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第336回 萩原健太のotonanoラジオ#219

2023/12/12 公開

GLIM SPANKY(松尾レミさん、亀本寛貴さん)をゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

GLIM SPANKY(松尾レミさん、亀本寛貴さん)をゲストに迎えて(その1)

1.

GLIM SPANKY

The Goldmine

『The Goldmine』

GLIM SPANKY(松尾レミさん、亀本寛貴さん)をゲストに迎えて(その1)

2.

GLIM SPANKY

Summer Letter

『The Goldmine』

GLIM SPANKY(松尾レミさん、亀本寛貴さん)をゲストに迎えて(その1)

3.

GLIM SPANKY

Odd Dancer

『The Goldmine』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#219

『Carry On~オープン・チューニング洋邦名曲集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Carry On / Crosby, Stills, Nash & Young

グリム・スパンキーの二人をゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。いかがでしたか? さらなる成長ぶりを記録したグリムの新作『The Goldmine』についてのいろいろな話を聞くことができて、盛り上がりました。番組の中でも話題になりましたが、今回のアルバム、特に中盤の「真昼の幽霊(Interlude)」から「Summer Letter」への流れがポイントになっていて。これ、アコースティック・ギターのオープン・チューニングを使ってグリムの新たな魅力を引き出した曲。普通、ギターのチューニングというのは太い方の6弦からいちばん高い1弦に向かって“E(ミ)-A(ラ)-D(レ)-G(ソ)-B(シ)-E(ミ)”と調律するのだけれど。その音程をそれぞれ変えて、別の響きをもたらすのがオープン・チューニング。今回、松尾レミさんはニック・ドレイクに触発されて“B-E-B-E-B-E”ってとんでもないチューニングを使ったと話してくれたけれど。というわけで、今週のプレイリストはそんなオープン・チューニングによる名演集。洋邦交えて、多彩なチューニングをおさらいしてみます。まずはスティーヴン・スティルスの演奏。彼が“クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング”の一員として1970年にリリースしたアルバム『デジャ・ヴ』のオープニングを飾っていた「キャリー・オン」です。これのチューニングもいかれていて、6弦から順に“E-E-E-E-B-E”。2弦以外、全部がE。かつてスティルスさんがバッファロー・スプリングフィールドってバンドに在籍していたときの仲間の名前をとって“ブルース・パーマー・チューニング”とも呼ばれているチューニング。スティルスは「青い目のジュディ」とか「4+20」とか、全部このチューニングで演奏しています。
2. Pink Moon / Nick Drake

そしてレミちゃんを大いに触発したニック・ドレイク。この人、前述した““B-E-B-E-B-E”ってチューニング以外にも曲によっていろいろなチューニングを使い分けていて。1972年のこの曲では“C-G-C-F-C-E”ってのを使ってます。2カポかな。別名“ニック・ドレイク・チューニング”。
3. For The Roses / Joni Mitchell

オープン・チューニングといえばこの人。やはりレミちゃんに多大な影響を与えているジョニ・ミッチェル。この人も曲によっていろいろなチューニングを使い分けていますが、1972年のこの曲では“G-G-D-G-B-D”と調弦してます。わりと一般的なオープンGチューニング(D-G-D-G-B-D)の変形です。
4. あの夏の白い雲 / 押尾コータロー

続いてはアイリッシュ・トラッド系のチューニングとしておなじみ、“ダッドガッド・チューニング”。これは文字通り、6弦から順に“D-A-D-G-A-D”と調弦するもの。いろいろなギタリストが取り入れているチューニングですが、今回は押尾コータローの演奏を。2006年のアルバム『COLOR of LIFE』のラストを飾っていたナンバーです。
5. Matilda / Harry Styles

オープン・チューニングの中でもっとも一般的なのが“オープンDチューニング”というやつ。何も押さえなければDのコードが鳴る、“D-A-D-F#-A-D”というチューニングです。これを使っている人はとてつもなく多いけれど、今回はハリー・スタイルズの曲を聞いてみましょう。2022年のアルバム『ハリーズ・ハウス』の収録曲です。
6. The Rain Song / Led Zeppelin

レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジも様々なオープン・チューニングを駆使する人。前出ダッドガッド・チューニングの使い手としてもおなじみですが、今回は“オープン・ペイジ・チューニング”などとも呼ばれる“D-G-C-G-C-D”というチューニングで演奏されたこの曲を。1973年のアルバム『聖なる館』からのナンバー。
7. Guinnevere / Crosby, Stills & Nash

最初に紹介したスティーヴン・スティルスのバンドメイト、デヴィッド・クロスビーも奇妙なオープン・チューニングを考案するのが得意な人。1969年のアルバム『クロスビー、スティルス&ナッシュ』に収録されていたこの曲では“E-B-D-G-A-D”という、なんとも、他の曲では使えそうもない変わったチューニングを披露しています。
8. Embryonic Journey / Jefferson Airplane

一転、ものすごくシンプルなオープン・チューニングを。これはレギュラー・チューニングの6弦だけを全音下げた“D-A-D-G-B-E”というやつで。“ドロップDチューニング”などと呼ばれるもの。ほんのちょっとだけの変更で低音のDを鳴らし続けることができるチューニングとして重宝されています。今回は1967年にジェファーソン・エアプレインがリリースしたアルバム『シュールリアリスティック・ピロー』に収められていたこの曲を。ギターはヨーマ・カウコネン。
9. Running On Faith (Acoustic Live) / Eric Clapton

そういえば、オープンDと並んで一般的な“オープンGチューニング”の例を挙げていなかったなと思い。これ、いきます。エリック・クラプトンが1992年のアルバム『アンプラグド』で聞かせてくれた演奏。チューニングはジョニ・ミッチェルのところでも説明した通り、“D-G-D-G-B-D”。何も押さえずに鳴らすとGのコードになるチューニングです。
10. きつねの嫁入り / 中川イサト

続いて、オープンDの変形を。オープンDとレギュラー・チューニングの1、2弦を組み合わせた“D-A-D-F#-B-E”というやつで、モーダルな感じが強まるもの。あまり一般的ではないけれど、面白いです。今回は日本のフィンガー・ピッキング・ギターの最高峰、中川イサトさんの演奏をどうぞ。
11. Aerial Boundaries / Michael Hedges

こちらはアメリカを代表するフィンガー・ピッキング・ギタリストのひとり、マイケル・ヘッジス。この人もいろいろなオープン・チューニングを駆使して超絶演奏を聞かせてくれていましたが、その中から“C-C-D-G-A-D”という、これまた汎用性のなさそうな(笑)チューニングを使ったこの曲を。1984年にリリースされた傑作アルバム『エアリアル・バンダリーズ』より、そのタイトル・チューンです。
12. Dark End Of The Street / Ry Cooder

ラストを締めるのはやはりこの人。ギタリストとして独自の境地を極める男、ライ・クーダー。彼はオープンD、オープンG、レギュラー・チューニングなど、曲によっていろいろ使い分けながら超絶演奏を聞かせてくれる人ですが、今回はオープンDとオープンGにそれぞれチューニングしたギターを交えながらレコーディングされたこの曲を。サザン・ソウルの名曲のカヴァーです。1972年のアルバム『流れ者の物語』の収録曲。

解説:萩原健太

GLIM SPANKY(松尾レミさん、亀本寛貴さん)をゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第335回 萩原健太のotonanoラジオ#218

