●LIVEレポート『伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019』

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    6月11日、夜7時10分、TOKYO DOME CITY HALL。2500人満員。ほど良い緊張感が漂う会場の客電が落ち、ステージ前方に用意されたカーテン・スクリーンに文字映像が投影される。
「1978 4月 キャンディーズ解散 後楽園」
「2018 初夏 アルバム制作」
「2019 5月 『My Bouquet』完成』
「2019 6.11 東京ドームシティ」
    歓声と拍手。今夜、目の前で行われるコンサートの意味をあらためて再確認する観客たち。カーテンの幕が上がる。客席から起こるさらに大きな拍手と、バンド・メンバーの優しい演奏に包まれるように白いワンピースでステージ中央に立つ伊藤蘭。『伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019』は、ソロ・デビュー・アルバム『My Bouquet』から、爽やかなミディアム・テンポなナンバー「walking in the cherry」でスタートした。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    早くも飛び出した「ランちゃ~ん」コールと「お帰りなさい」の声援に少しホッとした様子。最初のMCでは「はい。もちろん緊張しています(笑)。あまり私ばかりを観ないで、バンドの演奏やステージも観てくださいね」と笑いを誘い、会場の緊張をほぐしていく。左右にバルコニーがあるステージセットも郷愁感を誘うようだ。

    表情豊かなアルバム『My Bouquet』から「恋とカフェインとスイーツと猫舌」「LALA TIME」と珠玉ナンバーの演奏が続く。キーボード、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、サックス、トランペット、トロンボーン、コーラス×2という豪華な編成だ。聴き慣れない曲でも一緒に歌えるようにとステージ後方スクリーンには歌詞が映し出されている。長く応援してくれるファンを気遣う伊藤蘭らしい演出のひとつだ。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    トータス松本が作詞作曲した「ああ私ったら!」では黒のシースルーと赤インナーのセクシー衣装にチェンジ。「ミモザのときめき」は軽やかにリズムを取る伊藤蘭と客席が心地よくスウィングした。「Wink Wink」では一緒に口ずさむ客席も多くステージの伊藤蘭も最高の笑顔で歓声に応えて会場をひとつにしていく。左右にダンサーをしたがえる伊藤蘭。「ランちゃんはやはりセンター位置が似合う」と確信したのは筆者だけだろうか。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    ベージュのパンツルックに衣装チェンジした中盤。曲目紹介で悲鳴に近い歓声とどよめきが起こったのはキャンディーズ・セルフ・カヴァーだった。伊藤蘭自身が20代前半で作詞した「恋がひとつ」「アンティック・ドール」。後者はキャンディーズのラスト・アルバム『早春譜』に収録され“ファイナルカーニバル“では人形を抱きながら披露され、最後の最後に強烈なインパクトを残した楽曲だった。41年前に5万人が涙した伝説の会場は、TOKYO DOME CITY HALLの目と鼻の先にあった後楽園球場だった。あちらこちらから飛び出す野太い「ランちゃ~ん」コールに、「わかってますよ」と諭すような優しい表情で客席を見渡す伊藤蘭。この日、最初の感動タイムスリップはすでに高揚感に包まれていた。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    ミュージカル仕立てにアンブレラを差して登場したのは「Let's・微・smilin’」。キャンディーズのラスト・シングル「微笑がえし」を手がけた作詞:阿木燿子&作曲:宇崎竜童コンビが提供したスウィング・ジャズ・スタイルのナンバーを軽快なステップで刻む。「マグノリアの白い花」でスロー・テンポに合わせてダンスを魅せたのはTRFのETSUとCHIHARUだった。本曲の編曲者でステージ音楽監督でもある佐藤準の叙情的なピアノに寄り添う伊藤蘭の穏やかな歌唱と非凡なダンスパフォーマンスには、惜しみない拍手が止まない。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    終盤、ステージ中央に置かれた椅子に腰掛けスポットライトに照らされながら41年ぶりのソロ活動に至った経緯を想起させる「3つの鍵」を朗読。その直後、ステージの照明が明るくなると黒いレザージャケット+パンツのキュートな伊藤蘭が腰に手を当ててニッコリ。聴こえてきたイントロは「春一番」。ステージ前方席では立ち上がる観客(12日同会場、14日大阪公演は総立ち)。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    野太い「ランちゃ~ん」コールに、伊藤蘭はこの日最高の微笑がえし。「その気にさせないで」「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」とキャンディーズのヒットシングルが次々と飛び出し、大合唱と大歓声でボルテージは最高潮を迎え会場には見事な一体感が生まれていた。「だって僕らは何年たってもアナタの年下の男の子だから」。そんな声も聞こえてきたような気がした。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    この夜、伊藤蘭の歌声がいちばん会場に響いたのは、彼女の自身の作詞曲による最新曲「女なら」だった。現役アーティスト・伊藤蘭の復活 ―― この日ために練習を重ねたバンドとの見事なアンサンブルはやはり特筆に値する。
「今日、直接皆さんの顔を見ることができて、こんなに楽しいすてきなことができて、幸せを感じています。次回があれば歌もダンスもブラッシュアップしたい。お互い、年を重ねてまいりましたが、いつも元気で、明るい気持ちでいることを心がければ、またいつか会えますね」。

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

    そしてアンコールはアルバム『My Bouquet』のなかでも早くも人気曲となった「あかり」だった。優しい歌声に会場の空気がかすかに震え、その震えが身体を伝わりメモを取る筆者の指に伝わってきたとき、このステージをもっともっと観たいと心から思わせてくれた。
『伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019』は、6月12日のTOKYO DOME CITY HALL(2日目)、14日、NHK大阪ホールでは総立ちとなり、大盛況のうちに幕を閉じている。

写真:柴田恵理、樋口隆宏(TOKYOTRAIN)/文・安川達也(otonano編集部)

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

SET LIST

① walking in the cherry ★
② 恋とカフェインとスイーツと猫舌 ★
③ LALA TIME ★
④ ああ私ったら! ★
⑤ 秘密 ★
⑥ ミモザのときめき ★
⑦ Wink Wink ★
⑧ 恋がひとつ ☆
⑨ アンティック・ドール ☆
⑩ Let's・微・smilin’ ★
⑪ マグノリアの白い花 ★
⑫ 春一番 ☆
⑬ その気にさせないで ☆
⑭ ハートのエースが出てこない ☆
⑮ 年下の男の子 ☆
⑯ 女なら ★
⑰ あかり ★(アンコール)

  

★『My Bouquet』収録曲 ☆キャンディーズCover

歌:伊藤蘭
音楽監督・キーボード:佐藤準
ギター:江渡大悟
ベース:笹井BJ克彦
ドラムス:福長雅夫
パーカッション:notch
サックス:庵原良司
トランペット:鈴木正則
トロンボーン:鹿討奏
コーラス:渡部沙智子・高柳千野
振付/出演:ETSU・CHIHARU from TRF
ダンサー:Anna、Nana

伊藤 蘭 「伊藤蘭 ファースト・ソロ・コンサート2019」コンサート風景

My Bouquet

品番:MHCL 30600 / 定価:¥3,000円+税

高品質Blu-spec CD2仕様(通常のCDプレーヤーでお聴きいただけます。)

初回仕様限定盤:三方背ケース&ミニ・フォトブック封入

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