Hawaii Aloha ~ Hawaiian Music Essentials(ハワイ・アロハ(愛するハワイ)~ハワイアン・ミュージック・エッセンシャル)

『ハワイ・アロハ(愛するハワイ)
~ハワイアン・ミュージック・エッセンシャル』
選曲・監修・楽曲解説執筆者

インタビュー
おもたにせいじ


── 『ハワイ・アロハ(愛するハワイ)~ハワイアン・ミュージック・エッセンシャル』、聴かせていただきましたが、とても充実したコンピレーションですね。

ありがとうございます。僕自身、選曲していてすごく楽しかったですし。日本でハワイ音楽の普及にたずさわってきた人間としてあらためて学んだり、その魅力を再認識できた部分がたくさんありました。

── CD5枚組、130曲というボリュームにも圧倒されますが、ボックスを通して聴くと、ハワイ音楽の多様性や重層性が俯瞰できたりもする。快適なだけでなく、そういった面白さも感じました。

まさに! ハワイアンというと一般的には「フラ・ソング」のイメージが強いけれど、その内実はほんとうに幅広いし、豊かなんです。たとえば、ハワイの人たちが昔から楽しみとして踊ってきたプリミティブな形もあれば、そこに西欧音楽の影響が加わって生まれた20世紀以降のスタイルもある。

── “ハパ・ハオレ・ソング”というジャンルですね。今回、ボックスセットに封入されたブックレットの解説で、はじめて知りました。

ハワイの言葉でハパ”は半分、“ハオレ”は白人。“ハパ・ハオレ”というのは“白人風”くらいのニュアンスで、要は19世紀に入って発展した、その当時の最新ハワイアン・ソングです。1800年代に入るとヨーロッパやアメリカから白人が移住してきて、音楽的な混血も進みました。今、多くの人がハワイ音楽と聞いて思い浮かべる名曲は、このハパ・ハオレ・ソングじゃないかと思います。

── つまりハワイアンというジャンルは、実際にはいろんなジャンルの音楽の影響を受けながら発展してきたと。

そうなんです。ミュージシャンの志向性や曲が作られた年代によっても違いますし。もっと言えば、ハワイ音楽の成り立ち自体がそうなんですよ。

── どういうことでしょう?

西欧と出会う前、ハワイの音楽にはメロディの概念が希薄だったんですね。チャント(詠唱)というか、日本でいう祝詞(のりと)みたいなお祈りが主体でした。ところが19世紀になるとポルトガルの移民が入ってきて、彼らがブラギーニャという小型の4弦楽器を持ち込んだ。それをコア(ハワイ諸島に分布するアカシア属の木)の材木で模倣したのがウクレレで、それによってハワイの音楽に今のようなメロディが付くようになった。

おもたにせいじ

── ええ、そんな歴史があったんですね。19世紀後半から20世紀初頭に日系移民が持ち込んだ和服がアロハシャツになったという逸話を思い出しました。

たしかに、似てますよね。太平洋の真ん中にある島なので、おそらく昔からいろんな東西文化の交差点になってきたんじゃないかなと。ほかにも“スラック・キー・ギター“というハワイ独特のチューニングがあるでしょう。

── はい。ゆったりとレイドバックした音色が特徴的な。

そうです。あれはもともと、アメリカのカウボーイと関係があるんですよ。1800年代のハワイ島に、献上された牛が増えすぎてしまった時期があった。そこで当時はまだメキシコ領だったカリフォルニアから牛飼いたちが呼ばれて、彼らが娯楽としてギターを持ち込みます。で、仕事が終わって故郷に戻る際に、それを放置して帰っちゃった人がけっこういたらしいんですね。

── ははは、なるほど。ギターだけが残された。

そう。でもハワイの人たちはチューニング方法がわからなかったので、弦を緩めたまま適当に弾いて楽しむようになった。“スラック“というのは“緩める“という意味で、ハワイ独特の奏法として発展し、現代まで続いている。ちなみにスラック・キー・ギターでもっともよく使われるコードは“オープンG“でハワイでは”タロパッチ“と呼びます。これはアメリカ南部のディープなブルースなんかでも多用されるチューニングと同じなんですね。でも、出てくる音はびっくりするくらい違う(笑)。