2023/12/05 公開

金延幸子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

金延幸子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

金延幸子

Fork in the Road

『Fork in the Road』

金延幸子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

金延幸子

I Need You

『Fork in the Road』

金延幸子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

金延幸子

Dreamer

『Fork in the Road』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#218

『時にまかせて~後輩ミュージシャンによるURCレーベル楽曲カヴァー集』

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1. あなたから遠くへ / 渡辺満里奈

先週に引き続き、日本の女性シンガー・ソングライターのリジェンド、金延幸子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。今週も興味深いお話をたくさんうかがえました。金延さんは1972年、日本のインディーズ・レーベルの草分けとも言うべきURCレコードからファースト・アルバム『み空』をリリースしてレコード・デビューを飾ったわけですが。これまで何度も番組で取り上げてきた通り、URCレコードには金延さん以外にも、以前ゲストに来てくださった中川五郎さんをはじめ、はっぴいえんど、高田渡、五つの赤い風船、岡林信康、遠藤賢司、友部正人などそうそうたる顔ぶれが在籍。間違いなくその後の日本のポップ・シーンの礎を築いたレコード・レーベルでした。というわけで今週のプレイリストはそんなURCが後年のシーンに与えた影響力を改めて実感するためのセレクション。1960年代末から1970年代半ばにかけてURCから発表された楽曲をカヴァーした後輩ミュージシャンたちの歌声を集めてみました。まずは今週の番組ゲスト、金延さんの名曲を、1996年、渡辺満里奈さんがミニ・アルバム『Ring-a-Bell』の中でカヴァーしたヴァージョンから。プロデュースは当時の金延さんの音楽仲間のひとり、大瀧詠一。
2. 教訓1 / ハンバートハンバート

続いては加川良が1971年、URCレコードからリリースしたファースト・アルバム『教訓』に収められていた曲を、2018年、ハンバートハンバートがアルバム『FOLK 2』でカヴァーしたヴァージョンを。このハンバートハンバートのヴァージョンを下敷きに、女優の杏さんがおうちでギター弾き語りした動画も数年前、大いに話題を呼びました。
3. 自転車に乗って / 真心ブラザーズ

3曲目にして、ちょっと今回のプレイリストのルール違反みたいな曲なのですが(笑)。高田渡も1969年、URCからデビューを飾った日本のフォーク・シンガーの草分け的存在なのですが、この「自転車に乗って」という曲は、その後1971年にベルウッド/キング・レコードに移籍してからリリースされたもの。すんません。まあ、その辺の細かい話はご勘弁いただくとして。そんな渡さんの代表曲を1993年に真心ブラザーズがカヴァーしたヴァージョンをどうぞ。
4. 私たちの望むものは / 松山千春

やはりURCを代表する所属アーティストのひとり、岡林信康が1970年にリリースした『岡林信康アルバム第二集〜見るまえに跳べ』に収められていたナンバーを、松山千春の歌声で。2006年のカヴァー・アルバム『再生』に収められていたヴァージョンです。
5. 腰まで泥まみれ / 元ちとせ

中川五郎が“米モダン・フォーク・ミュージックの父”とも言われるピート・シーガーの曲に独自の日本語詞を付けて、1969年、六文銭とのカップリングでリリースしたファースト・アルバムや、同年、単独でリリースしたアルバム『終り、はじまる』に収めていたプロテスト・ソング。それを2015年、元ちとせがカヴァー・アルバム『平和元年』で取り上げたときのヴァージョンです。
6. 12月の雨の日 / スピッツ

2002年に、キリンジ、くるり、永積タカシ、空気公団、MY LITTLE LOVER、青山陽一など多彩な顔ぶれが参加して編まれたトリビュート・アルバム『HAPPY END PARADE〜tribute to はっぴぃえんど』からの1曲。細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂という4人によって結成されたはっぴいえんどが1970年にURCからリリースしたファースト・アルバムに収められていた名曲のカヴァーです。
7. 風をあつめて / 矢野顕子

はっぴいえんどものをもう1曲。1971年のセカンド・アルバム『風街ろまん』収録の人気曲を、作曲者・細野晴臣とも縁の深い矢野顕子がカヴァーしています。1987年のアルバム『GRANOLA』に収められていました。
8. 遠い世界に / KIRINJI

2008年にリリースされたNHK「みんなのうた」のカヴァー・コンピレーション第2弾『家族時間~NHKみんなのうたカバー集~』より。1968年、西岡たかし率いるグループ、五つの赤い風船がURCからリリースしたファースト・シングル曲です。
9. プカプカ / つじあやの

大塚まさじと永井洋によるデュオ、ザ・ディランIIが1971年、URCからのファースト・シングル「男らしいってわかるかい」のB面に収めていたナンバーです。作者はかつてのバンド仲間、西岡恭蔵。多くのシンガーによってカヴァーされ続ける名曲で、原田芳雄のヴァージョンなどもおなじみですが、今回はつじあやののウクレレ弾き語りヴァージョンで。2004年のアルバム『COVER GIRL』より。
10. されど私の人生 / 吉田拓郎

1971年、斎藤哲夫がURCからリリースしたセカンド・シングル曲。ちなみにそのときのレコーディングでピアノとギターを弾いていたのはまだ本格デビュー前の鈴木慶一でした。吉田拓郎のお気に入りだったようで、斎藤哲夫ヴァージョンが世に出た直後、ライヴ・アルバム『よしだたくろう オン・ステージ ともだち』でいち早くカヴァーしていました。今回はその後、1979年のライヴ盤『TAKURO TOUR 1979』に収められたほうのヴァージョンでどうぞ。
11. 夜汽車のブルース / サニーデイ・サービス, カーネーション & 岸田繁

2020年、サニーデイ・サービス、カーネーション、岸田繁(くるり)の3組が東京・渋谷のクラブクアトロに結集して開催した遠藤賢司生誕73周年イヴェントの模様を記録したライヴ・アルバム『お~いえんけん!ちゃんとやってるよ! 2020セッション』からのヴァージョン。エンケンさんが1970年、URCからリリースしたファースト・アルバム『niyago』に収められていた代表曲を熱演しています。
12. 時にまかせて / 児玉奈央

そして最後は再び金延幸子さんの曲のカヴァーで。星野源、青柳拓次、ハナレグミ、冨田ラボなど気になる人脈とのコラボでもおなじみ、児玉奈央が2020年にリリースしたアルバム『Revelation』より。もちろん、金延さんの『み空』の収録曲です。

解説:萩原健太

金延幸子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第334回 萩原健太のotonanoラジオ#217

2023/11/28 公開

金延幸子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

金延幸子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

金延幸子

み空

『み空』

金延幸子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

金延幸子

青い魚

『み空』

金延幸子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

金延幸子

時にまかせて

『み空』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#217

『Song Of Long Ago~1972年前後の女性シンガー・ソングライター歌声集』

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1. ア・ケイス・オブ・ユー / ジョニ・ミッチェル

日本の女性シンガー・ソングライターのリジェンド、金延幸子さんをお迎えしてガッチガチに緊張しながらお届けした(笑)『otonanoラジオ』。いかがでしたか? ぼくが金延さんのアルバムを手にした瞬間にはもう金延さんは渡米後。日本にいらっしゃらなくて。とんでもなくミステリアスな存在でした。そんな金延さんをお迎えできて、いろいろお話もうかがえて。最高! と、思いきり浮かれ気分で今週のプレイリストですが。ぼくが金延さんのアルバム『み空』を手に入れた1972年前後の時期、それとともにぼくがいろいろ聞いていた女性シンガー・ソングライターたちの歌声を12曲集めてみました。先週、大貫妙子さんをゲストにお迎えしたときにセレクトした『So Far Away~ベテラン女性アーティスト初期名曲の成熟ライヴ集』の続編という感じ。先週は近年のヴァージョンを取りそろえてお届けしましたが、今週は1970年代前半当時の歌声集です。まずは金延さんも、先週のゲストだった大貫さんも、ともに大好きだったと話してくださったジョニ・ミッチェルの歌声を。1971年のアルバム『ブルー』に収められていた名曲です。
2. ダウン・ホエア・ザ・ヴァリー・アー・ロウ / ジュディ・シル

