ジャズメガネのセンチなジャズの旅

76. 今田勝&ジョージ・ムラーツ『アローン・トゥギャザー』
76. 今田勝&ジョージ・ムラーツ『アローン・トゥギャザー』

   このアルバムが発売された1977年、僕は大学3年生でダンモ研真っ盛りだった。部員は大勢いて、もちろんベーシストもたくさんいた。皆、基本、自己流で、先輩に教えを乞いながら練習していたのだけれど、ベーシストは通称音楽長屋隣の体育局の屋根の下で低音を響かせながら、アルコの練習をしていたのが印象に残っている。音程の練習には欠かせなかったのだろう。
   ある時、同期のベーシストが「ジョージ・ムラーツのように弾くのは無理だ」と嘆いていたのを覚えている。ちょうど、ムラーツが大活躍していた頃なのだろう。アルコと言えば、ジョージ・ムラーツだった。皆、憧れていたのだろうなぁ。
   今、改めて聴いてもその正確無比なテクニックには驚くばかりだ。

text & cut by Kozo Watanabe