ジャズメガネのセンチなジャズの旅

140. 「鈴木勲カルテット+1 / ブルー・シティ」
140.  「鈴木勲カルテット+1 / ブルー・シティ」

   何度聞いても飽きない。この番組で「ブルー・シティ」の収録曲を何度かけたことだろう。特集こそ、そんなにしているわけではないが、「私のベスト曲」や「記念番組」などでは必ずかかったかと思う。それほど、名曲、名演が多い。それは、やはり鈴木勲さんのメロディー・センスによるものだろう。メロディーのチョイス。テーマの歌い方。そして、アドリブの歌い方。全てが良質なメロディーになっている。特にマイナー・メロディーで日本人の心に刺さるようなアプローチにはたまらないものがある。だからみんな大好きなのだ。加えて、強烈なスウィング感とソウルフルな香り。それはジャズそのものなのだ。
   今後、こんなタイプの日本人ジャズメンはもう現れないかも知れないが、天国のオマさんを微笑ませるような若手ジャズメンが現れることを期待したい。

text & cut by Kozo Watanabe