1979年、35歳という若さで亡くなってしまった悲劇のシンガー・ソングライター、ジュディ・シル。彼女が1973年にリリースしたセカンド・アルバム『ハート・フード』からのナンバーをどうぞ。
3. かびん / 吉田美奈子

金延さんとも親交が深かった美奈子さんのファースト・アルバム、1973年の『扉の冬』からの曲です。金延さんの『み空』をプロデュースした細野晴臣率いるキャラメル・ママが全面的にバックアップした1枚でした。
4. ノー・エンド / サンディ・デニー

英国のフォーク・ロック・バンド、フェアポート・コンヴェンションのリード・シンガーを務めていたことでもおなじみ、サンディ・デニー。彼女が1974年にリリースした3作目のソロ・アルバム『オールド・ファッションド・ワルツ』より、アルバムのラストを飾っていたこの曲を。
5. さみしくて / りりィ

1972年にリリースされたりりィのファースト・アルバム『たまねぎ』より。深町純、つのだ☆ひろ、石川鷹彦、水谷公生、木谷高介らがバックアップした素敵なアルバムでした。
6. ロンリー・ウーマン / ローラ・ニーロ

これはちょっとだけ古くて1960年代の作品。金延さんにも美奈子さんにも大きな影響を与えたローラ・ニーロが1968年にリリースしたセカンド・アルバム『イーライと13番目の懺悔』からのナンバーです。
7. そのまま / 荒井由実

美奈子さんの『扉の冬』同様、1973年にキャラメル・ママがバックアップしたことで大いに話題を呼んだ1枚が、ユーミンのファースト・アルバム『ひこうき雲』でした。美奈子さんやユーミンの歌声を聞きながら、当時まだ高校生だったぼくは、日本の音楽シーンが変わりつつあるという予感に胸を躍らせていたのでした。
8. ソング・フォー・ロング・アゴー / キャロル・キング

1970年代シンガー・ソングライターといえば、忘れちゃならないキャロル・キング。特大ヒット・アルバム『つづれおり』に続いて1971年の年末にリリースされたアルバム『ミュージック』から、盟友ジェイムス・テイラーとのデュエットを楽しめるこの曲を。
9. シティ・ガール / ジョーン・アーマトレイディング

フォーク、ジャズ、ソウル、レゲエ、ブルースなど、ジャンルを超越した個性で注目された英国のシンガー・ソングライター、ジョーン・アーマトレイディングが1972年にリリースしたアルバム『ホワットエヴァーズ・フォー・アス』より。
10. なわとび / 五輪真弓

やはり先週のプレイリストにも登場していただいた五輪さん。キャロル・キングやチャールズ・ラーキーらも参加して1972年に米ロサンゼルスで録音されたファースト・アルバム『少女』のA面1曲目を飾っていた作品です。
11. テイク・ミー / カレン・ダルトン

ボブ・ディランのフェイヴァリット・アーティストのひとりとしてもおなじみ、カレン・ダルトンが1971年にリリースしたアルバム『イン・マイ・オウン・ドリーム』からのナンバー。今回はシンガー・ソングライターの作品集ということもあって、ここまでほぼすべてパフォーマー自身の作詞作曲ナンバーを並べてきましたが、この曲はカヴァーです。もちろんカレンさんも自分で作詞作曲する人なのですが、今回はあえてこの人ならではの歌声の“深さ”のようなものを堪能できる本カヴァー曲を。オリジナルはカントリーの大御所、ジョージ・ジョーンズによるものです。
12. 春一番の風は激しく / 金延幸子

そしてラストは金延さんで。ちょっと季節外れではありますが、アルバム『み空』のいちばん最後を飾っていたこの曲でお別れです。

解説:萩原健太

金延幸子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第333回 萩原健太のotonanoラジオ#216

2023/11/21 公開

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大貫妙子

Happy-go-Lucky

『Taeko Onuki Concert 2022』

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大貫妙子

突然の贈りもの

『Taeko Onuki Concert 2022』

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

大貫妙子

朝のパレット

『Taeko Onuki Concert 2022』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#216

『So Far Away~ベテラン女性アーティスト初期名曲の成熟ライヴ集』

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1. So Far Away (Live) / Carole King

先週に引き続き大貫妙子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。去年の12月に昭和女子大学人見記念講堂で行なわれたコンサートの模様を収めたライヴ・アルバム『Taeko Onuki Concert 2022』がCD化リリースされるということで、そのお話をたっぷりうかがいました。今回のライヴ・アルバムには昨今のシティ・ポップ・ブームで再注目されている1970年代の楽曲なども選曲されていますが、どれも新たなアレンジをほどこされ、“今”の大貫さんならではの表現を聞かせてくれており、ぐっときます。曲もパフォーマーも、優れているものはいい形で成熟しながら時代を超えていくんだなという感慨を、改めて覚えました。ということで今週のプレイリストは、大貫さん同様、キャリアを積んだベテラン女性アーティストが初期のレパートリーを成熟した表現で聞かせてくれているライヴ・ヴァージョンってやつを集めて並べてみました。まずは女性シンガー・ソングライターの代表選手、キャロル・キングから。彼女が1971年にリリースした大ヒット・アルバム『つづれおり』に入っていた名曲を、45年の歳月を経て2016年、英ロンドンのハイド・パークで歌ったライヴ・ヴァージョンです。2017年のライヴ・アルバム『つづれおり:ライヴ・イン・ハイド・パーク』より。
2. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Live) / Aretha Franklin

キャロル・キングつながりでもう1曲。彼女が1967年、ソウルの女王アレサ・フランクリンに提供した大傑作曲です。2015年、キャロル・キングがケネディ・センター名誉賞を受賞したときの式典で、お祝いに駆けつけたアレサが披露した必殺のパフォーマンス。48年の歳月を経た円熟の歌心が楽しめます。これがアレサにとって最後の本格的ライヴ・パフォーマンスでした。
3. Chuck E.'s In Love (Live) / Rickie Lee Jones

リッキー・リー・ジョーンズが2001年、デンヴァーのレッド・ロック・アンフィシアターでのライヴを収めてリリースした『ライヴ・アット・ザ・レッド・ロックス』より。1979年のデビュー・アルバム『浪漫』に収められていた初期代表曲を、いい感じに崩しながら歌ってます。
4. 電話線 (飛ばしていくよ Piano Solo Live 2015) / 矢野顕子

崩しまくりって意味ではこれなんか最強かも。大貫さんの親友、矢野顕子さんが1976年、本格デビュー・アルバム『Japanese Girl』にリトル・フィートとの共演で収めていたナンバーを、2015年、自ら奏でるピアノ1本をバックに歌ったヴァージョンです。アルバム『飛ばしていくよ Piano Solo Live 2015』より。
5. That's The Way I Always Heard It Should Be (Live At Grand Central, New York, NY - April 2, 1995) / Carly Simon

