YMO40 YELLOW MAGIC ORCHESTRA ALFA YEARS ALBUMS REISSUE #1 2018-11-28 OUT

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YMO40 “TALK ABOUT YMO” #1 
小山田圭吾 × 砂原良徳

CORNELIUS  www.cornelius-sound.com

YOSHINORI SUNAHARA  ysst.info

『ノイエ・タンツ』発売記念スペシャル対談

テイ・トウワ × 五木田智央(前編)

今回の企画の首謀者であるテイ・トウワと、アートワークを担当した画家・五木田智央による『ノイエ・タンツ』のライナー・ノーツ的対談。

「YMOのレコードありますか」

ニューヨークのレコ屋がキッカケです。

テイ そもそもの話をすると。僕は、5年くらい前から五木田君のおっかけをやろうと決めてそれをずっと実践しているんです。国内はもちろん、海外もおっかける。ロスで個展をやると聞けばロスへ行き、ニューヨークでやると聞けばニューヨークへ行き。軽井沢からはるばる行くわけです。

五木田 うれしいっす。ありがとうございます、いつも。

テイ もちろん、五木田君の作品が目的なんだけど、行った先々で一緒にレコード屋めぐりするのも楽しみで。

五木田 こないだもロスでめぐりましたもんね。

テイ そう。で、去年の秋、五木田君が久々に〈メアリー・ブーン・ギャラリー〉で個展をやるというので、ニューヨークへ行って。そのときに、五木田君おすすめのレコ屋へ行ったら、細野(晴臣)さんの曲がかかってた。外人さんの選曲による日本人コンピなんだけどこの曲なんだろう? と思っちゃった。知ってるはずなのに、違う並び、違うマスタリングで聴くと知らない曲に聴こえるじゃない。ああ、新鮮だなあと。それで、店員と細野さんの話をしていたら、YMOの話になって。「毎日、『YMOのレコードありますか?』って若い人が店にやってくるんですよ」と。

五木田 僕もレコ屋で聞かれたことがあります。「オマエ日本人か? イエロー・マジック・オーケストラのレコードは東京でも高いのか?」って。

テイ ニューヨークでね。

五木田 ニューヨークで、ですよ。

テイ そこでひらめいた。これだと。これが僕にできるYMO40周年企画だと。YMOを探しにくる若者たちのために、「YMOのレコードありますか?」「ハイ」と店員がすぐに出せるものをつくるべきだと。しかも、ベスト盤じゃなく、マスタリングも新たにやって、新しいアートワークで、「YMOを聴くならこれ。しかも新譜だから」といえるもの、中古レコード屋じゃなく、普通のレコード屋さんの棚にも入るレコードをつくりたいと。僕、この業界に30年ぐらいいるんですけど、自分からこういった企画を発信したことって実は全然なくて。受け身のマグロ体質なんで(笑)、今回の企画が唯一なのよ。僕が選曲して、五木田君がジャケットのアートワークを担当して、そうなると、マスタリングはカルトキング(砂原良徳=まりん)しかいないなあとか考えて(笑)。それで言ったの、細野さん、教授(坂本龍一)、(高橋)幸宏さんに。まずはプレゼンだと。断られたらはずかしいけど、勇気を出して聞こうと。3人が首をタテにふらなきゃダメじゃない。そうしたら、すぐにOKをくれて。そこから始まったんです。

「中国人のレコードください」

YMOとの出会いが音楽との出会いです。

テイ 五木田君がYMOと出会ったのは?

