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第378回 萩原健太のotonanoラジオ#261

2024/10/01 公開

横山剣さん(クレイジーケンバンド)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

横山剣さん(クレイジーケンバンド)をゲストに迎えて(その1)

1.

クレイジーケンバンド

ハマのビート

『火星』

横山剣さん(クレイジーケンバンド)をゲストに迎えて(その1)

2.

クレイジーケンバンド

おお!マイガール

『火星』

横山剣さん(クレイジーケンバンド)をゲストに迎えて(その1)

3.

クレイジーケンバンド

Percolation

『火星』

横山剣さん(クレイジーケンバンド)をゲストに迎えて(その1)

4.

クレイジーケンバンド

黄昏急行

『火星』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#261

『「ハマのビート」にインスパイア!CKBヨコハマ・ア・ゴー・ゴー!!』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. True Colors / クレイジーケンバンド

 クレイジーケンバンドの横山剣さんをお迎えした『otonanoラジオ』。剣さんをお迎えするときは毎回ほんとに楽しくて。あっという間に時間が過ぎていってしまいます。今回は9月18日に出た、通算なんと24作目のニュー・アルバム『火星』について、あれこれ、根掘り葉掘りさせていただきました。で、番組のオープニングを飾ったのがあちこちで話題のコール&レスポンス・ナンバー「ハマのビート」。アイ・セイ・ヨコ、ユー・セイ・ハマ…って(笑)。こんなアホなコール&レスポンス、クレイジーケンバンドにしかできねーよなぁと感服しつつ、今週のプレイリストはこの「ハマのビート」に触発された12曲です。クレイジーケンバンドは“ハマ”、つまり地元である横浜にまつわる歌をたくさん発表しているので、その一部、ぼくが特に好きな曲たちをプレイリストとしてまとめてみました。あんまり厳密にではなく、なんとなく横浜方面のことを歌っているCKBナンバーからのセレクションです。ひとつのアルバムからはそれぞれ1曲ずつ、アルバムの発表年順に並べてみました。

 まずは2004年の6作目『Brown Metalic』から「True Colors」。山下埠頭とか、長者町とか、マリンタワーとか、横浜っぽいキーワード満載です。
2. Loco Loco Sunset Cruise / クレイジーケンバンド

 2005年の7作目『ソウルパンチ』より。エルカミーノで横浜横須賀道路をクルージングしてる、みたいなことが歌われてはいますが、それも含めて、相模湾とか、葉山とか、これはなんとなく神奈川全般って感じの歌かな。
3. 福富町ブーガルー / クレイジーケンバンド

 2008年の10作目『Zero』より。横浜きってのディープな歓楽街のやばい空気感を、なんともエキゾチックなメロディに乗せて綴っております。まじ、すごい曲だ。
4. マリンタワー・ゴーゴー / クレイジーケンバンド

 2009年の11作目『Girls! Girls! Girls!』より。昭和の時代から横浜を見守り続けてきた愛しの“マリちゃん”への思いが炸裂するダンス・ナンバーです。
5. シウマイ娘 / クレイジーケンバンド

 2012年の13作目『Italian Garden』より。横浜も含めて、ハワイから上海まで、あちこちのエキゾチックな街の名前が次々登場する曲ですが、やっぱり横浜中華街っぽいテイストがメインかな。
6. 廃車復活 / クレイジーケンバンド

 2013年の14作目『Flying Saucer』より。本牧埠頭から国道16号を愛しの日産サニーGX5でかっとばすソウルフルなホットロッド・チューンです。
7. モトマチブラブラ / クレイジーケンバンド

 2016年の企画アルバム『香港的士 -Hong Kong Taxi-』の収録曲。文字通り横浜元町を歌った曲で、元町ショッピングストリート“チャーミングセール秋 2016”のCMソングに起用されました。
8. せつ子 / クレイジーケンバンド

 2018年に出た17作目のオリジナル・アルバム『GOING TO A GO-GO』より。ハマのシーサイドクラブでいかしたモンキー・ダンスを踊るヒロイン、その名はせつ子。昔の名前はナオミ。なんのこっちゃ(笑)。♪チャン・チャン・チャチャチャン・チャチャチャチャ、せつこっ!”というのは、スポーツの応援曲としても時々使われるルーターズの「レッツ・ゴー」のパロディです。あと、ナオミって名前が出てきた後で鳴り響くティンパニーはヘドバとダビデの「ナオミの夢」って曲のパロディ。ネタがいろいろ細かくて油断なりません。
9. クレイジーの中華街大作戦! / クレイジーケンバンド

 2019年の18作目『PACIFIC』の収録曲。もう、とにかく中華街、中華街と繰り返しまくるラテン・ソウルです。
10. Hot Cha / クレイジーケンバンド

 2020年の19作目『Now』より。これも元町やら中華街やら麦田町やら本牧通りやら、横浜臭満載です。
11. Honmoku Funk / クレイジーケンバンド

 2022年の20作目『樹影』より。これはもうタイトルがそのもののご当地ソング。歌詞にはいきなり横浜の市外局番が歌い込まれてます。前曲の続編のようなグルーヴで展開するファンク・チューン。
12. TERIYAKI / クレイジーケンバンド

 最新作『火星』の一つ前、 2023年に出た21作目『世界』より。“ベイサイド”って言葉がちらっと出てくる他、あまり派手に地名が歌詞に歌い込まれているわけではないですが、“ハマごと買い占めて/みんな俺のもの”って強烈な一節がやけに頭に残ります。

解説:萩原健太

横山剣さん(クレイジーケンバンド)をゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第377回 萩原健太のotonanoラジオ#260

2024/09/24 公開

birdさんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

birdさんをゲストに迎えて(その2)

1.

bird

flow [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

birdさんをゲストに迎えて(その2)

2.

bird

ハイビスカス [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

birdさんをゲストに迎えて(その2)

3.

bird

SOULS 2024 Shinichi Osawa ver.