1971年に全米トップ10ヒットを記録したカーリー・サイモンのファースト・ヒット。それを1995年、ニューヨークのグランド・セントラル駅構内で行なったコンサートの模様を記録したアルバム『ライヴ・アット・グランド・セントラル』のヴァージョンで。
6. Poetry Man (Live) / Phoebe Snow

2008年7月、ウッドストックのベアズヴィル・シアターで行なわれたフィービ・スノウのパフォーマンスを記録した『2008ライヴ・アット・ウッドストック』より。このアルバムは本プレイリストでも以前取り上げたことがあって。そのときに書いた解説の繰り返しになりますが。この人、1974年にデビューした直後、出産した娘さんが生まれながら重度の脳障害を抱えていたこともあって長い試練の日々を過ごしてきて。看病のため活発に音楽活動できない時期も長かったのですが。その娘さんが2008年、31歳で他界。想像を絶する苦しみと悲しみを乗り越えて、その年、フィービは久々に復活。ほぼ20年ぶりにこのライヴ盤をリリースしたのでした。フォーク、ジャズ、ブルース、ソウルなど様々な音楽性が魅惑的に溶け合うフィービの歌声が帰ってきた喜びに胸が熱くなったものですが、それも束の間、3年後の2011年、フィービもまた60歳という若さで亡くなりました。あまりにも若すぎる、そして悲しすぎる死でした。この曲は1974年のデビュー・アルバムに収められていた代表曲です。
7. Wedding Bell Blues (Live In Japan) / Laura Nero

ローラ・ニーロが1966年、デビュー・アルバム『モア・ザン・ア・ニュー・ディスカバリー』に収めて発表した曲。これはその28年後、日本で行なったコンサートでのライヴ・ヴァージョンです。アルバム『トゥリーズ・オブ・ジ・エイジズ:ローラ・ニーロ・ライブ・イン・ジャパン』より。ローラもこの3年後に亡くなってしまったんだよなぁ…。
8. Didn't We (Live At Barclays Center) / Barbra Streisand

そんなローラ・ニーロの「ストーニー・エンド」を歌っていたことでもおなじみ、米ショービズ界最高の歌姫、バーブラ・ストライサンドの円熟ぶりも堪能しましょう。1972年のライヴ・アルバム『フォーラム劇場のバーブラ・ストライサンド』で取り上げていたジミー・ウェッブ作品を、その40年後の2012年にレコーディングされたライヴ・アルバム『バック・トゥ・ブルックリン』のヴァージョンで。深みの増し方がやばいです。
9. 少女 (五輪真弓ライブ〜心の友〜) / 五輪真弓

日本ものをもうひとつ。デビュー当初“日本のキャロル・キング”などとも呼ばれていた五輪真弓さん。1972年に、そのキャロル・キング本人も参加して米ロサンゼルスで録音されたデビュー・アルバムのタイトル曲を、2016年にリリースされたライヴ・アルバム『五輪真弓ライブ 〜心の友〜 AFTER DECADES』のヴァージョンでどうぞ。
10. Send In The Clowns (Live) / Judy Collins

1960年代初頭から活動してきたフォーク・シンガー、ジュディ・コリンズ。彼女が1975年にヒットさせたスティーヴン・ソンドハイム作品を45年の歳月の後、ニューヨークのタウンホールでライヴ・レコーディングしたヴァージョンです。これは彼女にとって1964年以来のタウンホール公演だったとか。2021年にリリースされたアルバム『ライヴ・アット・ザ・タウンホール、NYC、2020』より。
11. Forever Young (Live) / Joan Baez

ジュディ・コリンズ同様、1960年代から活動を続けてきたフォークの女王、ジョーン・バエズ。今回は彼女が1974年にカヴァーしてヒットさせたボブ・ディラン作品を、2016年、75歳のお誕生日を祝して催されたコンサートで歌ったヴァージョンで。アルバム『75thバースデイ・セレブレイション』より。
12. Both Sides Now (Live At The Newport Folk Festival, Newport, RI, 7/24/2022) / Joni Mitchell

そして、最後はジョニ・ミッチェル。1968年にレコード・デビューして以来、「青春の光と影(Both Sides Now)」「サークル・ゲーム」「ウッドストック」「チェルシー・モーニング」など多くの名曲を生み出したカナダ出身の女性シンガー・ソングライターですが。21世紀に入ったころからモルジェロンズ病という難病を患い長い闘病生活に。脳動脈瘤にも侵され音楽活動はほぼ休止状態。が、不屈の意志と厳しいリハビリで徐々に回復し、去年の夏、ついに米ニューポート・フォーク・フェスティヴァルで、頼もしい後輩ブランディ・カーライルらのサポートを受けながら全13曲のライヴ・セットを披露しました。そのときの模様を収めて今年リリースされた『ジョニ・ミッチェル・アット・ニューポート』から、初期代表曲「青春の光と影」を。往年の美しい高音ヴォーカルを聞くことはもうできないものの、ブランディらの支えを受けながら以前とは違う低く渋い歌声で往年の代表曲を歌い綴るジョニがそこにいます。彼女はかつての歌声を失い、しかしそれと引き換えにより赤裸々な説得力を手に入れたのでした。泣けます。

解説:萩原健太

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第332回 萩原健太のotonanoラジオ#215

2023/11/14 公開

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大貫妙子

横顔

『Taeko Onuki Concert 2022』

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

大貫妙子

ピーターラビットとわたし

『Taeko Onuki Concert 2022』

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

大貫妙子

色彩都市

『Taeko Onuki Concert 2022』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#215

『君の友だち~極私的ベスト!大貫妙子コーラスWorks』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. しらけちまうぜ / 小坂忠

大貫妙子さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。いかがでしたか? 番組でも特集した最新ライヴ・アルバム『Taeko Onuki Concert 2022』を聞いて改めて思うことですが、大貫さんの歌声というのは、こう、なんというか、宝物のようだな、と。大貫さんの歌声が聞こえるだけで、なんだか心がふわっと浮き立ったり、穏やかに落ち着いたり、静かに癒やされたり…。そんな宝物のような歌声の輝きは大貫さんご自身の作品だけでなく、他のシンガーのバックでコーラス参加したときにも発揮されています。大貫さんはシュガーベイブの一員としてデビューを飾った1970年代半ばから、主に山下達郎さんや吉田美奈子さんらと組んで多くのアーティストのレコーディングでバック・コーラスをつとめてきました。もともとハーモニー・マニアだったぼくは当時、大貫さんを含むコーラス隊が参加しているレコードを入手しては、その洗練されたコーラスに胸をときめかせてきたものです。というわけで、今週のプレイリストはぼくの極私的趣味全開。1970年代半ばから1980年代にかけて、大貫さんがコーラスに参加している作品からぼくが好きな12曲を並べてみました。けっして主役ではありませんが、バックに聞こえるハーモニーの中に含まれている大貫さんの声に集中して、その独特の肌触りをお楽しみいただければ、と。どこか不思議な統一感が感じられると思います。まずは小坂忠さんが1975年にリリースした大傑作アルバム『ほうろう』の収録曲から。吉田美奈子、山下達郎、大貫妙子という黄金の3人によるファンキーなコーラスをお楽しみください。
2. 瞳を閉じて / 荒井由実

