私が欲しいレコード

幻の名盤から架空の一枚まで。今聴きたい、今欲しいレコードを、各界のレコード愛好家のみなさまに、自由な発想で綴っていただきます。

第20回【佐藤竹善(SING LIKE TALKING)】 ミュージシャン
第20回【佐藤竹善(SING LIKE TALKING)】 ミュージシャン

最高のミュージシャンたちと一期一会の音楽を交わしあった記録を残し、人生のラスト間際に、レコードで楽しむことが出来たら、そんな幸せなことはない。



 まだレコードかカセットテープでしか聴く手段がなかった時代、まさかこのような原稿を書く時代が来るとは考えたこともなかった。
 でも、それはぼくが子供だったからで、実はレコードだけの時代のあと、カセットテープが登場したあたりから未来の多彩なメディアの登場を予想していた人は、もはやいたのかなあ…。
 いきなり閑話休題。

 レコードになったら嬉しいプレイリスト (この言葉も新しいなあ) は、当然レコードしかなかった時代とは明らかに現代的環境での心理上の感慨も、そこからの影響による思い入れもまったく別のものになる。
 その上でぼくが嬉しいもの。
 それは手前みそでタイヘンにおこがましいのだが、今までの自分のキャリアの中での、数々のベストライブテイク集かなと思う。
 幸いな事に、いままで国内外たくさんの素晴らしいミュージシャンたちとライブをする事ができた。
 デビューライブでのJeff Porcaro (Toto), Nathan East (Eric Clapton他) に始まり、Sing Like Talking 以外にもソロライブやセッションライブ、最高にリスペクトを寄せるアーティストたちへのゲスト参加などから (本当は全部入れたいが…) よりすぐったものを集めて、せめて2枚組にはしたい。
 もちろん、ぼくの歌などはどうでもよいのである。
 そんな最高のミュージシャンたちと一期一会の音楽を交わしあった記録を残し、人生のラスト間際に、レコードで楽しむことが出来たら、そんな幸せなことはない。
 これからも、きっとまだまだそんな幸せな時に巡り合うと思うので、盤にするのはいつぐらいが潮時だろう…なんて妄想にふけるのも楽しい。

 子供の頃に初めて針をレコード盤に落とした時のドキドキと、そこに拡がった無限の音楽の喜びが、人生の長い時を経て、そして子供の頃予想もしなかったレコードで音楽を聴くのが主流じゃなくなった時代に、やはり予想もしなかった自分が音楽をナリワイとする時を過ごし、その締めくくりのひとつとして完結する、そんなゼイタクができたならまんざらな人生じゃなかったなと思えるに違いない。そのためにも、いつまでも「まだ潮時じゃないな」と思える活き活きとした活動を続けていけたらいいなと思う。







佐藤竹善

SING LIKE TALKINGのボーカルとして'88年にデビュー。'93年『Encounter』、'94年『Togetherness』の両アルバムはオリコン初登場1位。現在まで14枚のオリジナル・アルバムを発表、総売上300万枚以上を記録している。その活動と平行して'95年に発表したカバーアルバム『CORNERSTONES』から本格的にソロ活動開始。'07年リリース『INDIGO』は、雑誌『ADLIB』によるアドリブ・アワード2007の国内グランプリを受賞。2013年に25周年を迎えたSING LIKE TALKINGの集大成となるオールタイムセレクションアルバム、『Anthology』を、2015年2月にリリース。
その他、多数のアーティストのレコーディング参加、楽曲提供やプロデュースなども行い、高い評価を受けている。
毎年大阪で行われている、佐藤竹善 Presents Cross your fingersは21回(2019年)を数える人気イベントで数多くのアーティストとの共演を実現している。
2016年、6作目となるカバーアルバムシリーズ、「CRONERSTONES 6」を新日本フィルハーモニー交響楽団との共演でリリース。東京フィルハーモニー交響楽団と一夜限りのライブを文化村オーチャードホールで行った。
2015年より、2018年のSING LIKE TALKINGのデビュー30周年に向けたカウントアップ・スペシャルライブ企画がスタート。
第1弾、「SING LIKE TALKING Premium Live 27/30 ~シング・ライク・ストリングス~ 」(2015)、
第2弾、「SING LIKE TALKING Premium Live 28/30 Under The Sky ~シング・ライク・ホーンズ~ 」(2016)を行い、大好評を博す。
第3弾、「SING LIKE TALKING Premium Live 29/30 ~SING LIKE POP'N ROCK & MELLOW~」は2017年8月、中野サンプラザホールで行い、2日間SOLD OUT。
2018年1~3月にかけ約3年ぶり行われた「2018 The Tour with Next Generation」は全公演SOLD OUT。
デビュー30周年記念ベストアルバム「3rd reunion」を2018年8月にリリース、30周年記念ライブ「SING LIKE TALKING 30th Anniversary Live Amusement Pocket “Festive”」は、2018年秋、大阪・東京・大宮・青森で行い、デビュー30周年を大盛況にて迎えた。11月には、ソロとして、クリスマス企画アルバム『Little Christmas』を発売し、恒例となっているクリスマスライブ、佐藤竹善 with The Jazz Creatures「Your Christmas Night 2018」は、過去最大となる全10公演が行われた。
2019/11/24(日)東京:中野サンプラザホール、12/28(土)大阪:オリックス劇場にて、エリック・ミヤシロ率いるビッグバンドとのライブ、「Rockin' It Jazz Orchestra ~Live in Tokyo & Osaka~」を開催。
2020年、SING LIKE TALKING 初となる無観客配信ライブ「AP 2020 Deliver You」、続いて2021年、「AP 2020 Deliver You Real」を有観客で行い、デビュー30周年以降もますます活発な活動を続けている。

【佐藤竹善レギュラーラジオ番組】
https://singliketalking.jp/chikuzenradio

【SING LIKE TALKINGオフィシャルホームページ】
https://singliketalking.jp


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