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

birdさんをゲストに迎えて(その2)

4.

bird

記憶のソリテュード [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#260

『デビュー25周年!マイ・フェイヴァリットbird』

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1. 君の音が聴こえる場所へ / bird

 先週に引き続きbirdさんをお迎えした『otonanoラジオ』。デビュー25周年を記念したオールタイム“リエディット”ベスト『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』のお話など、たくさんうかがいました。このベスト盤、birdさんの25年の歩みをぐっとコンパクトに凝縮して聞かせてくれるうれしい1枚ではあるのですが。ファンの方ならば誰もが思っている通り、birdの魅力はベスト盤1枚だけで味わいきれるものではありません。てことで、今週のotonanoプレイリストは、『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』には選曲されることのなかったbirdさんの楽曲の中から、ぼくが好きなものを12曲並べてみました。birdさんが過去リリースしてきたオリジナル・アルバムから1作1曲ずつ、発表年順にピックアップしてみました。

 まずは1999年にリリースされたbirdさんのファースト・アルバム『bird』からこの曲。作曲はアルバムのプロデュースを手がけたモンドグロッソの大沢伸一、作詞はもちろんbirdさん自身。3枚目のシングルとしてもリリースされました。
2. 9月の想い / bird

 引き続き大沢伸一プロデュースによるセカンド・アルバム、2000年の『MINDTRAVEL』から。これも作詞:bird、作曲:大沢伸一。
3. 4PM (Live Version) / bird

 2001年リリースのライヴ・アルバム『LIVE! tour 2000+1』からも1曲。前曲同様『MINDTRAVEL』に収められていたbird&大沢作品のライヴ・ヴァージョンです。
4. 散歩しよう / bird

 birdさん自らプロデュースを手がけたサード・アルバム、2002年のアルバム『極上ハイブリッド』より。作詞:bird、作曲:山崎まさよし。
5. 廃墟のダンスホール / bird

 アル・クーパー、ジェシー・ハリス、イヴァン・リンスら海外のアーティストもそれぞれ1曲ずつ作品を提供し、大いに話題を呼んだ2003年のアルバム『DOUBLE CHANCE』の収録曲です。本曲は作詞:bird、作曲:Saigenji。プロデュースはオリジナル・ラヴの田島貴男!
6. 欲望のワールプール / bird

 未来のリゾート・アルバムというコンセプトの下で制作された2004年のアルバム『vacation』からのナンバー。作詞:bird、作曲:松木泰二郎。
7. 記憶の水槽 / bird

 出産を経て心機一転。プロデューサーに冨田恵一を迎えてリリースされた2006年のアルバム『BREATH』からのナンバーです。作詞:bird、作曲:堀込泰行。
8. Bitter Sweet Friday / bird

 当時のbirdのライヴを支える江川ゲンタ(ドラム)、田中義人(ギター)、金子雄太(ハモンド・オルガン)がバックアップする形で制作された2011年のアルバム『NEW BASIC』は、ライヴ録音とスタジオ録音を混在させた躍動的な1枚でした。そのアルバムからギターの田中義人が作曲し、birdさんが作詞したこの曲を。
9. The Secret Room / bird

 デビュー15周年を迎えようとしていた2013年、過去の既出曲をアコースティックな新アレンジで再演したヴァージョンを中心に編まれたアルバム『HOME』からのナンバーです。このアルバムには既出曲だけでなく2曲の新曲も収められていましたが、そのうちのひとつ。作詞・作曲:bird。
10. SOULFOOD / bird

 前作『HOME』と同じ2013年にリリースされた9作目のアルバム、ずばり『9』からのナンバー。これも作詞・作曲:birdです。
11. アイスクリーム / bird

 冨田恵一とがっちりタッグを組んでふたりだけで仕上げたという2015年のアルバム『Lush』より。もちろん作詞:bird、作曲:冨田恵一。
12. スローダンス / bird

 今のところ最新作にあたる2019年の『波形』より。これも冨田恵一プロデュース作品。アルバムのラストを飾っていたbird&冨田作品です。

解説:萩原健太

birdさんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第376回 萩原健太のotonanoラジオ#259

2024/09/17 公開

birdさんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

birdさんをゲストに迎えて(その1)

1.

bird

SOULS (Main) [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

birdさんをゲストに迎えて(その1)

2.

bird

マインドトラベル [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

birdさんをゲストに迎えて(その1)

3.

bird

パレード [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

birdさんをゲストに迎えて(その1)

4.

MONDO GROSSO

LIFE feat. bird [2024 re-edit]

『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#259

『SOULS~1999年デビューの女性ヴォーカル』

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1. SOULS (Main) / bird

 メジャー・デビュー25周年を迎えたbirdさんをゲストにお届けした『otonanoラジオ』。そんな周年を記念して編まれ、間もなくリリースされるオールタイム“リエディット”ベスト『25th anniv. re-edit best + SOULS 2024』のことや、そのリリースに合わせて東京と大阪で行われるライヴのことをあれこれうかがいました。楽しかったですね。というわけで、今週のプレイリスト。birdさんと同じ1999年デビュー組の女性アーティストや、女性シンガーをフロントに据えたバンドの曲をあれこれ集めてみました。

 オープニングはbirdさんで。番組でもかけた1999年のデビュー曲ですが。番組では今回3分ちょっとに“リエディット”されたヴァージョンをお届けしたので。こちらでは6分超のオリジナル・アルバム・ヴァージョンを。
2. Automatic / 宇多田ヒカル

 1999年にデビューした女性アーティストというと、とにかく宇多田さん。新人ながらいきなりデビュー・シングル「Automatic」を200万枚以上、ファースト・アルバム『First Love』を700万枚以上売り上げるセンセーショナルなデビューを飾りました。というわけで1999年を象徴するヒットとして外すことができないこの曲を。
3. いつもの気分で / 櫛引彩香

 続いては“ビッキー”こと櫛引彩香さん。キリンジのプロデュースなどで注目を集め始めた時期の冨田恵一と共作した1999年のデビュー・シングルです。大好きでしたー。
4. 午前8時の脱走計画~This is what you want, but This is what you get~ / Cymbals

 土岐麻子さんをフロントに据えたバンド、シンバルズがインディーズでミニ・アルバム2作発表後、メジャーに移籍して放った初シングル。軽やかでウィットに富んだシンバルズの個性が炸裂しています。最高!
5. たんぽぽ / つじあやの

 つじあやのさんが1999年にリリースしたメジャー・デビューEP『君への気持ち』より。ヨーグルトのテレビCMでも使われていました。
6. TRUE LIES / 葛谷葉子