おもたにせいじ

── 本当ですね。ギター自体は基本的に変わらないのに。

不思議ですよね。ぼくはもともとロック畑のギタリストで、ブルースやアメリカのルーツ音楽をよく聴いていました。そして20代の頃、ライ・クーダーの『チキン・スキン・ミュージック』(1976年)というアルバムではじめてスラック・キー・ギターと出会った。同じオープンGなのに、こんなにも雰囲気の違うギター・ミュージックが存在することに驚いて、それがハワイ音楽にのめり込む一つのきっかけになりました。ほかにも『ビッグ・ウェンズデー』(1978年)というサーフィン映画とか、YMOの細野晴臣さん経由で出会ったマーティン・デニーのエキゾチック・サウンドとか、いくつか重要な出会いがあるんですが……。まあ僕自身の話は置いておくとして(笑)。

── 今回の5枚組ボックスでは、それぞれジャンルをわけてコンパイルされているのもミソですね。最初にお話ししたように、ステレオタイプな「フラ・ソング」のイメージには止まらない多様性が伝わってきます。

今回、選曲・監修のオファーをいただいたとき、真っ先に考えたのがそのことでした。ディスク1と2は『メレ・フラ&パパ・ハオレ・ソングス』。ディスク3は『イージーリスニング』。ディスク4は『スラック・キー・ギター&ウクレレ』。そしてディスク5は『ポップス・イン・ハワイ』。ただ漫然と有名曲を並べるのではなく、ジャンルを切って整理してみることで、また違った風景が見えてくるのかなと。もちろん大前提として、ソニーミュージックの持っているカタログが、それだけ豊富だったことも大きい。こんな貴重な音源の数々を、ただ並べるだけじゃもったいない! そう思いましたので。

── 専門家であるおもたにさんからご覧になっても、ソニーミュージックのハワイアン音源というのはそんなに充実しているんですか?

はっきり言って、宝の山でした(笑)。収録したのは130曲ですが、トータル600曲くらい聴いたんじゃないかな。

── そんなにも!

僕自身がアナログ盤で買って持っていたレコードもありますが、今回はじめて聴けたヴィンテージ盤や、歴史的な名演も少なくなかった。ちなみに、これは裏話ですが、2008年にソニーミュージックと合併したBMGジャパンにも、実はハワイ関連の貴重な音源がそろっていたんです。たとえばエルヴィス・プレスリーが歌う「ブルー・ハワイ」「ロカ・フラ・ベイビー」みたいなポップスや、映画『南太平洋』(1958年)のオリジナル・サウンドトラックとか。

おもたにせいじ

── ああ、なるほど。コンピレーションを編むにあたって、そういう切り口の面白さもあったわけですね。

はい。そうやってヴィンテージな録音から比較的モダンな演奏までを組み合わせることで、いわば横方向の広がりに加えて、過去から現在、未来へと続く時間的な繋がりも表現できるんじゃないかなと。それも一つ、今回のボックスの狙いになっています。もちろん、ディスク1から体系的に聴かなきゃいけないということは、まったくないんですけどね(笑)。

── むしろその逆の印象が強いですね。どのディスクから聴きはじめても、テイストこそ違えど、ハワイの魅力がしっかりと詰まっている。

そうなんです。ジャンルは違っても、ハワイ音楽に特有のゆったりした時間の流れみたいなものは、やはり共通していますから。それはきっとハワイという島の気候だったり、人びとの気質と密接に関わっているんだと思う。そういう緩やかな空気感を再現するためにも、選曲はもちろん、曲の並べ方にもかなり気を使いました。完成まで半年くらい、毎朝何度も聴いて何度もやり直して(笑)。

── 単純な年代順ではなくて?

このボックスを買ってくださった人のなかには、普段の暮らしのなかで何かをしながら快適なハワイ音楽を楽しみたいという人が多いと思うんですね。ですから今回、全体を4つのジャンルで分けましたが、曲の並びはあえて年代順やアルファベット順にはこだわらず。むしろ1枚のアルバムとしての緩急や起承転結を重視しています。たとえば最初は軽快なナンバーから入り、中盤はゆっくり聴かせつつ後半は再び盛り上がって、最後はそのアルバムを象徴するようなナンバーで締める、みたいなね。

── そういうストーリー性みたいなものは、たしかに感じました。

ですから、「今夜はちょっと疲れたから、スラック・キー・ギターとウクレレでリラックスしよう」とか、「今日はメレ・フラのディスクを聴きながら、踊るようにお掃除しよう」とかね(笑)。気分に合わせて選んでもらえると嬉しいですね。