大貫さんがシュガーベイブの一員としてアルバム・デビューする前、1974年にユーミンがリリースした傑作セカンド・アルバム『ミスリム』より。これはコーラスのクレジットがシュガーベイブとなっているので、たぶん山下達郎、大貫妙子、村松邦男という顔ぶれなのかな? 
3. 薄荷糖の夏 / あがた森魚

あがた森魚、1976年の2枚組大作『日本少年(ヂパング・ボーイ)』の収録曲。“ヘルプ・ミー・ロン・ロン・コーラス”と名付けられたこの曲のコーラスを担当しているのは、矢野顕子、大貫妙子、山下達郎という、これまた超強力な顔ぶれです。
4. スカイラウンジ / 丸山圭子

大ヒット・シングル「どうぞこのまま」を含む丸山圭子、1976年のアルバム『黄昏メモリー』より。山下達郎、大貫妙子、村松邦男というシュガーベイブのコーラスがフィーチャーされています。
5. 涙のプレリュード / ルネ

カナダのお子ちゃまシンガー、ルネ・シマールが1975年にリリースしたアルバム『君のすべてが欲しい』より。村井邦彦がアルバムのほぼ全曲を作曲して、松任谷正隆が編曲…という人脈もあり、アルバム中5曲で山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子のゴールデン・トリオがバック・コーラスをつとめていました。そのうちの1曲です。
6. でい どりーむ / 風

伊勢正三と大久保一久によるポップ・デュオ“風”がやはり1975年にリリースした『風ファーストアルバム』にも松任谷正隆編曲作品が3曲あり、うち2曲に大貫さんがコーラスで参加していました。そのうちの1曲です。コーラスしていたのは、シュガーベイブ+吉田美奈子+ハイファイセットという錚々たる顔ぶれ。のちの大物たちが若き日、力を合わせて新しいシーンを作ろうと試行錯誤していた時期の記録です。
7. 火の子供達 / 少年少女合唱団みずうみ&シュガー・ベイブ

六文銭の及川恒平が構成と作詞を手がけ、作曲を坂本龍一、編曲を山下達郎が担当した1975年発表のコンセプト・アルバム『及川恒平の子供のうた「海や山の神様たち」~ここでも今でもない話~』より。山下達郎、大貫妙子、村松邦男がシュガーベイブとしてコーラスに参加しています。
8. 日付変更線 / 南佳孝

南佳孝が1978年にリリースした傑作『SOUTH OF THE BORDER』より、ユーミン作詞、佳孝さん作曲、坂本教授編曲による超名曲。ここに大貫さんはバック・コーラスというのではなく、ゲスト・ヴォーカルとして迎えられていました。名唱!
9. こぬか雨 / 伊藤銀次

シュガーベイブに一時期在籍していたこともある銀次さんが、シュガーベイブ時代のライヴでよく演奏していたオリジナル曲を1977年のファースト・ソロ・アルバム『デッドリー・ドライヴ』で再演したもの。コーラスをシュガー仲間の大貫さんが手がけています。
10. イチゴの誘惑 / 竹内まりや

ここから2曲は1980年代もの。まずはまりやさんの1981年のヒット曲から。当時同じRCAレコードに在籍していた“RCAシスターズ”こと、まりやさん、大貫さん、そしてEPOという3人の女性シンガーによるポップなコーラス・ワークがごきげんです。
11. PARK Ave. 1981 / EPO

続いてRCAシスターズからEPOのナンバー。1980年、清涼飲料水のCMに起用されたシングル曲です。コーラスをEPO本人と大貫さんが手がけました。
12. 君の友だち / 吉田美奈子

最後は1975年にリリースされた美奈子さんのライヴ盤『MINAKO II』より。必殺の名曲のゴスペル風味満載でカヴァーしたナンバーを。荘厳なコーラスを聞かせているのは山下達郎と大貫妙子のシュガーベイブ組とハイファイセット・チームです。

解説:萩原健太

大貫妙子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第331回 萩原健太のotonanoラジオ#214

2023/11/07 公開

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

1.

はっぴいえんど

颱風

『風街ろまん』

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

2.

はっぴいえんど

さよなら通り3番地

『HAPPY END』

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

3.

はっぴいえんど

風来坊(吉野金次MIX)

『HAPPY END』

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

4.

はっぴいえんど

さよならアメリカさよならニッポン

『HAPPY END』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#214

『ちぎれ雲~鈴木茂ソングライティング作品集』

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1. LADY PINK PANTHER / スターダスト☆レビュー

先週に引き続き鈴木茂さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。今週も、はっぴいえんどにまつわる興味深いお話をたっぷりうかがいました。茂さんは1970年に出たはっぴいえんどのデビュー・アルバムでは、最年少メンバーということもあってか、ギタリストという役割に徹し、1曲もオリジナル曲を書いていませんでしたが、バンド活動を続ける中、ギタリストとしてだけでなく、ソングライターとしても成長。1972年の『風街ろまん』には初のオリジナル曲「花いちもんめ」を、1973年のサード・アルバム『HAPPY END』には「氷雨月のスケッチ」「明日あたりはきっと春」「さよなら通り3番地」の3曲を、それぞれ提供しました(すべて作詞はバンドメイトの松本隆)。そしてバンド解散後も自らのアルバムのために、あるいはプロデュースやアレンジを手がけた他アーティストのレコーディングのために、たくさんのオリジナル曲を書いています。ということで、今週のプレイリストは茂さんのソングライターとしての側面に着目。様々なシンガーへの書き下ろし曲はもちろん、はっぴいえんどのために、あるいは自分自身のアルバムのために書いたレパートリーのカヴァー・ヴァージョンなども交えつつセレクトした12曲です。まずは茂さんが1976年にリリースしたソロ・アルバム『ラグーン』のために書き下ろした収録曲をスタレビの面々がお得意のコーラスでカヴァーしたごきげんなヴァージョンから。2008年のアカペラ・カヴァー・アルバム『ALWAYS』に収められていたものです。作詞:松本隆、作曲:鈴木茂。
2. 黄昏はオレンジ・ライム / 松田聖子

続いては聖子ちゃん。彼女が1981年にリリースしたアルバム『風立ちぬ』はアナログ盤のA面全曲の作・編曲およびプロデュースを、これまたはっぴいえんど仲間のひとり、大滝詠一が担当。それに対してB面のほうには財津和夫、杉真理ら複数のソングライターが参加していました。茂さんもそのうちのひとり。ということで、茂さん作曲によるこの曲をどうぞ。もちろんこの曲も作詞は聖子ちゃんといえばこの人、松本隆です。
3. 唇にメモワール / 岩崎良美

80年代アイドルの代表選手のひとり、岩崎良美が1981年暮れにリリースしたアルバム『心のアトリエ』より。作詞:松井五郎、作曲:鈴木茂。
4. Howa Howa Shuwa Shuwa -宇宙ネコの舌ざわり- / 松原みき

松原みき、1980年リリースのセカンド・アルバム『WHO ARE YOU?』の収録曲です。作詞:島エリナ、作曲:鈴木茂。
5. ファニー / 前川清

坂本龍一、中島みゆき、村下孝蔵、高見沢俊彦、福山雅治、矢野顕子、さだまさしら興味深いアーティストたちが曲作りに関わった前川清、2002年のアルバム『前川清コレクション 雪列車~ひまわり』に、茂さんも1曲参加していました。作詞:山川圭介、作曲:鈴木 茂によるナンバーです。
6. 恋人たちの水平線 / 裕木奈江