 『otonanoラジオ』にもゲストで来てくださったことがある葛谷葉子さんも1999年デビュー組。この曲がデビュー・シングルでした。
7. I'll Be There / Tina

 birdさん同様、当時のクラブ・シーンで大いに話題を集めたR&B系歌姫、Tinaさんのメジャー・デビュー・シングルです。
8. はなれ ばなれ / クラムボン

 原田郁子さんがリード・ヴォーカルをつとめるクラムボンも、インディーズ・シーンで話題を集めた後、1999年にメジャー・デビューを果たしたバンドでした。というわけで、このメジャー・デビュー曲をどうぞ。
9. Eternal Memories / Crystal Kay

 当時13歳だった“クリケイ”ことクリスタル・ケイちゃんのデビュー・シングル。もともとは飲料のCM用に菅野よう子が作った短いヴァージョンでしたが、評判が高まりフル・ヴァージョンがシングルとしてリリースされました。
10. Strong Woman / PUSHIM

 ジャパニーズ・レゲエ・シーンを代表する歌姫のひとり、プシンさんもこの曲でデビューを果たしたのは1999年のことでした。
11. オレンジ / 玲葉奈

 近年は“LEYONA”と表記が変わった玲葉奈さん。仲井戸“チャボ”麗市のプロデュースの下、1999年にリリースされたデビュー・シングルです。
12. あなたのキスを数えましょう〜You Were Mine〜 / 小柳ゆき

 これも1999年から2000年にかけて、本当によく聞いたなぁ。というわけで、1999年デビュー組の女性アーティスト集、ラストは小柳ゆきさんの大ヒット曲で締めましょう。

解説:萩原健太

birdさんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第375回 萩原健太のotonanoラジオ#258

2024/09/10 公開

優河さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

優河さんをゲストに迎えて(その2)

1.

優河

遠い朝 - 2024 mix

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その2)

2.

優河

Petillant

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その2)

3.

優河

Love Deluxe

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その2)

4.

優河

Lost In Your Love

『Love Deluxe』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#258

『優河さんの歌声にインスパイア2!! 海外の女性シンガー・ソングライターたち』

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1. That's Life / Norah Jones

 先週に引き続き、優河さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。リリースされたばかりの新作アルバム『Love Deluxe』のことや東名阪で行われるツアーのことなど、今週も楽しいお話をたくさんうかがいました。

 というわけで、今週のプレイリスト。先週は優河さんとともに聞きたい女性シンガー・ソングライター、邦楽編をセレクトしましたが、今週は洋楽編。去年から今年にかけてリリースされた海外の女性シンガー・ソングライターのアルバムの中から、ぼくが好きなものを12曲選んでみました。まずはみんな大好き、ノラ・ジョーンズがこの春、ダップ・キングス人脈のリオン・マイケルズにプロデュースを委ねる形でリリースした新作アルバム『ヴィジョンズ』から、アルバムのラストを締めくくっていたこの曲を。
2. Second Nature / Clairo

 シンガー・ソングライター、寺岡歩美のソロ・プロジェクト“sugar me”。今年の3月、コロナ禍での妊娠・出産を経て4年ぶりにリリースされたニュー・アルバム『SUPER ME』からそのタイトル・チューンです。
3. Only One / Cassandra Jenkins

 続いてもリオン・マイケルズがプロデュースを手がけた1枚。クレイロことクレア・コトリルがこの夏リリースした3作目のフル・アルバム『チャーム』からのナンバーです。ファーストはロスタム、セカンドはジャック・アントノフ。毎回なかなか興味深いプロデューサーを的確に起用する女の子です。
4. Lifetime / Faye Webster

 米アトランタを本拠に活動するフェイ・ウェブスターが、テキサス州トーニロにあるソニック・ランチ・スタジオに長年の音楽仲間たちと籠もって録音した新作『アンダードレスト・アット・ザ・シンフォニー』より。吸引力たっぷりのナンバーです。
5. Ruined / Adrianne Lenker

 米インディ・ロック・シーンを牽引するバンド、ビッグ・シーフのフロントを担うエイドリン・レンカーの新作ソロ・アルバム『ブライト・フューチャー』より。森の中にひっそりたたずむ“ダブル・インフィニティ”なるスタジオで完全アナログ・レコーディングされた作品でした。
6. Soft Serve / Elizabeth Moen

 米ミズーリ州で生まれて、現在はシカゴを拠点にしているシンガー・ソングライター/ギタリスト、エリザベス・モーエンによる5作目のアルバム『ホエアエヴァー・ユー・アーント』からのナンバーです。
7. Hours / Sofie Winterson

 オランダのアムステルダムを本拠に活動するドリーミーなインディ・ポップ・アーティスト、ソフィー・ウィンターソンの新作『サザン・スカイズ』より。オランダと言えばこの人って感じのポップ・マスター、ベニー・シングズが共同プロデュースしています。
8. I Fall Down / Leslie Stevens

 もともとはガールズ・パンク・バンドとかやっていたというレスリー・スティーヴンスの新作ソロ『レスリー・スティーヴンス』より。マイ・モーニング・ジャケット/ジム・ジェイムス、レイ・ラモンターニュ、アンドリュー・バードなどとの仕事でもおなじみ、ケヴィン・ラッターマンが共同プロデュースを手がけています。
9. Black Ice / Maya Hawke

 『ストレンジャー・シングス〜未知の世界』のロビン役としてもおなじみ、女優としても大活躍しているマヤ・ホークの新作『ケイオス・エンジェル』からのナンバーです。お父さんがイーサン・ホーク、お母さんがユマ・サーマンという家庭環境はご両親が俳優さんである優河さんにいちばん近いかも。
10. If I Knew Now / Julianna Riolino

 カナダのシンガー・ソングライター、ダニエル・ロマーノのバック・バンド、ジ・アウトフィットでリード・ヴォーカルをロマーノと分け合ったり、バック・コーラスしたり、ギター弾いたりしているジュリアナ・リオリーノがソロ名義でリリースした初のフル・アルバム『オール・ブルー』より。
11. Tell Me How / Loryn Taggart

 カナダのシンガー・ソングライター、ローリン・タガートが2018年ごろから少しずつ制作し続け、去年ようやくリリースに至ったというファースト・アルバム『ザ・ロスト・アート・オヴ・プリング・スルー』からのナンバーです。
12. Year Away / Kacey Johansing

 エミリー・リッツとのデュオ、イエスウェイの相方さんとしてもおなじみ、サンフランシスコを拠点に活動するシンガー・ソングライター、ケイシー・ヨハンシングによる5作目のアルバムのタイトル・チューンです。ユミ・ゾウマに帯同して来日したことなどもあり、日本でも一部で熱烈に支持されている個性です。

解説:萩原健太

優河さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第374回 萩原健太のotonanoラジオ#257

2024/09/03 公開

優河さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

優河さんをゲストに迎えて(その1)

1.