おもたにせいじ

── 5枚組だからこそ表現できるハワイ音楽の豊かな魅力は、実際にボックスセットで体感していただくとして……。せっかくの機会なので、各ディスクの聴きどころの少しだけ教えていただけますか。

もちろん、喜んで(笑)。

── まずはディスク1&2の「メレ・フラ&ハパ・ハオレ・ソングス」から。

ハワイの言葉で“メレ”は歌、“フラ”は踊る。つまり“メレ・フラ”というのは、踊りを伴った歌の総称です。そこに西洋音楽的な要素もミックスして生まれたのが、先ほどお話しした“ハパ・ハオレ・ソング”。この二つには、はっきりしたジャンル的区分けはありません。ですからディスク1と2はざっくり、「ハワイの音楽を起源にもつ歌もの全般」くらいのイメージでしょうか。実は1997年にBMGジャパンから、カレイナニ早川(早川和子)さんが監修された『ヴィンテージ・ハワイアン・トレジャーズ』という6枚組の素晴らしいコンピレーションが出ていまして。

── 映画『フラガール』(2006年)の松雪泰子さんが演じた主人公のモデルになった、日本におけるフラダンスの草分け的な方ですね。

はい。残念ながら現在は廃盤になっていますが、今回はその『ヴィンテージ・ハワイアン・トレジャーズ』にも収められていたフラ・ソングのスタンダードを押さえつつ、よりマニアックな音源も混ぜてみました。個人的に嬉しかったのは、レイ・キニーが司会する「珊瑚礁の彼方に」のライヴ音源を収録できたこと。

『LUAU AT WAIKIKI』レイ・キニー(司会)
ハロルド・ハクオレ&ヴィレジャーズ
『LUAU AT WAIKIKI』
「珊瑚礁の彼方に」(Disc1-④)ほかDisc1-⑩⑭㉑㉖に収録

── 導入のMCから、すごくリラックスした雰囲気ですね。

ルアウ・パーティーといって、ワイキキのホテルでしょっちゅう開かれる観光客向けのディナーショーがあるんです。みんなで豚の丸焼きを食べたりするやつ。その模様をまるごと録音した1964年のアナログレコード『LUAU AT WAIKIKI』から選んだんですけど、何しろサウンドが素敵でしょう。本ボックスで初CD化です。

── 昨今のデジタル録音とは違う、懐かしい響きが印象的でした。

そう! アナログ機材特有の温かみがあって、古き良きワイキキの雰囲気がよく伝わってきます。レイ・キニーは、1900年にハワイ島のヒロというところで生まれて、歌手、作曲家、バンドリーダー、司会から映画俳優まで幅広く活躍した人でした。この演奏の初CD化は、かなり貴重だと思います。あと、あらためてすごいと思ったのはレナ・マシャード。

『ソングバード・オブ・ハワイ』レナ・マシャード
『ソングバード・オブ・ハワイ』
「ェ・クウ・レイ・マイ・ダーリン」(Disc1-⑥)ほか、Disc1-㉒㉗、Disc2-⑥⑬⑱㉕収録
Sony Music Shop

── ディスク1と2に、計7曲も収録されています。

彼女は1903年生まれ。“ソングバード・オブ・ハワイ”と呼ばれた偉大な歌い手で、女性で初めてファルセット唱法を用い、後の世代のシンガー達に絶大な影響を与えました。今では信じられないけれど、当時、ファルセットというのは男だけのものだったんですよ。

── へええ、それはまた意外な。

しかも彼女の場合、声の高低差っていうのかな。ハイトーンからふっと音域を落とすときの声の裏返り方が、いま聴いてもセクシーなんですね(笑)。レナのような古い音源に出会えたのも、個人的にはとても大きな収穫でした。

── ディスク3は『イージーリスニング』。こちらはスティール・ギターやオーケストラなどがエキゾチックなメロディを奏でる、いわゆるインストゥルメンタル・ミュージック集ですね。

ディスク1と2をハワイ・オリジナルの歌ものとするなら、こちらはヘンリー・マンシーニ楽団やヒル・ボウエン楽団、ゴードン・ジェンキンズ楽団といった非ハワイのミュージシャンたちが奏でるハワイ音楽。楽園への憧れを掻き立てる夢見心地のサウンド、と言ってもいいかもしれませんね。

