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第143回 萩原健太のotonanoラジオ#25

2020/03/24 公開

澤部渡(スカート)さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

澤部渡(スカート)さんをゲストに迎えて(その1)

1.

スカート

駆ける

シングル「駆ける/標識の影・鉄塔の影」2020年

澤部渡(スカート)さんをゲストに迎えて(その1)

2.

スカート

ランプトン

『20/20』2017年

澤部渡(スカート)さんをゲストに迎えて(その1)

3.

スカート

標識の影・鉄塔の影

シングル 「駆ける/標識の影・鉄塔の影」2020年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#25

『4分打ちシャッフル・ビートを採り入れたポップス』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. ペニー・レイン / ビートルズ

番組内でも触れた通り、ぼくはスカートの「ランプトン」が大好き。ということで「ランプトン」のような、“チャン・チャン・チャン・チャン”という4分打ちシャッフル・ビートを採り入れたポップスの名曲を今週は集めてみました。まずはその手の作品中、たぶんもっとも有名な1曲と思われるビートルズ1967年のこのナンバーから。
2. 98.6 / キース

名匠ジェリー・ロスがプロデュース、トニー・パワーズ&ジョージ・フィショフが作り、フィラデルフィア出身のポップ・シンガー、キースが歌った名曲。1966年にリリースされて、翌年全米7位まで上昇した。山下達郎を筆頭にこの曲に影響を受けた日本人アーティストも少なくない。ちなみにタイトルの“98.6”とは華氏で言うところの人間の平熱。
3. エレノア / タートルズ

タートルズといえば1967年のヒット「ハッピー・トゥゲザー」でおなじみだが、その続編とも言うべき1曲。1968年に全米6位にランクした。確かにリズム・パターンも曲調も同じで、二番煎じのように言われることも多い作品だが、音楽的な充実度はこちらのほうが上。このあたりもマニアにとって無視できない“ポップスあるある”か。
4. カドリー・トイ / モンキーズ

モンキーズが1967年、4枚目のアルバム『スター・コレクター(Pisces, Aquarius, Capricorn & Jones Ltd)』で取り上げた曲。当時、銀行員とソングライター、二足のワラジで活動していたハリー・ニルソンが作ったナンバーだ。日本では、かつて子供向けのテレビ番組『ひらけ!ポンキッキ』で使われていたことも。
5. うれしくないかい / ビーチ・ボーイズ

この種のリズム・パターンの創始者のひとりといえば、ビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか(Wouldn’t It Be Nice)」や「神のみぞ知る(God Only Knows)」を書いた中心メンバー、ブライアン・ウィルソンということになる。これも、そんなブライアン作のビーチ・ボーイズ・ナンバー。1967年のアルバム『ワイルド・ハニー』収録曲だ。
6. サンデー・マンデーズ / ヴァネッサ・パラディ

今回のセレクションはほとんどが1960年代後半の曲なのだけれど、これはそのあたりの感触を1990年代に再構築したもの。フランスのポップ・アイドル、ヴァネッサ・パラディがレニー・クラヴィッツをプロデューサーに迎えてリリースした1993年のヒット曲だ。フランス訛りの英語ヴォーカルがなんともキュート。
7. ザ・ドリフター / ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ

ソングライターとして多くのシンガーに名曲を提供してきたロジャー・ニコルズが、自らアーティストとして1968年にリリースしたアルバム『ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ』より。ハーパース・ビザールほか多くのアーティストが取り上げた名曲の自演ヴァージョンだ。
8. スウィート・トーキン・ガイ / シフォンズ

アメリカの1960年代ティーンエイジ・ポップスを代表するガール・グループのひとつ、シフォンズが1966年に放った全米10位のヒット。エリオット・グリーンバーグ&ダグ・モリス作。1970年代にも彼女たちの歌声でリヴァイヴァル・ヒットしたほか、マンハッタン・トランスファーのカヴァーなどでもおなじみの名曲だ。
9. チェリー・ヒル・パーク / ビリー・ジョー・ロイヤル