優河

泡になっても

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その1)

2.

優河

Don't Remember Me

『Love Deluxe』

優河さんをゲストに迎えて(その1)

3.

優河

Sunset

『Love Deluxe』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#257

『優河さんの歌声にインスパイア!日本の女性シンガー・ソングライターたち』

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1. 灯火 / 優河

 優河さんをお招きした『otonanoラジオ』。9月4日リリースの新作アルバム『Love Deluxe』のこと、2018年以来活動をともにしている“魔法バンド”のこと、東名阪で行われるツアーのことなど、楽しいお話をたくさんうかがいました。

 優河さんもそうですが、日本の音楽シーンには独特の雰囲気と世界観をたたえた女性シンガー・ソングライターがひしめいていて。音楽ファンとしてはうれしい限り。というわけで、今週のプレイリストは、優河さんの歌声に触発されて、ぼくの脳裏を次々よぎった日本の女性シンガー・ソングライターたちのナンバーを思いつくままに、ほんの一部ではありますが、並べてみました。まずは優河さんから。ひとつ前のアルバム、2022年の『言葉のない夜に』にも収録されていたこのシングル・ナンバーから。テレビ・ドラマ『妻、小学生になる。』の主題歌としてもおなじみの曲です。
2. Super Me / sugar me

 シンガー・ソングライター、寺岡歩美のソロ・プロジェクト“sugar me”。今年の3月、コロナ禍での妊娠・出産を経て4年ぶりにリリースされたニュー・アルバム『SUPER ME』からそのタイトル・チューンです。
3. Movie Light / 柴田聡子

 今年の2月に出た7作目のアルバム『Your Favorite Things』より。優河とタッグを組む魔法バンドの一員でもある岡田拓郎がこちらでもプロデュース/ミックスを手がけています。
4. 狂った手 / mei ehara

 独特のベッドルーム・ポップ感覚でおなじみ、mei eharaが2017年、キセルの辻村豪文のプロデュースの下でリリースしたファースト・メジャー・アルバム『sway』からのナンバーです。
5. ゆらゆら / YeYe

 オーストラリア在住のシンガー・ソングライター、YeYeが2017年にリリースしたアルバム『MOTTAINAI』より。映画『恋とさよならとハワイ』の主題歌でした。
6. ユニコーン / 原田郁子

 クラムボンの原田郁子が2008年にリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『ケモノと魔法』より。曲はもちろん原田さんですが、作詞は友部正人。
7. The Bell / Predawn

 シンガー・ソングライター、清水美和子のソロ・プロジェクト、Predawn。2022年、5年ぶりにリリースされたアルバム『The Gaze』からの1曲です。初期のアコースティック・ギター弾き語り系から一歩進んだアンサンブルが印象的でした。
8. 寄り道 / 角銅真実

 マリンバ、パーカッション、ギター、バンジョーなど多彩な楽器を操るマルチ・インストゥルメンタリストとして多くのサポートワークも行っている角銅真実。ソロ・パフォーマーとして通算3作目、メジャーからのデビュー作となった2020年のアルバム『oar』からのナンバーです。
9. Hank / 中村佳穂

 中村佳穂、2022年のサード・アルバム『NIA』からの先行シングルとしてリリースされたナンバー。アコギと歌声の静かなコラボレーションが新鮮でした。
10. 月明かり / カネコアヤノ

 カネコアヤノが去年リリースした6作目のフル・アルバム『タオルケットは穏やかな』より。“僕もあなたも許されてる”というフレーズが切実に耳に残ります。
11. つきひ / 浮

 ナイロン弦ギターを爪弾くシンガー・ソングライター、米山ミサのソロ・ユニット、浮(ぶい)。2020年のシングル曲です。数年後、アルバム『あかるいくらい』に収められたものとは別ヴァージョン。
12. しゅー・しゃいん / 寺尾紗穂

 ラストは寺尾紗穂の最新シングルを。間もなくリリースされる2年ぶりの新作アルバムのタイトル・チューンでもあります。

解説:萩原健太

優河さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第373回 萩原健太のotonanoラジオ#256

2024/08/27 公開

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

1.

UGUISS

きみは夜の月

『きみは夜の月』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

3.

UGUISS

Route 16

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

3.

UGUISS

Lunch Break

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#256

『鳥の名前がバンド名についているグループ集』

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1. My Back Pages / The Byrds

 先週に引き続き再始動したUGUISSから佐橋佳幸(ギター)、冨田麗香(ヴォーカル)のお二人をお招きした『otonanoラジオ』。今週も賑やかで楽しかったですね。新曲リリース、ライヴに続いて今後のさらなる活発なバンド活動が楽しみです。というわけで、今週のプレイリスト。UGUISSにちなんで、鳥の名前がバンド名についているグループの特集です。ポップ・ミュージックの世界で“バード・グループ”というと、普通はフラミンゴスとかペンギンズとかカージナルズとかオリオールズとかクロウズとかレイヴンズとか、そういうドゥーワップ〜R&B系のバンドを指すのですが、UGUISSが目指している英米ロックの世界にもごきげんなバード・グループがいっぱいいます。今回はそういう方面のバンドを集めてみました。

 まずはずばり“鳥”をそのままストレートにバンド名に冠したこの人たち、ザ・バーズ。当時は“Beetle(カブトムシ)”を元に“Beatles”としたり、“Monkey(猿)”を元に“Monkees”としたり、動物の名前のスペルをあえて変えるのが流行していたのですが、この人たちも“Bird(鳥)”ではなく、あえて“Byrds”とスペルを変えておりました。本曲は1967年のシングル。ボブ・ディランの曲を独自のフォーク・ロック・サウンドでカヴァーしたものです。
2. Happy Hour / The Housemartins