五木田 10歳でした。小4、小5のときですね。僕には、テイさんと同い年の兄がいるんですけど、兄貴が『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(79年)を買ってきたんです。僕はそれを聴いて、「わ、なんかゲームの音がするぞ!」って。そこからですよね。ガキだったんで、音楽的なすごさとか、3人のバックグラウンドがどうだとか、そういうことは一切何もわからないまま、コンピューターみたいな音で面白いなあと。

テイ 僕はあの頃、中2、中3で。町田のレコード屋さんで出会ったんですよ。模擬試験の帰りかなにかで、レコード屋さんの店頭で、赤い人民服の3人がタンス(ムーグのシンセサイザー)をバックに演奏する……

五木田 映像が流れてたんですよね。兄貴も言ってました。レコード屋に行ったら、ワールドツアーの映像が流れてたと。

テイ そう。当時、プロモーションで映像を流してたの、いろんなレコード屋で。海外で評判になったこういう人たちがいるよと。とにかく、ビジュアルのインパクトがすごくて、しばらく見とれて、チッチキチッチキ♪っていう「ライディーン」のリズムとメロディを覚えて、一旦家に帰って。それまで音楽に一切興味がなかったし、レコ屋にも入ったことがなかったけど、やっぱり気になるんで、こづかい持ってレコ屋に走って行って、「赤い中国人のレコードください」(笑)。

五木田 中国人だなと思いますよね(笑)。

テイ 「中国人のレコードはたぶんこれ」ってレコード屋さんが出してきたのが、五木田君のお兄さんも買った『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』。それを僕も買って、家に帰って、モジュラーステレオに乗せて両面聴いて。で、「ご飯よ〜」って言われてメシ食って。食いながら、「でもあれ、なんか早いなあ」とふと思って、食い終わって部屋にもどってみてみたら、ステレオが45回転だったという(笑)。

五木田 ガハハハハ(笑)。

テイ だって、それまで「贈る言葉」と「君の瞳は10000ボルト」しかタンテに乗ったことがなかったんだもん(笑)。

五木田 ドーナツ盤の歌謡曲(笑)。ホントに音楽に興味なかったんですね。

テイ なかった。だから、それからですよ。それで、ファースト(『イエロー・マジック・オーケストラ』78年)があるのを知ってすぐ買って。そっちはまさにインベーダー音が入ってたんで、「これを聴いてれば、ゲーセンで金を使わなくて済むわ」と。

五木田 ガハハハハ(笑)。

テイ 僕、ゲームをやるのが好きだったんじゃなくて、インベーダーの「ピシュンッピシュンッ」って音を聞きたくてゲーセンに通ってたんだなと気づいた。これを家で聴いてればいいじゃん、聴きながら勉強もできるし、一石二鳥じゃんと(笑)。だから、YMOとの出会いが音楽との出会いだったと言っていいくらいです、僕は。

YMOをキッカケに

多重録音にハマったんです。

テイ YMOを好きになると、「ライディーン」弾いたり「東風」弾いたり、そういったカバーに行く人が多いんだけど、僕は「シンセで音を作りたい」という方向へ行ったんです。高校に入るとすぐにコルグのシンセを買って。どちらかというと、いきなりヤン富田さんの世界に行っちゃったというか(笑)。風呂場でひとりピュンピュンいわせてピンポン録音して、「YMOが出してる“ピシュンッ”という音はどうすれば再現できるのか」とか、そういうことに熱心になったんで。

五木田 ちょうどそのとき、うちの兄貴もコルグのシンセを買って、TMRっていうソニーの多重録音機で宅録してました。

テイ 同じだ、五木田兄と。

五木田 テイさんは、それが高じて、教授の『サウンドストリート』(1981年〜86年までNHK FMで放送されていたラジオ番組)の「デモテープ特集」の常連になっていくんですもんね。僕、当時、ラジオで聴いてましたもん。「テイ・トウワって人、すげえなあ」って。

テイ 美大目指して浪人してたんで、ヒマだったんですよ(笑)。

五木田 ちなみに兄貴はその後、YMOのサポートプレイヤーだった渡辺香津美さんにハマって、超絶技巧系に目覚め、〈新宿ピット・イン〉に通いつめるようになりましたけど(笑)。

テイ いる。YMOを起点にそっちへ流れた人もたくさんいる。

五木田 で、僕は、中学1年の頃に、ローランドの小っちゃいリズムマシンを買って。兄貴に教えてもらいながら打ち込みをするようになって。僕、中学生のときから8ミリ映画を撮ってたんです。フィルムで。僕が監督をやって、友だちに演技をさせて、音楽を流しながらマイク一本で録音するっていう。だから、それ用のサウンドトラックを作ったりしてたんです。

