REPORT


110107eiga
『1985.12.25 REBECCA WORLD CONCERT TOUR Maybe Tomorrow in 渋谷公会堂』
一夜限りのプレミア上映レポート

2018.3.13(Tue.)Zepp DiverCity(TOKYO)/Zepp Namba(OSAKA)

J-POP史に語り継がれる伝説の一夜を収めたライヴ・フィルム『1985.12.25 REBECCA WORLD CONCERT TOUR Maybe Tomorrow in 渋谷公会堂』のプレミア上映が、「110107eiga」の一環として3月13日(火)にZepp DiverCity(東京)とZepp Namba(大阪)で同時開催された。「110107 eiga」は迫力の大画面と高質な音響で名演をとことん楽しむことができる新しい上映スタイル。再発見、蔵出し、発掘した素材にこだわりのレストア&リマスタリングを施し、最新技術で再生された逸品をライヴハウスや映画館などの共有空間に届けている。今回の感動のエンタメ追体験となったZeppから、DiverCity(東京)上映の模様をレポートする。

1984年にメジャー・デビューし、紅一点NOKKOのキュートでパワフルなヴォーカルやファッションが話題を呼びティーネイジャーのあいだで絶大な人気を誇ったバンド、レベッカ。2017年夏にじつに28年振りとなる全国ツアーを展開し、全9公演が即日完売となる大成功を収めたばかりだ。追随を許さない存在感となったレベッカのキャリアのなかで、ターニングポイントとなったのは1985年11月に発売された通算4枚目のアルバムだった。初のアルバムチャート1位を獲得したJ-POP史に刻まれる名盤『REBECCA IV~Maybe Tomorrow』を引っ提げて行われた1985年のツアー「REBECCA WORLD CONCERT TOUR ~Maybe Tomorrow」は、レベッカにとっても想い入れの強いツアー。そのハイライトともいえる12月25日・渋谷公会堂でのライヴは、デビュー2年目の大ブレイクの瞬間をとらえたステージとして、ファンの間では今も語り継がれている。昨年7月にはその“伝説ライヴ”を収録したDVD『REBECCA LIVE ’85-’86 -Maybe Tomorrow & Secret Gig Complete Edition』として発売され、ロングセールスを記録中だ。

今回の上映は、既発DVDと同じくリマスター内容ながらも『1985.12.25 REBECCA WORLD CONCERT TOUR Maybe Tomorrow in 渋谷公会堂』として蘇り、ダイナミックな音圧、ライヴ級の大音量、迫力の大画面で、33年前の感動パフォーマンスの一夜の追体験が実現した。そんなプレミア上映前には、レベッカのリーダーの土橋安騎夫(キーボード)と小田原豊(ドラムス)が登壇しスペシャル・フリートークも行われた。otonanoラジオ『伊藤銀次のPOP FILE RETURNS』アシスタントDJも務めるRIOに導かれメンバーが登壇。大きな拍手に包まれてふたりが着席した。

RIO「今日上映する映像の日のことはよく覚えていますか?」

土橋「正直あまりおぼえてないんですね(笑)。この当時、特に’85年、’86年頃のライヴ映像は発売当時に観たっきりで、そのあとにもういちど観直すってこともしなかったですからね。だからこの映像も、何十年も観ていなくて、去年(DVD発売の際に)久々に観たら、あ~最後に演奏したのは<瞳を閉じて>だったんだぁと」

小田原「当時はホントに無我夢中だったんですよ。曲を作って、レコーディングして、雑誌の取材を受けて、ライヴをする繰り返しで寝る暇もほとんどなかったわけです。運よく寝れても2時間くらいかな。とにかく忙しかったんですよ。だからこれから観る渋谷公会堂で履いてるズボンと(DVD2枚目の)早稲田ライヴのズボンは一緒だと思いますよ。買いに行く暇がなかった(笑)。あれよあれよいう間にライヴハウスからホールでしたからね」

RIO「本編のライヴMCでもNOKKOさんが4枚目のこのCDが売れなかったらどうしよう的なことも言ってますもんね」

土橋「ちなみにCDじゃなくて、まだレコードですよね(笑)。当時はレコード会社(CBS・ソニー)のレーベル・カラーというんでしょうか、6曲入りのミニ・アルバムを発売するのが売りだったはずなのに3枚目が売れたもんだから“よし今度はフル・アルバムにしましょう“って、おいおいレーベルの特色はどうしたの?みたいな(笑)」

(会場笑)

小田原「土橋さん、短期間で曲を倍も作らなくちゃならなくなったプレッシャーはなかった?」

土橋「ツアーの合間に頑張りましたよ。家でもコツコツと(笑)」

(会場笑)

上映終演後には会場に訪れた観客の声を聞いた。家で既発DVDをゆっくり楽しむことが出来たはずなのに、わざわざ会場まで足を運んだその理由を聴きたくて。そこにはファンそれぞれのレベッカに対する想いがあふれていた。

「あ、DVD持ってますよ! 去年秋のバルト9でのプレミア上映も行きましたぁー。スクリーンの映像はやっぱり映画館の方が良かったと思います。でも音は今日のほうが全然良かった! すごい迫力。小田原さんのドラムがズシズシ響いて気持ちよかったです」(47歳・女性)

「いちばんビックリしたのはNOKKOの歌声と、当時の男性ファンの多さと歓声(笑)。<フレンズ>以降、このあとに女性ファンが急増したんですよね。そういう意味でも貴重なライヴ映像だと思います。迷っていたんですけどやっぱりDVD買います!」(45歳・女性)

「僕はこの日の渋谷公会堂にいるんです。画面には映っていないんですけど、後ろから出てきたサンタクロースにもタッチしましたから。そのことを自慢したくて妻を連れて来ました」。(奥様いかがでしたか?)感動しました。夫が言う以上に良かったと思います。(横見ながらニッコリ)DVDを買って」(50歳・男/48歳・女性)

「前回の佐野元春の『THE BARN』プレミア上映会を観て感動したので、今日はレベッカも来ました。NOKKOのヴォーカル処理が良かったと思います。実際のライヴでも彼女の歌声は圧倒的な存在感なのに、きちんとバンドの演奏の中を泳いでいる感じが好きなんですと。そのことをPAスタッフがよく理解されているように感じました。生意気でスミマセンが」(53歳・男性)

「2回目のアンコールの<フレンズ>は家でもDVDで泣いて、今日またここで大泣きして(笑)。なんでしょう? やっぱりあの時代を一緒に過ごしたと思うファンの方とこうやって同じ時間をまた共有するのがいいんですかね。ちょっと照れくさい気持ちもあるけど」(49歳・女性)

「土橋さんと小田原さんのフリートークが目的で来たので、正直あと倍は話を聞きたかったです。あの登壇後におふたりもどこかで一緒に観ていたかどうか気になります。観ていたんですか?」(52歳・女性)

「上映したDVDは持っています。どっちかというとライヴ体験をしたくてZeppに来ました。客席から観るレベッカは最高でした。来てよかったです。110107eigaって言うんでしたっけ? 今度はPOISON TOURを上映してください! レベッカの全盛期はこの次のツアーですよ」(51歳・女性)

取材・文/安川達也(otonano編集部)
写真/福田倫美、佐々木理趣(otonano編集部)


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