 “Housemartin”というのはイワツバメのこと。というわけで、イギリスのインディ・ロック・バンド、ザ・ハウスマーティンズが1986年にリリースした大ヒット・シングルをどうぞ。
3. Hard To Handle / The Black Crows

 続いてはカラス。“Crow”。前述した通り、ドゥーワップの世界にはザ・クロウズというずばりのヴォーカル・グループがいますが、ロックの世界では断然この人たちが有名かな。ジョージア州アトランタで結成されたブラック・クロウズ。この曲はオーティス・レディングによるR&Bがオリジナルですが、ブラック・クロウズはそれを1990年のデビュー・アルバムでカヴァー。シングル・カットもしてリバイバル・ヒットさせました。
4. Good Time / Owl City & Carly Rae Jepsen

 “Owl(フクロウ)”の名前を自らのソロ・ポップ・プロジェクトに冠したアダム・ヤング。そんなアウル・シティがカイリー・レイ・ジェプセンと組んでリリースした2012年のポップ・ヒットです。
5. Heart Full Of Soul / The Yardbirds

 “Yardbird”というのは、ずばり鳥の名前というわけではなく、普通は囚人というか、囚われの身みたいな状態の人を表す言葉らしいのだけど、庭で飼っている鶏とかを表す場合もあるみたいなので、ここにセレクトしてみました。エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジら、いわゆる三大ギタリストが歴代在籍していたことでもおなじみのブリティッシュ・ロック・バンド、ヤードバーズ。そんな彼らが、ジェフ・ベック在籍期、1965年に放ったヒット・シングルです。
6. Mr. Jones / Counting Crows

 カラスをもうひとつ。米サンフランシスコのバンド、カウンティング・クロウズが1993年にリリースしたデビュー・シングルを。
7. Doesn't Somebody Want To Be Wanted / The Partridge Family

 アンディ・パートリッジとかイアン・パートリッジとか、音楽の世界でもちょいちょい聞く苗字の“Partridge”。これ、ヤマウズラの英語名でもあるのだとか。というわけで、パートリッジ姓の家族バンドを主人公にしたTVドラマ・シリーズ『パートリッジ・ファミリー』から生まれた1971年のヒット曲を聞いてみましょう。歌っているのは主人公、キース・パートリッジ役のデヴィッド・キャシディです。
8. Wide Open Spaces / The Chics

 かつては“ディクシー・チックス”と名乗っていた女性3人組、ザ・チックス。先日の米民主党大会でも国歌を歌ったり、大活躍してましたが。“Chick”というのは“Chicken(ニワトリ)”のこと。近年のコンプラの下ではどうなのか、よくわからないけれど、昔からいかしたおねーちゃんのことを“チック”と呼んだりもしてました。そんな彼女たちがディクシー・チックス時代、1998年に放った大ヒットを。
9. Wagon Wheel / The Old Crow Medicine Show

 さらにカラス。“Crow”って単語が入っているバンド名は思いのほか多いです。古き良きアメリカの伝統音楽であるカントリー、ブルーグラス、フォーク、ブルースなどを巧みに取り込みつつ1998年から米ナッシュヴィルを拠点に活動するオールド・クロウ・メディスン・ショーもそのひとつ。この曲はメンバーのひとり、ケッチ・シーコアがボブ・ディランが未完成のまま放っておいた曲を海賊盤で聞いて、それを補作する形で完成させたナンバーです。
10. Blue / The Jayhawks

 “Jayhawk”というのは、半分がアオカケスで半分がタカの架空の鳥のことだとか。そんな架空の生き物の名前を冠して活動するのが米ミネアポリスで結成されたザ・ジェイホークス。本曲は1995年のシングル曲です。
11. Come Saturday Morning / The Sandpipers

 “Sandpiper”はシギのこと。そんな鳥の名前をグループ名につけていたのが、メキシコ風味とかハワイのムードとか、そういう軽いエキゾチシズムを漂わせたソフトなコーラスで売ったザ・サンドパイパーズです。1969年から70年にかけてヒットしたこの曲をどうぞ。
12. The Best Of My Love / Eagles

 で、ラストはUGUISSというバンド名の直接的なインスピレーションになっているのだと思われるこの人たち、イーグルス。鷲っすね。アメリカを象徴する鳥でもあります。1975年に全米1位に輝いた名曲をお聞きください。

解説:萩原健太

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第372回 萩原健太のotonanoラジオ#255

2024/08/20 公開

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

1.

UGUISS

Sweet Revenge

『UGUISS (1983-1984) ~40th Anniversary Vinyl Edition~』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

2.

UGUISS

きみは夜の月

『きみは夜の月』

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

3.

UGUISS

Cry Again(この指とまれ)

※Live At Shibuya Club Quattro, 30th May 2024

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#255

『古今東西!再結成バンドの“新曲”集』

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1. 無敵のヴァレリー / BARBEE BOYS

 再結成/再始動したUGUISSから、ギターの佐橋佳幸、ヴォーカルの冨田麗香、おふたりをお迎えした『otonanoラジオ』。いかがでしたか? サハシが来る回はいつも賑やかで楽しいですね。1983年にデビューを飾ったものの、思い描いたような活動を続けることができず、残念ながらアルバム1枚だけ残して翌年、解散してしまったUGUISS。そんなある種の無念を、今、40年の歳月を経て晴らすかのようにUGUISSは再結成して、ツアーして、なんと新曲までレコーディングして配信リリース。新たなヴォーカリスト、麗香さんと、強力なサポートであるDr.kyOnを加えた新体制で、これからも活動していくとのこと。楽しみですね。

 というわけで、今週のプレイリストは、いろいろあっていったんは解散したものの、時を置いて再結成して新曲をレコーディングしたバンド集。洋邦取り合わせてセレクトしてみました。まずはバービー・ボーイズ。UGUISSが解散した1984年にデビューして、1992年に解散。その後、ライヴのために何度かスペシャルな形でメンバーが再結集したことがありましたが、2019年、本格的にバンド活動を再開。29年ぶりのニュー・アルバム『PlanBee』をリリースしました。本曲はそのアルバムからの先行シングルです。
2. 神様と仲なおり / REBECCA