1994年、松本隆のプロデュースの下で制作された内省的なコンセプト・アルバム『水の精』より。ここにも細野晴臣、矢野顕子、松浦雅也、楠瀬誠志郎、筒美京平など興味深いソングライターが参加していましたが、その中から作詞:松本隆、作曲:鈴木茂によるこの曲を。
7. ソバカスのある少女 / 森丘祥子

茂さんも深く関わっていた先進的ミュージシャン集団“ティン・パン・アレイ”が1975年にリリースしたアルバム『キャラメル・ママ』に収められていた松本隆=鈴木茂作品。そのアルバムでは南佳孝がゲスト・ヴォーカリストとして参加し茂さんとのデュエットを聴かせてくれていましたが、今回は森丘祥子が小西康陽をプロデューサーに迎えて1991年にリリースしたカヴァー・アルバム『夢で逢えたら』からのヴァージョンで。
8. 真夏の少女 / 堀ちえみ

エイティーズ・アイドルをもうひとつ。堀ちえみが1982年にリリースしたセカンド・シングルです。作詞:中里綴、作曲:鈴木茂。
9. 305の招待席 / 布施明

布施明が1979年にリリースしたアーバン・ポップ・シングル。隠れた名曲として人気の高い作品です。作詞:門谷憲二、作曲:鈴木茂。
10. アトランチス / 井上純一

茂さんはアニメ関連の仕事もこなしています。1980年の単発長編テレビ・アニメ『海底大戦争~愛の20000マイル』のテーマ・ソング。声優も務めていた井上純一が歌っています。これも作詞:松本隆、作曲:鈴木茂による作品です。
11. 春爛漫 / 山口百恵

百恵ちゃん、1980年のアルバム『春告鳥』のオープニングを飾っていたナンバー。これまた作詞:松本隆、作曲:鈴木茂。
12. ちぎれ雲 / SKYE

最後は茂さん自身がヴォーカルをとっている音源で締めましょう。鈴木茂、小原礼、林立夫、松任谷正隆というそうそうたる顔ぶれが再結集したスーパー・バンド、SKYEが2021年にリリースしたアルバムの収録曲です。とはいえ、これ実は、はっぴいえんど時代に作られたものの未発表に終わっていた作品。半世紀近い歳月を経てついに世に出た1曲でした。もちろん作詞:松本隆、作曲:鈴木茂。8分超の意欲的な新録音です。

解説:萩原健太

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第330回 萩原健太のotonanoラジオ#213

2023/10/31 公開

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

1.

はっぴいえんど

春よ来い

『はっぴいえんど』

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

2.

はっぴいえんど

飛べない空

『はっぴいえんど』

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

3.

はっぴいえんど

花いちもんめ

『風街ろまん』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#213

『春よ来い~マイ・フェイヴァリットはっぴいえんど』

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1. 明日あたりはきっと春 / はっぴいえんど

鈴木茂さんをゲストにお招きした『otonanoラジオ』。楽しかったですねー! 茂さんをはじめ、細野晴臣さん、松本隆さん、大滝詠一さんというそうそうたる顔ぶれが、若き日、一堂に会していた奇跡のバンド、はっぴいえんどのオリジナル・アルバム3作がこのほど改めて再発されるということで。はっぴいえんどをめぐる様々なお話をたっぷり聞かせていただきました。来週もまた茂さんが来てくださるということで、待ちきれません。ということで今週のプレイリスト、主役はもちろん、はっぴいえんどです。バンドとしては1970〜73年というごく短い期間しか存在しなかったにもかかわらず、その後の日本のポップ・ミュージック・シーンを大きく変えていくことになる刺激的な種を蒔きまくった彼らの音源からぼくが好きな12曲、セレクトしてみました。はっぴいえんど名義の作品はもちろん、彼らが当時バッキングをつとめた他アーティストの音源なども含むセレクションです。まずはこの曲、1973年にリリースされたアルバム『HAPPY END』に収められていたナンバーを。作詞:松本隆、作曲:鈴木茂。『HAPPY END』は米ロサンゼルスのサンセット・サウンド・スタジオで、当時としては思いきり珍しかった海外レコーディングされた、彼らにとって最後のスタジオ・アルバムでした。
2. はいからはくち("CITY"ヴァージョン)/ はっぴいえんど

はっぴいえんどの代表曲のひとつ。作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一。タイトルにこめられた“外来の文化に魅せられた日本人”としてのある種の自虐こそが彼らがシーンに残した最大のテーマだったかもしれません。彼らは単純に英米のロックに憧れて、無為な追いつけ追い越せ劇を展開するバンドではなかったということ。両者の間に厳然と存在する文化の違いをきっちり意識したうえでの表現を実現しようとしていたわけで。これもまた画期的なことでした。ちなみに、はっぴいえんどの諸作中、この曲ほど何度もモデル・チェンジした楽曲もなくて。セカンド・アルバム『風街ろまん』収録の8ビート・ヴァージョンにはじまり、フィル・スペクターがプロデュースしたクリスタルズの「ダ・ドゥ・ロン・ロン」のメロディを拝借したポップ・ヴァージョンまで。ライヴで披露されるたびにアレンジが大きく変わっていたものです。今回はその中から、ベスト・アルバム『CITY』に収録されていたシャッフル・ヴァージョンを。
3. 失業手当 / 高田渡&はっぴいえんど

高田渡が1971年にリリースした傑作アルバム『ごあいさつ』からのナンバー。渡さんは基本的にはアコースティック・ギターの弾き語りを基調にしたフォーク・シンガーでしたが、アルバムの中に3曲ほど、はっぴいえんどがバッキングを担当したものが含まれていました。その中からこのルーズなブルース・ナンバーをどうぞ。作詞:ラングストン・ヒューズ、訳詞:木島始、作曲:高田渡。
4. 抱きしめたい / はっぴいえんど

1971年にリリースされた、はっぴいえんどの大傑作セカンド・アルバム『風街ろまん』のオープニングを飾っていたナンバーです。作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一。トリッキーなイントロからドラム・フィルを経て歌が始まって。松本さんのドラムと細野さんのベースによるタイトなグルーヴと、茂さんのルーズなギター、そして大滝さんの柔軟かつ奔放なヴォーカル・パフォーマンス、すべてが完璧。随所に盛り込まれた“くすぐりネタ”も楽しい名曲でした。
5. かくれんぼ / はっぴいえんど

はっぴいえんどが1970年にリリースしたデビュー・アルバム『はっぴいえんど』からのナンバー。これも作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一です。クロスビー、スティルス&ナッシュに触発されたようなクールな世界観が印象的な1曲でした。当時ライヴでもよく演奏されていた人気曲。
6. 雨あがりのビル街(僕は待ちすぎてとても疲れてしまった) / 遠藤賢司

遠藤賢司が1970年にリリースしたファースト・フル・アルバム『niyago』より。B面1曲目を飾っていた名曲です。大滝さん以外のはっぴいえんど、細野さん、松本さん、茂さんがバッキングを手がけています。もちろん大滝さんもエンケンさんとは当時いろいろ刺激し合っていたようで、はっぴいえんどのライヴでも大滝さんのリード・ヴォーカルでこの曲をカヴァーしたりもしていました。
7. あしたてんきになあれ / はっぴいえんど

アルバム『風街ろまん』より、作詞:松本隆、作曲:細野晴臣によるナンバーです。一連のスタックス・レコード作品に通じる切れ味するどいソウル・グルーヴと、当時の日本のロック・シーンではとても珍しかったファルセットによるヴォーカルがやけにかっこよかったものです。
8. ゼニの効用力について / 加川良

