怖くない…というポールならではのポジティヴな1曲です。

解説:萩原健太


吾妻光良さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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