 レベッカも1984年デビュー組。1991年に解散。その後、1995年に阪神・淡路大震災の復興支援を目的に再結成ライブを行ったり、紅白歌合戦に出演したり、新曲をリリースしたり、機会があるごとに再結成してくれています。この曲は2000年にリリースされた再結成シングル。
3. Boys & Girls / サディスティック・ミカ・バンド

 UGUISSはオリジナル・デビュー時にヴォーカルを務めていた山根栄子さんが若くして他界してしまったこともあり、渡辺美里がスペシャル・ヴォーカリストを担当する形で再結成したり、今回のように冨田麗香が新加入したり、再結成のたびにフロントを担う“バンドの顔”が変わっていますが。それと同じパターンがサディスティック・ミカ・バンド。1972年のデビュー当初は、リーダーである加藤和彦の奥さまだったミカがヴォーカルを務めていましたが、その後、加藤夫妻が離婚したこともあり1975年に解散。1985年に松任谷由実をリード・シンガーに据え、ライヴのために“サディスティック・ユーミン・バンド”として再結成。1989年には桐島かれんをヴォーカルに再々結成。そして2006年には木村カエラをヴォーカルに再々々結成。今回は桐島かれん加入時、1989年にリリースされた再結成アルバム『天晴』からの先行シングル曲をどうぞ。
4. Can't Be Satisfied / リトル・フィート

 洋楽ものも。1969年に結成、1971年にレコード・デビュー、1979年に中心メンバーだったローウェル・ジョージの脱退〜他界によって解散してしまったリトル・フィート。が、1987年、残されたオリジナル・メンバーたちを中心に再結成。以降、メンバーチェンジを繰り返しながらも現在まで、レコーディングに、ライヴに、着実な活動を続けています。オリジナル活動期よりも再結成以降の活動のほうが長いバンドの代表です。ということで、今年リリースされた再結成後10作目のオリジナル・スタジオ・アルバム『サムズ・プレイス』より、大先輩マディ・ウォーターズのブルースのカヴァーを。
5. ザギンデビュー / ユニコーン

 1987年にデビュー、1993年に解散。2009年に再結成してアルバム『シャンブル』をリリース。以降も着実にアルバム・リリースやライヴを続けています。本曲は『シャンブル』に収められていた奥田民生作品。
6. Queer Notions / Tin Pan

 1973年に細野晴臣(ベース)、鈴木茂(ギター)、林立夫(ドラム)、松任谷正隆(キーボード)という、後の大物たち4人が結成したバンド“キャラメル・ママ”を母体に、発展的に誕生したミュージシャン集団が“ティン・パン・アレー”。その再結成プロジェクトが2000年、“Tin Pan”という名義の下で実現しました。メンバーは松任谷さん以外の、細野、鈴木、林という顔ぶれ。アルバム『Tin Pan』をリリースして、ライヴ・ツアーも行いました。このツアーには今週の番組ゲスト、佐橋佳幸も参加。バンマスを務めていました。と、そんな再結成アルバムから、矢野顕子をゲスト・ヴォーカルに迎えたこの曲をどうぞ。
7. どんまい / 米米CLUB

 1985年、レコード・デビュー。1996年、解散。2005年に再結成して、現在もライヴにレコーディングに活動を継続中。この曲は2013年にリリースされた映画主題歌です。
8. The Doctor / ドゥービー・ブラザーズ

 再び洋楽。1970年から1982年までのオリジナル活動期もメンバーチェンジを繰り返しながら音楽性をくるくる変え続けたドゥービーズですが。1987年に再結成してからも、多彩なメンバーが次々出入りを繰り返しながら、レコーディングに、ライヴに、活発に活動しています。本曲は1989年にリリースされた再結成後第一弾アルバム『サイクルズ』からのシングル・ナンバー。みんなが待ち望んでいた再結成でもあり、全米トップ10ヒットを記録しています。
9. オードレイ! / FLYING KIDS

 ぼくも審査員を務めていたバンド・オーディション番組『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』への出演をきっかけに、1989年、デビューを飾ったフライング・キッズ。1998年にいったん解散しましたが、2007年に再結成して今も活動中です。アルバムも定期的にリリースしていますが、本曲は今のところ最新作にあたる2020年の『そしてボクら、ファンキーになった』の収録曲。
10. ALL THE YOUNG DUEDS / LAZY

 後にラウドネスで大ブレイクすることになる高崎晃と樋口宗孝や、アニソンの第一人者、影山ヒロノブを含むラインアップで、1973年から1981年まで、“和製ベイシティ・ローラーズ”などと呼ばれつつポップな活動をしていたのがレイジー。1997年の再結成後は解散してからメンバーたちがそれぞれ追求した路線を合体させたハードなアニソンなどで大いに話題を巻き起こしました。本曲は1998年にリリースされた17年ぶりのオリジナル・アルバム『HAPPY TIME』より。彼らのルーツのひとつ、モット・ザ・フープルのレパートリーのカヴァーです。作者はデヴィッド・ボウイ。
11. トレーラー・ハウスで / 甲斐バンド

 1974年にメジャー・デビュー。1986年に解散。1996年以降、何度かの再結成〜活動休止を経て、結成35周年にあたる2009年からは現在までバンドとしても活動を継続中です。本曲は1999年にリリースされたシングル。
12. Hole In The World / イーグルス

 最後は洋楽で。1971年にデビューして、大ヒットを連発したものの、中心メンバーのグレン・フライとドン・ヘンリーの不仲がピークを迎えた1980年に活動停止したイーグルス。1982年に正式に解散しました。その後、1994年に再結成。アルバムを出したり、ワールド・ツアーを行ったり。2016年にグレン・フライが他界してからも息子のディーコンが後を引き継ぎ活動を続けてきました。が、そのディーコンも2022年に脱退を発表。現在展開中の“ザ・ロング・グッドバイ・ツアー”を最後に解散すると言われています。本曲はそんな彼らが再結成後、2003年に放ったヒット曲。

解説:萩原健太

UGUISS(佐橋佳幸さん、冨田麗香さん)をゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第371回 萩原健太のotonanoラジオ#254

2024/08/13 公開

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

1.

南佳孝

プールサイド

『My Favorite Selections』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

2.

南佳孝

スタンダード・ナンバー

『My Favorite Selections』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

3.