名匠バディ・ビュイーがプロデュース。ジョージア生まれのスワンプ・ポップ・シンガー、ビリー・ジョー・ロイヤルのヴォーカルで1969年、全米15位まで上昇したヒット曲だ。明らかにタートルズを意識した仕上がりながら、ビリー・ジョーの南部っぽい味が独特の魅力を放っている。
10. ビター・ハニー / ザ・ホーリー・マッケレル

スモール・サークル・オブ・フレンズとして前出のロジャー・ニコルズのソングライティング・パートナーとしてもおなじみ、ポール・ウィリアムスがソロのシンガー・ソングライターとしてデビューする前、1960年代に結成していたポップ・グループのシングル曲。1968年にリリースされた。
11. アイ・ホープ・シーズ・ゼア・トゥナイト / ディノ、デシ&ビリー

ディーン・マーティンの息子であるディノと、ルシール・ボールの息子であるデシと、ビーチ・ボーイズ人脈としても知られるビリーが1964年に結成したポップ・トリオによるナンバー。デヴィッド・リンデン&グレゴリー・デンプシー作。ジミー・ボウエンのプロデュースの下、1966年にシングル・リリースされた。
12. それぞれの悪路 / スカート

そして、ラストはスカートによるもう1曲の“チャン・チャン・チャン・チャン”もの。昨年リリースされたメジャーからのセカンド・アルバム『トワイライト』の収録曲だ。これもぼくは大好き。このリズムに弱いのだ…(笑)。

解説:萩原健太

澤部渡(スカート)さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第142回 萩原健太のotonanoラジオ#24

2020/03/17 公開

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大瀧詠一

さらばシベリア鉄道

『A LONG VACATION』1981年

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大瀧詠一

恋するふたり(Album ver.)

『Happy Ending』2020年

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

3.

ティン・パン・アレー

ソバカスのある少女

『キャラメルママ』1975年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#24

『ベスト・オブ・鈴木茂』

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1. LADY PINK PANTHER / 鈴木茂

今週のプレイリストはストレートに、ぼく萩原健太が今の気分で選ぶベスト・オブ・鈴木茂ということで。まずは先週も番組でお話しした通り、ぼくのイチ押しアルバム、1976年のソロ第2弾『LAGOON』のオープニング・ナンバーから。作曲・編曲は鈴木茂。作詞はもちろん松本隆。
2. 八月の匂い / 鈴木茂

1974年、単身渡米して現地の腕ききミュージシャンとともにレコーディングしたファースト・ソロ・アルバム『BAND WAGON』より。デヴィッド・ガリバルディ(ドラム)、ダグ・ローチ(ベース)、ビル・ペイン(ピアノ)にカービー・ジョンソン編曲によるホーン・セクションが加わった強力チューン。松本&鈴木作品。
3. はあどぼいるど町 / ティン・パン・アレー

鈴木茂、細野晴臣、林立夫、松任谷正隆の4人が結成したバンド、キャラメル・ママが、やがてバンドを超えた音楽家集団“ティン・パン・アレー”へと発展したあと、1975年に元のバンド名を冠したアルバムをリリースした…という、ややこしい1枚から(笑)。番組でかかった「ソバカスのある少女」とともに収録されていたもうひとつの松本&鈴木作品。
4. 氷雨月のスケッチ / はっぴいえんど

細野晴臣、松本隆、大滝詠一というかけがえのない音楽仲間とともに鈴木茂が結成していたバンド、はっぴいえんどが1973年にリリースしたラスト・アルバム『HAPPY END』より。ロサンゼルスのサンセット・サウンド・レコーダーズで、当時まだ珍しかった海外レコーディングされた1枚だった。もちろん松本&鈴木作品。
5. 明日あたりはきっと春 / ティン・パン・アレー

これも楽曲としては前曲同様、1973年のアルバム『HAPPY END』に収録されていた松本&鈴木作品。それを1977年、ティン・パン・アレー名義でのセカンド・アルバム『TIN PAN ALLEY 2』でインストゥルメンタル・ナンバーとして再演したヴァージョンだ。元キャラメル・ママの4人にパーカッションの斉藤ノブを加えた顔ぶれでの演奏。
6. ラハイナ・ガール / 鈴木茂