加川良が1971年にリリースしたファースト・アルバム『教訓』の収録曲。ブレヒトに触発されて加川さんが作詞作曲したものです。もちろん、バッキングをはっぴいえんどが担当していました。
9. 相合傘 / はっぴいえんど

サード・アルバム『HAPPY END』より。細野さんが作詞作曲したポップでファンキーなナンバー。その後の細野さんのソロ活動を予見させるサウンドがとても新鮮でした。
10. 朝 / はっぴいえんど

ファースト・アルバム『はっぴいえんど』より。作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一。細野晴臣が奏でるアコースティック・ギターだけをバックに大滝さんが穏やかなヴォーカルを聞かせています。これまた後の大滝さんのソロ活動での持ち味を予見させてくれる1曲でした。
11. 愛する人へ / 岡林信康

はっぴいえんどというバンドの名前を一般に広めることになった大きなきっかけのひとつは、当時“フォークの神様”などとも呼ばれていた岡林信康のバック・バンドを彼らがつとめたことでした。岡林信康&はっぴいえんど、という組み合わせに、ぼくたち日本のファンはボブ・ディラン&ザ・バンドのイメージを二重映しにしていたものです。というわけで、そんな岡林さんが1970年にリリースしたアルバム『岡林信康アルバム第二集〜見るまえに跳べ』より、はっぴいえんどがバッキングをつとめたこの曲を。もちろん作詞作曲は岡林信康です。
12. 春よ来い(Live) / はっぴいえんど

1973年9月21日、東京の文教公会堂で行なわれた、はっぴいえんどの解散コンサートからの演奏で今週のプレイリストを締めくくりましょう。その日の模様を記録したライヴ・アルハム『ライブ!! はっぴいえんど』のB面ラストに収められていたヴァージョンです。もともとはファースト・アルバム『はっぴいえんど』のA面1曲目を飾っていたこの曲で、解散ライヴを記録したアルバムのラストを飾るという憎い演出でした。オリジナル・ヴァージョンとは大きく違う、ぐっとファンキーなアレンジがほどこされており、短い活動期間の中ではっぴいえんどがどれほどの勢いで成長したかが聞き取れます。

解説:萩原健太

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第329回 萩原健太のotonanoラジオ#212

2023/10/24 公開

白井貴子さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

白井貴子さんをゲストに迎えて(その2)

1.

白井貴子

イエスタデイズ ドリーミン

『Pascal』

白井貴子さんをゲストに迎えて(その2)

2.

白井貴子

Mama

『Mama』

白井貴子さんをゲストに迎えて(その2)

3.

白井貴子 & THE CRAZY BOYS

Foolish War

『FLOWER POWER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#212

『Mama~母親のことを描いた洋楽ヒット集』

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1. Mom / Meghan Trainor feat. Kelli Trainor

先週に引き続き白井貴子さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。お楽しみいただけましたか。番組では白井さん初の著書『ありがとうMama』や新曲「Mama」など、昨年他界なさったお母さまにまつわる白井さんの思いをいろいろお話ししていただきました。というわけで、今週のプレイリストは“ママ”にまつわるセレクション。様々な形でママのこと、母親のことを描いた洋楽ヒットの中からピックアップした12曲です。まず1曲目はメーガン・トレイナーが、母親でもあり大の親友でもある素敵なママへの思いを炸裂させたこのポップ・チューンから。2016年にデジタル・シングルとしてちょこっとヒットしました。フィーチャリングされているケリー・トレイナーというのがママ本人。曲中、電話で会話してます。ちなみにメーガンは自分が母親になった立場から作った「マザー」というシングルを今年の春にリリースして、それもヒットさせました。
2. Your Mama Don't Dance / Loggins & Messina

ケニー・ロギンスとジム・メッシーナがタッグを組んだ人気ロック・デュオが1972年に放ったヒット。日本でも「ママはダンスを踊れない」という邦題のもと、当時けっこうヒットしました。ママはダンスを踊らないし、パパはロックンロールしない、デートをしても夜の10時には帰ってこいと言うし、どこにロックンロールしに行けばいいんだよ…的な、1970年代のティーンエイジャーの気持ちを描いたナンバーです。
3. Mother / Kacey Musgraves

2018年のアルバム『ゴールデン・アワー』に収められていた2分足らずの短い曲。つらい日々の中、ふと母親に思いを馳せる感傷的なバラードです。母を思い、自分を気遣ってくれた母の手の記憶をたどりながら、きっと母親も今、自分のことを思ってくれているんだろうなと感じる瞬間を綴っています。
4. Mama Said / The Shirelles

ぐっと懐かしいポップ・ヒットを。キャロル・キング作の超名曲「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」で1960年、“全米チャート1位に輝いた初の黒人ガール・グループ”という栄誉を手にしたザ・シレルズが、翌1961年に全米4位にランクさせたナンバー。片想いが実らなかった女の子にママが「いつか素敵な日が来るわよ」と声かけて元気づけてくれます。
5. Mother Popcorn / James Brown

ファンキー大統領、ジェイムス・ブラウンが1969年に放ったヒット。ここでの“マザー”は文字通り“母親”という意味ではなく、女の子のおっきなヒップのことを表わしているのだとか。“ポップコーン”のほうもお菓子の名前ではなく、ダンス・ステップの名前。てことで、ポップコーンを踊るごきげんなヒップの女の子のことを歌ったものです。
6. Mama / Spice Girls

1990年代後半、爆発的人気を誇ったイギリスの5人組ガール・グループ、スパイス・ガールズ。彼女たちが1997年、「フー・ドゥ・ユー・シンク・ユー・アー」との両A面シングルとしてリリースし、本国イギリスだけで当時60万枚を売り上げたヒットです。これまた“母の愛”を歌ったナンバー。ビデオクリップにはメンバー5人それぞれの母親も登場していました。
7. Mama's Pearl / Jackson 5

幼きマイケル・ジャクソンをフロントに据えたジャクソン・ファイブが1971年に放ったヒット。日本では「ママの真珠」というまっすぐな直訳タイトルでリリースされていました。ぼくは恥ずかしながらこの曲の歌詞を今ひとつよく理解できないまま現在に至ってしまっているのですが(笑)、たぶんママから真珠のように大切に思われている女の子との幼い恋の模様を描いた曲…のような気がしてます。知らんけど。
8. Your Mother Should Know / The Beatles

“マザー”という言葉が歌詞に出てくるビートルズの曲でいちばん有名なのは、たぶん「レット・イット・ビー」かなとも思うのですが。あの曲の冒頭に出てくる“マザー・メアリー”は“聖母マリア”のことを表わしているので、今回はストレートに“君のお母さん”のことを歌ったこちらの曲を。君のママが生まれる前の古い曲に合わせて踊ろうよ…と歌うオールド・タイミーな名曲です。
9. Mother / Ashanti

ずばり“マザー”というタイトルの曲はいくつかあって。すでにこのプレイリストでもケイシー・マスグレイヴスの「マザー」が登場しているし、前曲からのビートルズつながりで言うとジョン・レノンの「マザー」という強烈な曲もありますが。今回はもう1曲、アシャンティによる2008年のこちらのナンバーを。ベイビーフェイスのプロデュースで、母親の強さや、母親からの限りない愛を歌ったメロウ・チューンです。
10. A Real Mother for Ya / Johnny Guitar Watson