南佳孝

スローなブギにしてくれ(I want you)

『Silkscreen』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#254

『マイ・ベスト・オブ・南佳孝~1973-1988』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 摩天楼のヒロイン / 南佳孝

 先週に引き続き、南佳孝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。50年前にデビューなさったときに大きなショックを受けて、以来ずっと聞き続けてきた一ファンとして、個人的に本当にうれしい機会でした。世の中、夏休みの時期ですが、このタイミングで、クニモンド瀧口(RYUSENKEI)が選曲/ミックスしたCD『ISLAND CAFE meets 南佳孝』や、過去の名盤の再発などに接して、改めて佳孝さんの魅力を多くの音楽ファンに再検証してほしいなと心から願います。ぼくも微力ながら、そのちょっとした助けとなれるように、個人的な“ベスト・オブ・南佳孝”、選んでみました。まあ、デビューして半世紀という佳孝さんだけに、アルバムの数も膨大。全部を視野に入れると選びきれないので、発売順に行けるところまで、各オリジナル・アルバムから1曲ずつ、計12曲をピックアップしたセレクションです。

 まずは1973年のデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』から、そのタイトル・チューンです。これ、けっこう長い曲で。曲の前半、まるで映画のサウンドトラックのような、イマジネイティヴな演奏で綴られているのですが。この大胆でおしゃれな構成も含めて、当時、ぼくたちはうれしいショックを覚えたのでした。佳孝さんの紡いだメロディはもちろん、松本隆さんの歌詞も、矢野誠さんの編曲も、ノスタルジックでドリーミーで、でもどこか心に痛くて…。当時本当に画期的でした。
2. 月夜の晩には / 南佳孝

 1976年のセカンド・アルバム『忘れられた夏』より。サンバのグルーヴをポップな形で取り入れた曲で、こういうラテン要素の採り入れ方も当時、とても新鮮でした。翌年、サーカスがデビュー・シングルとしてこの曲をカヴァーしました。作詞・作曲:南佳孝。
3. ブルー・メロディー / 南佳孝

 1978年の大傑作アルバム『SOUTH OF THE BORDER』の収録曲です。このアルバムには来生えつこ作詞の「夏の女優」や「プールサイド」、松本隆作詞の「朝焼けにダンス」、ユーミン作詞の「日付変更線」など、超名曲が満載されているのですが、今回は佳孝さんご本人が作詞も手がけたこの曲を。番組の収録の際、ぼくはこの曲が大好きで、アルバムが出たころ、こればっかり聞いていたというエピソードをお話ししたとき、佳孝さんがなんと生歌をちらっと聞かせてくれて、大いに盛り上がりました(笑)。
4. Sleeping Lady / 南佳孝

 デビュー・アルバムに続いて、ほぼ全曲を松本隆が作詞を手がけた1979年のアルバム『SPEAK LOW』より。このアルバムの収録曲としては、後に郷ひろみが「セクシー・ユー」というタイトルでカヴァーした「モンロー・ウォーク」がいちばん有名っぽいですが、今回はあえてこっちの曲で、ひとつ。
5. 風にさらわれて / 南佳孝

 1980年のアルバム『MONTAGE』より。シングル・カットもされたナンバーです。作詞・作曲:南佳孝。
6. 涙のステラ / 南佳孝

 大ヒット曲「スローなブギにしてくれ(I WANT YOU)」”を含む1981年のアルバム『SILKSCREEN』より。「スローなブギ…」に続くシングルにもなりました。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。
7. 夏服を着た女たち / 南佳孝

 1982年、ニューヨークで録音されたアルバム『SEVENTH AVENUE SOUTH』より。やはり松本隆が作詞を手がけた1曲です。アーウィン・ショーの傑作短篇小説のタイトルを流用するあたりもかっこよかったです。
8. 素足の女 / 南佳孝

 1983年のアルバム『Daydream』より。作詞:来生えつこ、作曲:南佳孝。この時期からアレンジャーに井上鑑が加わり、このアルバムでは全曲の編曲を手がけています。
9. 冒険王 / 南佳孝

 再び松本隆が全曲を作詞した1984年のアルバム『冒険王』より。このアルバムには清水信之、川島裕二、大村雅朗ら多彩なアレンジャーが関わっていますが、この曲でデビュー当時を思わせる映画のサウンドトラック的なアレンジを提供しているのは井上鑑です。
10. ジョンとメリー / 南佳孝

 全曲を作詞:松本隆、作曲:南佳孝、編曲:井上鑑のトリオで作り上げた1986年のアルバム『LAST PICTURE SHOW』より。「ラスト・ショー」「突然炎のごとく」「大人は判ってくれない」「理由なき反抗」「華麗なるギャツビー」「避暑地の出来事」など、往年の名作映画のタイトルを冠した曲ばかりで構成された1枚でしたが、そんな中からダスティン・ホフマンとミア・ファロー主演による1969年の名画のタイトルを冠した1曲を。
11. A Day / 南佳孝

 1987年のアルバム『VINTAGE』より。作詞:来生えつこ、作曲:南 佳孝。
12. Backstroke Swimmer / 南佳孝

 ラストは1988年のアルバム『DAILY NEWS』よりこの曲を。作詞を手がけている小泉亮というのは、プロデューサーとしておなじみ、須藤晃さんの別名です。というわけで、佳孝さんのキャリア初期のオリジナル・アルバムから1曲ずつセレクトした12曲。この後も佳孝さんは素敵なアルバムをたくさんたくさんリリースなさっているので、その辺りはぜひ各自でチェックしてみてください。

解説:萩原健太

南佳孝さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第370回 萩原健太のotonanoラジオ#253

2024/08/06 公開

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

1.

南佳孝

クレッセント・ナイト~80時間風船旅行

『ISLAND CAFE meets 南佳孝』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

2.

南佳孝

夏の女優~スローなブギにしてくれ (I want you)

『ISLAND CAFE meets 南佳孝』

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

3.