テイ 五木田君はいまだに多重録音やってるもんね(笑)。

五木田 やってます、カセットで。どこにも発表してないんですけど(笑)、友だちとOLっていうノイズ系のバンドもやってるんです。

テイ まりんが勝手にマスタリングしたけどね(笑)。

五木田 僕だけが楽しんでたものだったけど、それをテイさんに渡したら、恐れ多くも砂原さんがマスタリングしてくれたという(笑)。

テイ だから、いつでも出せる状態ですよ。小山田(圭吾)君も「最高!」って言ってたもん。あ、そうだ、細野さんにも渡したよ。そしたら、細野さんがラジオでかけた(笑)。

五木田 そうだ! オレの曲、ラジオで流れたんですよ!!!! すんごい焦った(笑)。でも、「面白い!」って褒めてくださってめちゃくちゃうれしい。結局僕は、音楽もずっとやり続けているわけですから、最初に出会ったYMOのせいで、いまだに。

反抗期を経て

YMOの偉大さに気づきました。

テイ これは五木田君とも共通してるんだけど、途中でYMOから離れてる時期があるんだよね。

五木田 反抗期がありました。10代後半〜20代前半の頃ですかね。「YMOなんてダサいでしょう!」っていう(笑)。とはいえ、チェックは必ずしてるんです。3人それぞれの新譜が出れば必ず買って。ちゃんと聴いてるんだけど、あんまり人には言わずコソコソと(笑)。

テイ YMOおじさんあるある(笑)。

五木田 あはははは(笑)。

テイ 僕の反抗期はニューヨークへ行ってた頃かな。「黒人OR DIE」の時代だったから(笑)。

五木田 ニューヨークじゃ仕方ないですよ。テイさん、ジャングル・ブラザーズとかア・トライブ・コールド・クエストとかとマブダチで、ディー・ライト時代にはブーツィーと一緒にバンドやってるんですもん! 信じられないですよ! ブーツィー・コリンズですよ!

テイ もうね、あの頃は暗黒時代。パツパツでやってたから、写真1枚も撮ってないんだよね。いまブーツィーと一緒だったら写真撮りまくったと思うんだけど(笑)。

五木田 さっきの、YMOを起点にどこへいったかということでいえば、僕は、どんどんアバンギャルドな方向へ転んでいったんです。ディス・ヒートをキッカケにノイズミュージックにいっちゃって。でも、結局YMOにつながるんです。ミニマルもプリペアド・ピアノもジョン・ケージも。あ、こういうのって『テクノデリック』(81年)に入ってたじゃん! オレ、聴いてたじゃん! っていう。結局、つながっちゃう。

テイ めぐりめぐれば、ノイズも音響もミニマルも。究極にいえば、YMOってファンクだと思うんです。ファンクバンドとしての一面もあるし、そもそも「ファンク」って「引っかかる」ということだから。そういう意味では、YMOはひっかかりまくりというか。

五木田 しかも、この人たちは、演奏できちゃいますからね、ファンクを。

テイ できちゃう。でも、そうじゃないオリジナリティで、「僕たちはイエローだ」と。そこが「イエローマジック」なわけですよ。

クシャクシャになったチラシを

コンビニで拡大コピーしてみました。

五木田 だから、テイさんから今回の話をいただいたとき、ついにYMOの仕事がやってきたなと。うれしくて、兄貴にも自慢しちゃいました(笑)。

テイ 『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』をコラージュにしようと思ったのは最初から?