── いわば外部からの視線によって作られたハワイ、ですね。よく聴くと、ジャズ的なアレンジもけっこう入っていたり……。

洗練されてますよね。僕もそうですが、ロックやワールド・ミュージック好きって、ヘンリー・マンシーニのような商業音楽はどこか斜に見ている……もっとはっきり言えばまともに聴かないでしょう(笑)。でも実際聴いてみると、その時代のトレンドも巧みに採り入れて、アレンジも素晴らしく非常にプロフェッショナルに構築されています。

── うん、たしかに。

これも新しい発見でした。もちろん、純粋なハワイ音楽ではないという見方もできる。でも実際は、こういったイージーリスニングが一世を風靡したことで、ハワイアンが世界に広まったという側面も大きいんですよ。

── なるほど。ほかに、個人的な“推し曲”はありますか?

チェット・アトキンスとレス・ポール。ぼくが尊敬する二大ギタリストの楽曲ですかね。選曲のオファーをいただいたとき、これだけは実現したいと思いましたので(笑)。

『ラヴァーズ・ルーアウ』レス・ポール&メリー・フォード
『ラヴァーズ・ルーアウ』
「ハワイのわらぶき小屋」(Disc3-⑳)「ワイキキの浜辺で」(Disc3-㉑)収録
Sony Music Shop

── どちらもジャズ、カントリー、ブルースの印象が強いギタリストですね。

彼らの弾くハワイアンというのも、なかなか面白いでしょう。あとはジョニー・ココという、アルゼンチン生まれハワイ育ちのギタリスト。この人はマーティン・デニーに通じるようなエキゾチックなサウンドとジャズサウンドの融合というか組み立て方がうまい。あと、50〜60年代の録音はどれも本当に音がいいですね。音の解像度や分離性はさほど高くないかわりに、スタジオのアンビエント(空気感)がしっかり録られています。

── 今に比べてマイクの数もトラック数も少なかったですしね。ディスク4は『スラック・キー・ギター&ウクレレ』。こちらはヴィンテージから一転し、モダンな演奏が印象に残りました。

これも基本的にはインストゥルメンタル中心ですが、スラック・キー・ギターとウクレレという楽器にフォーカスし、よりハワイ・オリジナルのスタイルを意識した楽曲を集めています。ジェイク・シマブクロのオリジナル曲もそうですし、ディスク3にも収録したチェット・アトキンスの別の曲も入れています。ただしディスク3のような折衷的スタイルではなく、もっとストレートなスラック・キーで演奏したナンバーを選びました。具体的には伝説のギタリスト、ギャビー・パヒヌイに捧げた「プウアナフル(リメンバリング・ギャビー)」という楽曲なんですけれど。ライ・クーダーが1970年代にいち早くハワイアンに目をつけたと思っていましたが、同時期にスラック・キー・ギターを弾いているチェットはさすがですね。

── 穏やかな波のような曲ですね。チェット・アトキンスのまた違った側面が楽しめました。ちなみにディスク4では、おもたにさんご自身の演奏も収録されています。

同じディスクでチェットやレス・ポールと並ぶのはちょっと畏れおおい気もしたんですが(笑)。ジブリ映画の音楽をスラック・キー・ギターのアンサンブルで演奏したものなど、いくつか入れさせていただきました。あと、僕がやっているエコモマイというバンドの「デイドリーム・ビリーヴァー」は廃盤になっていて、ここでしか聴けません。これも自分では気に入っている演奏です。

『スタジオジブリ作品集~スラック・キー・ギターで弾くスタジオジブリの世界』おもたにせいじ スラック・キー・ギター・アンサンブル
『スタジオジブリ作品集~スラック・キー・ギターで弾くスタジオジブリの世界』
「やさしさに包まれたなら」~映画『魔女の宅急便』より(Disc4-⑱)ほか、Disc4-⑲⑳㉑㉒収録
Sony Music Shop

── 日本のハワイ音楽ファンには嬉しいプレゼントですね。
さて、ラストのディスク5は『ポップス・イン・ハワイ』。これもユニークな切り口で……。

ここではエルヴィス・プレスリーの「ブルー・ハワイ」、アンディ・ウィリアムスの「珊瑚礁の彼方に」、ペリー・コモの「ハワイアン・ウェディング・ソング」から、日本のサンディーさんがフラのアレンジで歌う「カ・ノホナ・ピリ・カイ(涙そうそう)」まで、ポップス畑のミュージシャンがハワイに想いを寄せて歌った曲を集めてみました。あとは映画『南太平洋』の挿入歌やとかハワイ人ミュージシャン、セシリオ&カポノ、そして若い頃によく聴いていたロギンス&メッシーナなどによるポップスも何曲か……。これまでに出たハワイ関連のコンピレーションで、たぶんこういう切り口のものはなかった気がします。

