私が欲しいレコード

幻の名盤から架空の一枚まで。今聴きたい、今欲しいレコードを、各界のレコード愛好家のみなさまに、自由な発想で綴っていただきます。

第14回【mito(clammbon)】 ミュージシャン
第14回【mito(clammbon)】 ミュージシャン

このレコードの内容が、僕の音楽観、プロデュース観を革命的に変えてくれたのも事実で。それは、このアルバムの作曲編曲プロデュースしてる西脇辰弥さんを初めて認識した瞬間でもありました。



 速攻で「これしかない!」と思って選んだのですが、ちょっとみなさんは何をセレクトしてるのかな?と思いのぞいてみたら…、Night Tempoさんと被ってしまいましたっっ、すいません。

 ま、でも僕のセレクトしたアルバムはないみたいなので、こちら! 谷村有美さんの『愛は元気です。』です!!

 もうまず何が決め手かってあの表1(ジャケット)でしょう! 初めてこのジャケットを見たのは、まだ全国レベルでの支店もなかった頃のTSUTAYA九段下店。まだ“レンタルCD”というシステムが黎明だったので、正直このCDを手にとってレジに持っていくのがめちゃくちゃ恥ずかしかった(!?)のをめちゃくちゃ覚えています。今考えるとすごく変ですよね?


谷村有美『愛は元気です』
(1991年5月15日発売)


 いや、僕谷村さんってめちゃくちゃアイドルの人かと思ってたんです、その当時。でも後にTVで出演してるのを見て、キーボードめちゃくちゃバカ弾きしてて「まじかー!」って超絶ショックを受けたんです。そっからもうずっとファンに。つまりはそれだけこのジャケットがフォトジェニックでチャーミングでインパクトが強かったのです。

 そしてそしてまたこのレコードの内容が、僕の音楽観、プロデュース観を革命的に変えてくれたのも事実で。それは、このアルバムの作曲編曲プロデュースしてる西脇辰弥さんを初めて認識した瞬間でもありました。

 西脇さんの動向はそのあとずっと追いかけていて、ある種日本のプロデューサー、アレンジャーとして追っかけたのは小室哲哉さんに続いて2人目だったと思います。僕がアニソンに無限の音楽的可能性を感じ、それからの音楽的嗜好をひっくり返したメロキュアの名アルバム『メロディック・ハード・キュア』のプロデュースも西脇さんでしたし、何がしかのタームにいつもいらっしゃる大先輩でもありリスペクトするアーティストです。

 ブルーアイドソウルやミネアポリスサウンド、当時一番キラッキラしてたニュージャックスウィングに着飾った楽曲たちを、あんな可愛い谷村さんがスイスイと泳ぐように歌い上げ、さらにそれをそうる透さんや外山さんや青山純さんなど錚々たるリズムセクションでバッキングを固め、ストイックさとメロディックさを兼ね備えた西脇さんのヘッドアレンジ…。もちろん自分のノスタルジーも加味しているでしょうが、本当にいま聴いても鳥肌が止まらなくなって、涙が出そうになります。

 本当は楽曲1曲1曲コメントしたいですが(多分1曲でこの連載の文字数超えます)、とにかく僕はこれがレコードになったら、必ず自分のスタジオの正面に立てかけると思います。あの笑顔に見つめられながら作業したいし、モチベガチ上がり必至です。

 ていうか、蛇足も甚だしいですがそろそろ谷村有美さんトリビュートしません? 絶対いまの若い子たちは反応してくれると思います! ほら、この連載でNight Tempoさんもあげてることですしって出過ぎたコトをすいません!!
 









mito (ミト)

1975年5月6日生まれ。東京都出身。
クラムボンのバンドマスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。
デビュー以来クラムボンのほとんどの楽曲はmitoによるものである。
自身のバンド以外にも、演奏参加、楽曲提供、プロデューサー、ミックスエンジニアとして、木村カエラ、豊崎愛生、花澤香菜、持田香織、toe、SOUR、コトリンゴなど多くのミュージシャンを手がける他、映画やアニメの楽曲制作を行う。
2006年から「mito solo project」として“FOSSA MAGNA”“dot i/o”“micromicrophone”の3つのソロ活動をスタートし、アルバムを発表。ノイズ、アバンギャルド、テクノからエピックなポップミュージックまでを傍若無人に搾取するヘヴィー・リスナーであり、常にジャンルの垣根を飛び越えようとするスタイルで、新しい音楽に挑戦している。2011年には初のmito名義となるソロアルバム『DAWNS』を発売。同時に、これまでミトがプロデュース、作曲、編曲、作詞、remixなどを手がけた数々の作品を2枚にコンパイルした『mito archive 1999-2010』も発売している。また、牛尾憲輔(agraph/LAMA)とのアニソンDJユニット、2 ANIMEny DJsや、伊藤真澄・松井洋平との劇伴ユニット“TO-MAS SOUNDSIGHT FLUORESCENT FOREST”としても活動中。
2021年1月12日より日本テレビほかで放送中、野島伸司氏 原案・脚本TVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』の劇伴をDE DE MOUSEとミトで担当している。

www.clammbon.com

Twitter: @micromicrophone
Instagram: @micromicrophone

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