五木田 テイさんもそうだけど、僕も最初の出会いがこのアルバムだったし、ビジュアル的にも強力じゃないですか。これを絵にしたらどうなるのかなと。最初はもちろん、ペインティング、筆で描こうといろいろチャレンジしてみたんです。でも、どう描いても面白くならない。鋤田正義さんの写真が強すぎるんです。

テイ そうなんだよね。

五木田 じゃあ、もっと正確に描いてみようと。ちょうど、どこかでもらってきた、鋤田さんのドキュメンタリー映画(『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』2018年)のチラシが手元にあって、『ソリッド』のオリジナル写真がチラシに使われていたんで、ちょうどいいやと。これをコンビニのコピー機で拡大コピーして、それをきちんとトレースして描いてみるかと。そうしたら、倍率を間違えちゃって、ものすごくデカくなっちゃった(笑)。でもそうすると、網点の具合が非常にいい。僕は網点フェチで、グラフィックデザイナー時代は網点をよく使ってて。あれ、ちょっとまてよ、これを全部デカくして切り貼りしたらいいかもと。しかも、コピーしたチラシがポケットに入ってクシャクシャになったものだったんで、折り目や傷がついたままなのも妙に味わいがある。もしかしてカッコいいんじゃないかなあと。原画はすごく大きいものになったんですけど、それをテイさんに見せたら喜んでくれて。

テイ クシャクシャがヤバい。最高。しかもこの写真、ジャケットとは違うテイクなんだよね。

五木田 僕は全然気づかなかった。テイさんに指摘されて、あ、そうか!と。

テイ 教授の手の位置が違うの。ほぼ、あの前後のショットなんだよね。

…後編に続く

構成・文 辛島いづみ

TOWA TEI  www.towatei.com

TOMOO GOKITA  Short BIO
1969年東京生まれ。90年代後半に鉛筆、木炭やインクで紙に描いたドローイング作品で注目を集め、2000年に作品集「ランジェリー・レスリング」を出版。ニューヨークでの展覧会を皮切りに、これまで国内外で多数の個展を開催。近年は白と黒の色彩で描く人物画など、具体的なモチーフを見せつつも抽象的なペインティング作品を手がけている。2012年にDIC川村記念美術館の「抽象と形態:何処までも顕れないもの」展に参加し、2014年同館にて個展「THE GREAT CIRCUS」、2018年4月には東京オペラシティ アートギャラリーにて個展「PEEKABOO」を開催。『シャッフル鉄道唱歌』天然文庫刊(2010年)、『777』888ブックス刊(2015年)、『Holy Cow』タカ・イシイギャラリー(2017年)、『PEEKABOO』公益財団法人 東京オペラシティ文化財団(2018年)などの作品集、展覧会カタログを出版。2008、2012、2017年にタカ・イシイギャラリーにて個展を開催。現在東京を拠点に活動。

Born in 1969 in Tokyo. In the late 1990s, Gokita received acclaim for drawings made with charcoal and ink on paper. His first book Lingerie Wrestling was published in 2000. Starting with a show in New York in 2006, Gokita has exhibited his works in solo exhibitions internationally. In recent years, he has produced abstract paintings alongside figurative works made in black and white. In 2012, his work was included in “The Unseen Relationship: Form and Abstraction” held at Kawamura Memorial DIC Museum of Art. In 2014, his solo exhibition “THE GREAT CIRCUS” was held at the same. In April 2018, his solo exhibition “PEEKABOO” was held at Tokyo Opera City Art Gallery. His books and exhibition catalogues include Shuffle Tetsudō Shōka [shuffle railroad songs] (Tokyo: Tennen Bunko, 2010); 777 (Tokyo: 888 Books, 2015); Holy Cow (Tokyo: Taka Ishii Gallery, 2017); and PEEKABOO (Tokyo: Tokyo Opera City Cultural Foundation, 2018). He is currently based in Tokyo and has had solo exhibitions at Taka Ishii Gallery in 2008, 2012, and 2017.

『NEUE TANZ』Special Web CM 
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MINAMI KOIKE  KEYAKIZAKA 46 OFFICIAL WEB SITE

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Since 1978

L to R:
HARUOMI HOSONO
RYUICHI SAKAMOTO
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Original Photo ©Masayoshi Sukita