南佳孝

夜間飛行

『SOUTH OF THE BORDER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#253

『1970年代の日本のポップ・ミュージック・セレクション』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. おいらぎゃんぐだぞ / 南佳孝

 南佳孝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。クニモンド瀧口(RYUSENKEI)が選曲/ミックスした『ISLAND CAFE meets 南佳孝』のこと、過去に佳孝さんが残した名盤の再発のこと、ライヴのこと…など、いろいろうかがいました。番組内でもちらっと話しましたが、ぼくは1973年9月、東京の今はなき文京公会堂で行われた、はっぴいえんどの解散コンサート“ラスト・タイム・アラウンド”で、その第一部に登場してきたデビューしたばかりの佳孝さんを見て大いにショックを受けた世代。ロックでもない、フォークでもない、もちろん歌謡曲でもない、それまで日本のポップ・シーンにはなかったノスタルジックで柔軟で豊かな音楽性のとりこに一瞬でなりました。コンサートの後、ソッコーで南佳孝さんのデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』をゲットしたっけ…。あれからもう50年以上。それだけに、直接、佳孝さんから当時のことなども含めていろいろお話が聞けて、もう夢見心地の『otonanoラジオ』でありました。

 というわけで、今週のプレイリストは、そんな南佳孝さんがデビューにショックを受けた1970年代にぼくが好んで聞いていた、ロックでもない、フォークでもない、日本のポップ・ミュージックのセレクション。まずは南佳孝さんご本人の曲から。アルバム『摩天楼のヒロイン』のオープニングを飾っていたナンバーです。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。架空のハリウッド映画のサウンドトラックを思わせる矢野誠さんのアレンジも当時、とても新鮮でした。
2. 朝寝坊 / 大滝詠一

 大滝さんの場合、アーティスト名としては簡単な“滝”の字を使った“大瀧詠一”、ソングライターとかプロデューサーとか、そういうスタッフ名としてはむずかしい“瀧”の字を使った“大瀧詠一”という表記を使い分けていらっしゃいましたが、さらにややこしいことに1972年の初ソロ・アルバムのタイトルはむずかしいほうの『大瀧詠一』だったりして。どうすりゃいいんだ…って感じですが(笑)。そのややこしい初ソロ・アルバムの収録曲です。南佳孝登場以前にこの種の音楽性を飄々と聞かせてくれていたのは、やはり大滝さんでした。作詞・作曲:大瀧詠一。
3. CHINESE SOUP / 荒井由実

 ユーミンが1975年にリリースしたサード・アルバム『コバルト・アワー』より。プロデュースを手がけていた未来の夫、松任谷正隆の実弟、松任谷愛介によるフィドルを効果的にフィーチャーしたノスタルジックな音楽性が新鮮でした。歌詞はおっかないけど。作詞・作曲:荒井由実。
4. 午後のレディ / 鈴木慶一とムーンライダーズ

 慶一さんのソロ・アルバムのような、ムーンライダーズのファースト・アルバムのような、実に微妙な大傑作、『火の玉ボーイ』の収録曲。おしゃれでジャジーなテイストが当時ものすごく新鮮でした。作詞・作曲:鈴木慶一。
5. ろっかばいまいべいびい / 細野晴臣

 番組の中で佳孝さんがちらっと話してくれたことですが。『摩天楼のヒロイン』を作ろうとしているとき、松本隆さんが“こういう感じの曲、細野さんもソロ・アルバムでやってるんだよね”と教えてくれたそうで。それ、たぶんこの曲のことかなと思って選曲しました。佳孝さんのデビューのちょっと前、1973年5月にリリースされた細野さんの初ソロ・アルバム『HOSONO HOUSE』の収録曲です。作詞・作曲:細野晴臣。
6. 真夜中のロックンロール・ダンス / 佐藤奈々子

 1977年に出た佐藤奈々子のデビュー・アルバム『Funny Walking』の収録曲。このアルバムは個人的に初めて“佐野元春”という名前をソングライター・クレジットで見た1枚としても忘れられない存在です。作詞:佐藤奈々子、作曲:佐藤奈々子&佐野元春。大野雄二さんのジャジーなアレンジもかっこよかったです。
7. ムーンライト・シンギィング / 岡本一生

 ソングライターとしておなじみの岡本朗さんが“岡本一生”という名義で活動していたころ、1978年に放ったデビュー・アルバムのタイトル・チューン。今は“ムーンライト・シンギング”という表記でストリーミングされてますが、オリジナル・アルバムでは“ムーンライト・シンギィング”という表記でした。作詞・作曲:岡本一生。岡本一生さんは1982年にジャズ系の名手が全面バックアップした『ファイブ・オクロック・シャドウ』という傑作アルバムもリリースしているのだけれど。それは残念ながらストリーミングされていないみたい。配信解禁、あるいは再発、心から願います。
8. 恋の日記 / ハイ・ファイ・セット

 これは洋楽のカヴァーものですが。番組にもゲストでいらしてくださったことがある村井邦彦さんがプロデュースしたハイ・ファイ・セット、1977年に海外録音されたオリジナル・アルバム4作目『ザ・ダイアリー』のタイトル・チューンです。ニール・セダカが1958年に放ったヒットのカヴァー。作詞:ハワード・グリーンフィールド、日本語訳詞:岩谷時子、作曲:ニール・セダカ。ボブ・アルシヴァーが手がけたコーラス・アレンジが極上でした。
9. ウエディング・ソング / あがた森魚

 あがた森魚さんが1976年にリリースした2枚組『日本少年〜ヂパング・ボーイ』より。このアルバム、プロデュースが細野晴臣&矢野誠。バックアップしているのがムーンライダーズを中心とする面々。大作でした。そんなアルバムから、作詞:鈴木慶一&岡田徹、作曲:岡田徹による名曲を。
10. 五線紙 / 竹内まりや

 これだけはちょっと新しめで1980年作品。新しくないか(笑)。まりやさんのサード・アルバム『LOVE SONGS』に収められていた名曲です。作詞:松本隆、作曲:安部恭弘。コーラスの扱い方にかけては定評があった宮田茂樹さんのいい仕事ぶりが堪能できます。
11. 8分音符の詩 / 鈴木茂

 大滝さん、細野さんに続いて、はっぴいえんどのメンバーだった鈴木茂さんの曲も。茂さんが1976年にリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『ラグーン』からの1曲です。作詞はやはり元はっぴいえんどの松本隆、作曲は茂さん。
12. ピストル / 南佳孝

 最後も佳孝さんで。やはり『摩天楼のヒロイン』の収録曲。番組内でも話しましたが、ぼくは特にこの曲のコード進行と、浮遊感に満ちたメロディと、やばい歌詞の取り合わせに思いきりやられたものです。作詞:松本隆、作曲:南佳孝。

解説:萩原健太

南佳孝さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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