『ブルー・ハワイ』エルヴィス・プレスリー
『ブルー・ハワイ』
「ブルー・ハワイ」(Disc5-④)「ロカ・フラ・ベイビー」(Disc5-⑤)収録
Sony Music Shop

── 変わったところでは、人気カントリー歌手ウィリー・ネルソンの歌う「港の灯」なども興味深かったです。

もろカントリー風味で、ハワイっぽくないところが彼らしいでしょう(笑)。ブックレットの解説にも書きましたが、「港の灯」は1937年にジミー・ケネディとヒュー・ウイリアムスというイギリス人コンビが作った曲で、その3年後にはジョン・フォード監督の映画『果てなき船路』の主題歌になっています。スティール・ギターで演奏されることが多いので、ハワイアンのスタンダードだと思い込んでいる人も多く、実はぼくもその一人だったんですが……今回ちゃんと調べてみたら違いました。

おもたにせいじ『ハワイ・アロハ(愛するハワイ)~ハワイアン・ミュージック・エッセンシャル』ブックレットより

── それで思い出しましたが、今回のCDボックスは、付属のブックレットも素晴らしかったです。特におもたにさんが執筆された楽曲解説は、その曲がいつ誰によって作られ、ハワイアンの歴史においてどんな意味を持っているのかがコンパクトに押さえられていて。読んでいて非常に面白かった。

全130曲、いろいろな資料を調べまくって何とか書き上げました(笑)。古い録音になるとデータが残ってなかったり、曲の由来に諸説あったりして悩んだところも多かったのですが……。自分の経験からいっても、ライナーノーツの役割ってやっぱり大きいと思うんです。ディスクを聴きながら曲の概略がわかるだけで、想像力はぐっと広がるので。がんばって書きました。

『ブルー・ハワイ』高木ブー 『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』
「ピジン・イングリッシュ・フラ」(Disc5-㉔)「エ・ママ・エ」(Disc5-㉕)収録
Sony Music Shop

── ディスク5の最後を飾るのは、ドリフターズの高木ブーさんがウクレレを弾きながら歌う「エ・ママ・エ」です。

ソニー・ミュージックダイレクトさんから高木ブーさんに出来上がった商品を送ったところ、「エルヴィスと同じCDに入れてもらえるなんて光栄だ」とブーさんからコメントをいただいたと聞き、僕も選曲者としてとても嬉しかったです。今回の『ハワイ・アロハ(愛するハワイ)~ハワイアン・ミュージック・エッセンシャル』ではソニーミュージックが誇るハワイアンの音源から、貴重な楽曲を選りすぐって集めることができました。決して大げさではなく、日本のリスナーだけでなく世界中のハワイ音楽愛好家に向けて発信できる内容だと自負しています。ぜひ楽しんでいただけると嬉しいですね。

インタビュー・文/大谷隆之
写真/安川達也(otonano編集部)

おもたにせいじ

おもたにせいじ

ギタリストとして、長渕剛、高橋真梨子など多くのミュージシャンのレコーディング、ツアーに参加。1998年ウクレレ普及を目的に、渋谷でウクレレ教室「トイズミュージックスクール」を設立。ウクレレ、ハワイ文化の普及にエネルギーを注ぐ。ウクレレイベントなどのプロデュースのほか、現在はロッキンハワイアンバンド「エコモマイ」のリーダー、スラック・キー・ギターデュオ「イメージ・オブ・ハワイ」としても活動中。トイズミュージックスクールはこちら

Hawaii Aloha ~ Hawaiian Music Essentials(ハワイ・アロハ(愛するハワイ)~ハワイアン・ミュージック・エッセンシャル)

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■発売日:2018年7月14日 / ■価格:¥9,250+税

■品番:DYCP 3453~7

■仕様:CD5枚組(全130曲)、Blu-spec CD2 、STEREO/MONO、別冊ブックレット付き【歌詞+対訳+解説付き/全112ページ】

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