アダルト・コンテンポラリーな味わいを増した4作目のソロ・アルバム『TELESCOPE』に収められていた松本&鈴木作品。1978年リリース。
7. サンタモニカ・ラリー / 鈴木茂

1979年リリースのソロ・アルバム5作目『COSMOS’51』より。作曲は鈴木茂。作詞はコピーライターとしておなじみの中畑貴志が手がけている。ストリングス・アレンジはベックの父親としても知られる、米西海岸の大御所、デヴィッド・キャンベル。
8. 花いちもんめ / はっぴいえんど

日本語のロックの礎として定評のある1971年の名盤、はっぴいえんどのセカンド・アルバム『風街ろまん』より。初の鈴木茂のオリジナル曲だった。ベースがEの音をキープするなか、コードだけがD→A→Eと移り変わっていく。広がりと遠近感をたたえた音像がなんとも魅力的だ。松本&鈴木作品。
9. ケネディー・エアポート / 鈴木茂

鈴木茂、秋山一将、大村憲司、竹田和夫、松木恒秀、松原正樹、水谷公生、矢島賢という8人のギタリストたちがニューヨークをテーマにそれぞれの思いを曲に託したコンピレーション・アルバム『NEW YORK』より。茂さんのギター・プレイを満喫できるインストゥルメンタル・ナンバーだ。1978年リリース。
10. レイニー・ステイション / 鈴木茂

1978年リリースの3作目のソロ・アルバム『Caution!』より。このアルバムから、伊勢正三、来生えつこら、多彩な作詞家が参加するようになったが、今回はやはり鉄壁のコンビネーションを誇る松本隆と組んだこの名曲を。アルバムのオープニング・チューンでもあった。
11. コーラル・リーフ / 鈴木茂

鈴木茂、細野晴臣、山下達郎が“アイランド・ミュージック”に挑戦した1978年の企画インスト・アルバム『PACIFIC』より。林立夫、高水健司、坂本龍一、佐藤準、浜口茂外也、ジェイク・H・コンセプション、伊集加代子ら名うてのセッション・ミュージシャンたちがサポートしている。
12. 8分音符の詩 / 鈴木茂

そして、締めくくりは1曲目同様、アルバム『LAGOON』より。東京から細野晴臣、林立夫、浜口茂外也らが、アメリカからマーク・レヴィンらがそれぞれハワイのホノルルに結集してレコーディングされたアルバムだったが、そんなリラックスした1枚のラストを飾っていた松本&鈴木作品だ。

解説:萩原健太

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第141回 萩原健太のotonanoラジオ#23

2020/03/10 公開

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大瀧詠一

びんぼう

『大滝詠一』1972年

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

2.

鈴木茂

砂の女

『BAND WAGON』1975年

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

3.

鈴木茂

走れラビット

『LAGOON』1976年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#23

『指弾き系のギタリストたちの名演』

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1. エイモス・モーゼズ/ジェリー・リード

鈴木茂さんとのお話の中にも名前が出てきたジェリー・リードをはじめとする“指弾き”系のギタリストたちにスポットを当てたストリーミング・プレイリスト。まずはジェリー・リード、1970年のヒット曲から。この人は右手親指にサムピック装着して、なぜか人差し指は使わず、中指とのコンビネーションでプレイしている。
2. ユー・ベター・シンク・トゥワイス/ポコ

フラットピックもサムピックも使わず、茂さん同様、右手の指だけでプレイする名手、ジム・メッシーナが1970年、ポコ在籍時に残した名演。ペダル・スティール・ギターのラスティ・ヤングと組んずほぐれつ丁々発止のやりとりをしながら、パッキパキの乾いたカントリー・ロック・ギターを聞かせてくれる。
3. プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ/ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ

ジャズのヴォイシングとカントリーのチョーキング・テクニックとブルースの“泣き”を絶妙に取り込み融合させるエイモス・ギャレットのプレイ。右手の親指にナショナル社製のサムピック、人差し指と中指にアーニー・ボール製のフィンガーピックを装着して指弾きをしている。1973年の必殺の名演だ。
4. ポーク・サラダ・アニー/エルヴィス・プレスリー