強烈なファンク・ブルースでおなじみ、ジョニー・ギター・ワトソンが1977年に放ったヒット。新しい車が買いたいけど高けぇし、親はウソをつくし、赤ん坊は泣くし、ああ神様、これがまじ母親ってもんだ、逃げ出したくなるぜ…みたいな歌詞で。何言ってんだかよくわからないけど、なんとなく人生厳しいなぁ的な?
11. Mama Told Me (Not to Come) / Three Dog Night

1968年に米ロサンゼルスで結成されたスリー・ドッグ・ナイトは、オリジナル曲だけでなく、まだ一般的には認知されていない若手ソングライターの曲を的確にピックアップし、見事なアレンジと歌で極上のポップ・ソングに仕立て上げることにかけちゃ天下一品でした。ローラ・ニーロの「イーライズ・カミン」、ポール・ウィリアムスの「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」、ロジャー・ニコルスの「アウト・イン・ザ・カントリー」、ハリー・ニルソンの「ワン」、ホイト・アクストンの「喜びの世界」など、スリー・ドッグ・ナイトが取り上げたことで知名度を一気に上げたソングライターたちは数知れず。現在はピクサー映画の音楽を手がけたりする大御所になっているランディ・ニューマンも、若き日、スリー・ドッグ・ナイトがこの曲「ママ・トールド・ミー」を1970年にカヴァーしたことで一気に一般的な脚光を浴びました。やばいパーティに足を踏み入れた主人公が、ママが言う通りこんなところに来なければよかった…と後悔しているナンバーです。
12. The Best Day (Taylor’s Version) / Taylor Swift

曲名に“マザー”とか“ママ”とか入っていないけれど、母親のことを歌っている曲というのもたくさんあって。そのうちのひとつを最後にセレクトしてみました。テイラー・スウィフトが2008年に発表した曲。いつも“問題から逃げちゃダメ”と言っていた母親が、テイラーが思春期になったころに、“時には逃げたっていいのよ”と教えてくれたというエピソードから作られた名曲です。

解説:萩原健太

白井貴子さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第328回 萩原健太のotonanoラジオ#211

2023/10/17 公開

白井貴子さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

白井貴子さんをゲストに迎えて(その1)

1.

白井貴子 & THE CRAZY BOYS

Chance!

『FLOWER POWER』

白井貴子さんをゲストに迎えて(その1)

2.

白井貴子 & THE CRAZY BOYS

Checkしてしまった!!

『FLOWER POWER』

白井貴子さんをゲストに迎えて(その1)

3.

白井貴子 & THE CRAZY BOYS

My Glory Road

『FLOWER POWER』

萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#211

『Talk To Me~1985年の女性アーティスト・ナンバー集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. Talk To Me / 白井貴子&THE CRAZY BOYS

白井貴子さんをお迎えした『otonanoラジオ』。お楽しみいただけましたか。すごくポジティヴな気分になれましたねー。ごきげんです。今週は11月1日、ついにアナログLPとして蘇る1985年のアルバム『Flower Power』のお話をたっぷりうかがいました。白井さんが盟友クレイジー・ボーイズを率いて、ポップス期からロック期へと移行する瞬間を記録した名盤。ということで、今週のプレイリストはこのアルバムが出た1985年という年に注目します。1985年当時にぼくが大好きで聞いていた女性アーティストによるナンバーをダダッと並べてみました。とはいえ、まず1曲目は白井さんの曲から。『Flower Power』のラストを締めくくっていた作品です。もちろん作詞作曲:白井貴子。時間がなくて番組のほうではかけられなかったのでこちらで。
2. 悲しいボーイフレンド / 渡辺美里

1985年は渡辺美里デビューの年でもありました。というわけで彼女のデビュー・アルバム『eyes』から、作詞作曲:大江千里によるこのナンバーを。
3. SUGAR TOWNはさよならの町 / 松任谷由実

あのころ、年末になるとユーミンだったなぁ…。松任谷由実が1985年の暮れにリリースしたアルバム『DA・DI・DA (ダ・ディ・ダ)』より、この曲を。作詞作曲:松任谷由実。
4. AXIA 〜かなしいことり〜 / 斉藤由貴

斉藤由貴のデビューもこの年、1985年。松本隆=筒美京平コンビニよるデビュー・シングル「卒業」も超名曲だったけど、カセットテープのCMイメージソングとして使われていたこの曲も大好きだったなぁ。作詞作曲:銀色夏生。ファースト・アルバム『AXIA』の収録曲でした。
5. ガールズ, ブラボー! / REBECCA

NOKKOがフロントを張っていたスーパー・バンド、REBECCAの大ヒット・シングル「フレンズ」のB面に収められていたナンバーです。個人的にはこっちのほうが断然好きだったっけ。作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫。
6. WELCOME BACK TO MY HEART / 薬師丸ひろ子

薬師丸さんのセカンド・アルバム『夢十話』より。竹内まりやによる英語詞にヒットメイカー、井上大輔が曲をつけたナンバー。1985年の夏、こればっかり聞いていました(笑)。
7. I・E・S・P (アイ・エスパー) / PSY・S

CHAKAこと安則まみの歌声と、フェアライトを駆使した松浦雅也ならではの最尖鋭サウンドが合体したポップ・ユニット、PSY・Sのファースト・アルバム『DIFFERENT VIEW』のリリースも1985年でした。その中からとりわけポップなこの曲を。作詞:高橋修、作曲:松浦雅也。
8. カレンダーにイニシャル / 菊池桃子

林哲司の全面サポートの下、従来のアイドルとはまたひと味違う音作りで独自の活動を見せてくれていた桃ちゃん。1985年にリリースされたセカンド・アルバム『TROPIC of CAPRICORN 〜南回帰線〜』の収録曲です。作詞:秋元康、作曲:林哲司。
9. 涙の茉莉花LOVE / 河合その子

しかし、ここまで登場してきた桃ちゃんにせよ、斉藤由貴にせよ、薬師丸さんにせよ、1985年ってアイドル・ポップの変わり目だったかも。しかも、おニャン子クラブのデビューの年でもあって。ぼくもアイドル・ポップばっかり聞いてた覚えが…(笑)。おニャン子の名作ファースト・アルバム『KICK OFF』もよく聞きました。加えて、そのメンバーから河合その子がいち早くソロ・デビュー。このデビュー・シングルも1985年秋の思い出です。作詞:T2、作曲:後藤次利。
10. Be True / 中村あゆみ

白井貴子さんとともに1980年代を代表するロック・クイーンのひとり、中村あゆみの代表的ヒット「翼の折れたエンジェル」も1985年のナンバーでした。その曲を含むセカンド・アルバムの表題曲をどうぞ。作詞作曲:高橋研。
11. 鎌倉物語 / サザンオールスターズ

これはちょっと変化球っぽいけど。サザンオールスターズの紅一点、ハラボーの歌声も。1985年の2枚組大作『KAMAKURA』より。最近、例のファストファッションブランドのテレビCMでもまた使われてます。懐かしい…。
12. ボーイの季節 / 松田聖子

でもって、ラストは聖子ちゃん。1981年からずっと聖子ちゃんの作詞を担当してきた松本隆が作家陣から引いたのが1985年でした。ということでこの曲も作詞作曲は尾崎亜美。神田正輝との結婚直前にリリースされたシングルです。

解説:萩原健太

白井貴子さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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