ミスター・テレキャスター、ジェイムス・バートンによる名演。1970年のライヴ演奏だ。この人はサムピックではなく、右手の親指と人差し指でフラットピックを普通に握り、中指と薬指にフィンガーピックを装着。それらを併用しながら独特のロックンロール・フレーズを繰り出してみせる。
5. 逃亡者/ザ・ベンチャーズ

ベンチャーズの歴代リード・ギタリスト中、もっとも日本でも人気の高いノーキー・エドワーズの演奏。この人は普通にフラットピックだけを使うこともあれば、親指にサムピックをはめて、人差し指、中指、薬指、全部使って演奏することもある。黄金の両刀遣い。この1964年のナンバーではサムピック使用。
6. 髭と口紅とバルコニー/鈴木慶一とムーンライダーズ

茂さんと並ぶ日本の指弾きギタリストと言えば徳武弘文。日本では珍しいカントリー・ロック・バンド、ラスト・ショーのリード・ギタリストとしてもおなじみだが、今回はセッション・ギタリストとしての名演を。鈴木慶一が1976年に発表したアルバム『火の玉ボーイ』収録のカントリー・ロック曲だ。徳武さんはサムピック派。
7. オンリー・ダディ・ザットル・ウォーク・ザ・ライン/ウェイロン・ジェニングス

1960年代半ばから70年代、ナッシュヴィルの新時代を築き上げた気鋭セッション・ミュージシャン軍団“エリア・コード615”の中心メンバーとして、あるいはベアフット・ジェリーというバンドのメンバーとして大活躍したギタリスト、ウェイン・モスの絶妙なサムピック・プレイが楽しめる1968年のヒット。
8. ゲット・アワセルヴズ・トゥゲザー/デラニー&ボニー&フレンズ

1960年代から西海岸のセッション・ミュージシャン集団“レッキング・クルー”の一員として多くのセッション・ワークに関わってきたギタリスト、ジェリー・マギーのプレイが楽しめる。この人はノーキー・エドワーズ脱退後のベンチャーズのリード・ギタリストとしてもおなじみだ。サムピック派の代表選手。
9. 悲しきサルタン/ダイアー・ストレイツ

今回のギタリスト・セレクションは日本人ふたりを除くと、基本的には米国中心なのだけれど、ここからふたりは英国。まずはグラスゴー出身のマーク・ノップラーだ。この人もいっさいピックを使わず指弾きで独特の音色を聞かせてくれる名手。1978年のこの曲のヒットで世界中のギタリストを驚かせた。
10. ギヴ・ミー・ア・リーズン・ホワイ/デイヴ・メイスン

1960年代末、トラフィックの一員としてキャリアをスタートさせた英国人ギタリスト。その後、ジミ・ヘンドリックスやジョージ・ハリスン、デラニー&ボニーらと共演しながら人気を博した。この人はピックを使ったり指で弾いたり器用な人だが、1975年のこの曲では指弾きによる枯れた味わいのソロを聞かせている。
11. ダーク・エンド・オヴ・ザ・ストリート/ライ・クーダー

エレキだろうがアコースティックだろうが、どんなギターからでも独特の指弾きで最高の音を引き出す最高峰ギタリスト。1972年のアルバム『流れ者の物語』に収められていたこのR&Bバラードのインスト・カヴァーでは、アコギ、エレキ、両方を使いながら指弾きで素晴らしいスライド・プレイを展開してみせる。
12. 卒業写真/荒井由実

そして、最後はわれらが鈴木茂の傑作ギター・ソロを。ユーミンが旧姓時代、1975年にリリースしたサード・アルバム『コバルト・アワー』より。ワウワウを見事に使いこなしつつ見事なスライド・ギターを聞かせている。曲なかのオブリガートも指弾きならではの完璧なフレーズだらけ。すごい人です。

解説:萩原健太

鈴木茂さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第140回 萩原健太のotonanoラジオ#22

2020/03/03 公開

直枝政広さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

直枝政広さんをゲストに迎えて(その2)

1.

カーネーション

市民プール

『a Beautiful Day』2009年

直枝政広さんをゲストに迎えて(その2)

2.

カーネーション

サンセット・モンスターズ

(配信シングル)2018年

直枝政広さんをゲストに迎えて(その2)

3.

Soggy Cheerios

シャッター

『Ⅲ(スリー)』2019年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#22

『デュオ名曲 Vol.2 ~バンド/ユニット編~』

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1. アマチュア・アワー / スパークス

ソギー・チェリオスからインスパイアされたプレイリスト第2弾。ソギーのように、二人組なのに“○○&××”とか安易に名乗らず、ちゃんとバンド名、ユニット名を付けているアーティストの曲を集めてみました。まずはロン&ラッセル・メイル兄弟率いるスパークス、1974年の名盤『キモノ・マイ・ハウス』からごきげんなナンバー。カーネーションといえばこの曲、みたいな…?(笑)
2. 緑のイヤリング / スティーリー・ダン

もともとはバンドとしてスタートしたスティーリー・ダンだったが、ある時期からはドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの2人を核とするサウンド・クリエイト・ユニットに変化。そんな変わり目の時期、1976年にリリースされたアルバム『幻想の摩天楼(The Royal Scam)』からチャック・レイニー&バーナード・パーディの強力リズム隊がうなるこの曲を。
3. タイトゥン・アップ / ザ・ブラック・キーズ

ギターのダン・オーバックとドラムのパトリック・カーニーという、ずいぶんと変則的な編成の二人組バンドが2010年にリリースしたアルバム『ブラザーズ』の収録曲。近年はプロデューサーとしても大活躍しているオーバックだが、やはりカーニーと組んだときにこそ、他では実現し得ないマジカルなパワーが生まれる。理想的なロックンロール・デュオ・ユニットだ。
4. キング・オヴ・ザ・ランブリング・スパイアズ / ティラノザウルス・レックス

マーク・ボランが率いていたロックンロール・バンド“T.レックス”の前身としてもおなじみ、相方のミッキー・フィンと二人で組んでいたサイケデリック・フォーク・デュオ“ティラノザウルス・レックス”が1969年に発表したナンバー。この長ったらしいバンド名をシンプルに縮めたことも功を奏してT.レックスはこの後、大きな成功をつかんでいくことになる。
5. 僕はこんなに / ネイキッド・アイズ

ピート・バーン(ヴォーカル)とロブ・フィッシャー(キーボード)によるデジタル・ポップ・デュオが1983年に放ったヒット・シングル。1964年にサンディ・ショウが歌ったバート・バカラック&ハル・デヴィッド作品のカヴァーだった。ちなみにサンディ・ショウの盤は前回の東京五輪の年だったこともあり、「恋のウェイトリフティング」なる邦題が付けられていた。
6. クロス・マイ・ハート / エヴリシング・バット・ザ・ガール

トレイシー・ソーンとベン・ワットによるデュオ・ユニットが1986年にリリースしたサード・アルバム『ベイビー、ザ・スターズ・シャイン・ブライト』より。デビュー当時、ネオアコ・ファンを中心にマニアックな人気を誇っていた彼らが、より幅広い音楽ファンに向けて意識的にアピールしようとし始めた時期の充実した1枚だった。
7. ナッシン・ユー・キャン・ドゥ・アバウト・イット / エアプレイ

デヴィッド・フォスター(キーボード)とジェイ・グレイドン(ギター)がタッグを組んだハードAORユニット、エアプレイが1980年に残した唯一のアルバムより。マンハッタン・トランスファーのカヴァーでもおなじみのキラー・チューンだ。この時期、日本のポップ・シーンもアイドルものまで含めて誰もがエアプレイ・サウンドを採り入れていた。
8. とどかぬ想い / ザ・コーギス

元スタックリッジのジェイムス・ワーレン(ベース)とアンディ・デイヴィス(ドラム)による二人組が1979年にリリースしたナンバー。ニュー・ウェイヴ黎明期ならではのテクノ・ポップ感覚と、英国伝統の翳りを帯びた感触とが共存する理想的なポップ・チューンという感じだ。トレイシー・ウルマンらもこぞってカヴァーし名曲へと成長した。
9. ハートビート / ワム!

ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーによるポップ・デュオが1984年にリリースしたセカンド・アルバム『メイク・イット・ビッグ』の収録曲。「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」など4曲のシングル・ナンバーを含む名盤だが、未シングル化曲にも傑作が多い。フィル・スペクター・サウンドを意識した本曲でもジョージ・マイケルならではのポップ・センスが炸裂!
10. アイシクル・スター・トゥリー / ジ・アサイラム・クワイア

テキサス出身のマーク・ベノ(ギター)とオクラホマ出身のレオン・ラッセル(キーボード)、当時ロサンゼルスでスタジオ・ミュージシャンとして活動していた二人の腕ききが組んだロック・デュオ。本曲は1968年にレコーディングされたファースト・アルバム『ルック・インサイド』の収録曲だ。彼らなりのサイケデリック・ロックへの回答という感じか。
11. サークル / スワン・ダイヴ

ナッシュヴィルを拠点に活動してきたビル・ディメインとモリー・フェルダーが結成した男女ユニット、スワン・ダイヴ。本曲は彼らが1998年にリリースしたサード・アルバムのタイトル・チューンだ。音楽ジャーナリストとしても優れた仕事を多く残しているディメインの深い見識を活かして、素晴らしくハイセンスなポップ・ワールドを編み上げている。
12. アドヴァイス・フォー・ザ・ヤング・アット・ハート / ティアーズ・フォー・フィアーズ

ローランド・オーザバル(ギター)とカート・スミス(ベース)の二人を中心に、徐々にメンバーを増やしながらバンド活動してきたティアーズ・フォー・フィアーズが、心機一転、再びローランドとカートの二人だけのユニットになってリリースした1989年の再出発アルバム『シーズ・オヴ・ラヴ』の収録曲。達観した眼差しで哲学的なテーマにアプローチした名曲です。

解説:萩原健太

直枝政広さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第139回 萩原健太のotonanoラジオ#21

2020/02/25 公開

直枝政広さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

直枝政広さんをゲストに迎えて(その1)

1.

Soggy Cheerios

『Ⅲ(スリー)』2019年

直枝政広さんをゲストに迎えて(その1)

2.

Soggy Cheerios

HAPPY

『Ⅲ(スリー)』2019年

直枝政広さんをゲストに迎えて(その1)

3.

Soggy Cheerios

海鳴り feat.優河

『Ⅲ(スリー)』2019年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#21

『一期一会! デュオ名曲 Vol.1』

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1. ダンシング・イン・ザ・ストリート/デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガー

今週のゲスト、カーネーションの直枝政広さんがワールド・スタンダードの鈴木惣一朗さんとタッグを組んだ二人組ユニット、ソギー・チェリオスにちなんで、今回のプレイリストは様々な形のデュオ特集。まずは1985年の豪華共演シングルから。マーサ&ザ・ヴァンデラスのヒットのカヴァー。
2. 真夜中を突っ走れ/ジョン・レノン&エルトン・ジョン

1974年のシングル。ジョン・レノン名義でリリースされたものだが、バック・コーラスとしてエルトン・ジョンが参加したことも大いに話題を呼び、見事全米1位に輝いた。そのお礼として、ジョンはこの年の暮れ、エルトンのマディソン・スクエア・ガーデン公演にゲスト出演して本曲を歌った。
3. エボニー・アンド・アイボリー/ポール・マッカートニー&スティーヴィー・ワンダー

ジョンに続いてはポール。こちらは1981年の全米ナンバーワン・ヒットだ。ピアノの黒鍵(エボニー)と白鍵(アイボリー)がともに力を合わせてひとつのハーモニーを奏でるように、黒人と白人とが手を取り合って調和していこう…というポールらしいストレートなメッセージ・ソング。
4. ナイト・シェイド/ハリーとマック

1970年代から様々な形で共演を果たしてきた“ハリー”こと細野晴臣と“マック”こと久保田麻琴が、1999年、久々にタッグを組んで制作したアルバム『ロード・トゥ・ルイジアナ』からの1曲。この二人の音楽性が絡み合うと、なんともエキゾチックでマジカルな空気感が渦巻き出す。不思議だ。
5. ディティ・ワ・ディティ/ライ・クーダー with アール・ハインズ

最強のギタリスト、ライ・クーダーが1974年にリリースしたアルバム『パラダイス・アンド・ランチ』のラストに収められていたナンバー。1920年代に活躍したラグタイム・ギタリスト、アーサー・ブレイクの作品を、大御所ジャズ・ピアニスト、アール・ハインズとの共演で躍動的に聞かせてくれる。
6. クライ・ライク・ア・レインストーム/クレイグ・フラー&エリック・カズ

シンガー・ソングライターとして日本でも人気の高いエリック・カズと、元ピュア・プレイリー・リーグのクレイグ・フラーが1978年にリリースしたコラボ・アルバムより。のちにリンダ・ロンシュタットがカヴァーして一気に知名度をあげた本曲の、これがオリジナル・ヴァージョンだ。
7. ウィッチクラフト〜ラヴ・ミー・テンダー/フランク・シナトラ&エルヴィス・プレスリー

1958年、米陸軍に徴兵されドイツに駐留していたエルヴィスがシーンに復帰したのは1960年。除隊後の初仕事は先輩エンターテイナー、フランク・シナトラのTVショーへのゲスト出演だった。そのときの豪華な共演音源。シナトラがエルヴィスの「ラヴ・ミー・テンダー」を、エルヴィスがシナトラの「ウィッチクラフト」を歌う。
8. い・け・な・い ルージュマジック/忌野清志郎&坂本龍一

1982年にリリースされた資生堂の口紅のCMイメージソング。RCサクセション以外の場でも機会があるごとに多くのアーティストと積極的に共演を果たしてきた忌野清志郎だが、その実質的第一弾となったのがこの曲だった。二人のド派手なメイクも当時大いに話題を呼んだ。
9. くよくよするなよ/クリス・シーリー&ブラッド・メルドー

ブルーグラス界の天才マンドリン・プレイヤー、クリス・シーリーと、ジャズ畑のこれまた天才ピアニスト、ブラッド・メルドーが2017年にリリースしたデュオ・アルバムより。ボブ・ディランの初期代表曲を素材に、二人の天才が丁々発止、とてつもなく躍動的なインタープレイを展開する。
10. 太陽への旅路/スティルス=ヤング・バンド

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング〜CSNYのSとY。古くから“永遠のライバル”とか“犬猿の仲”とかいろいろ言われてきた二人が、1976年、そんな噂をかき消すかのようにリリースした同名アルバムより。でも、結局はこのアルバム発表後のツアーの途中でまたまた喧嘩別れしてしまった…。
11. サウスバウンド・トレイン/グラハム・ナッシュ&デヴィッド・クロスビー

続いてCSNYのCとN。こちらの二人はSとYとは違い大人な関係なのか、デュオ・アルバムをこれまでに何作も発表してきた。その最初の1枚となった1972年のアルバムよりこの名曲を。ただし近年、NはCの横柄な態度にもう我慢がならないとして、もう一緒にはやらないと発言している。むずかしい…(笑)。
12. もろはのやいば/Soggy Cheerios

最後はソギー・チェリオスのアルバム『Ⅲ』から、鈴木惣一朗作のこのナンバーで締め。世界には様々な形のデュオ・ユニットがあるけれど、ソギーも日本のポップ・シーンが誇る実にユニークな二人の融合体。今後の活動にも大いに期待しております。

解説:萩原健太

直枝政広さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

Kenta's...Nothing But Pop!

第138回 萩原健太のotonanoラジオ#20

2020/02/18 公開

太田裕美さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

太田裕美さんをゲストに迎えて(その2)

1.

太田裕美

木綿のハンカチーフ(アルバムヴァージョン)

『心が風邪をひいた日』1975年

太田裕美さんをゲストに迎えて(その2)

2.

太田裕美

桜月夜

『ヒロミ☆デラックス』2019年

太田裕美さんをゲストに迎えて(その2)

3.

太田裕美

道(Reiwa Mix)

『ヒロミ☆デラックス』2019年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#20

『80年代女性ポップ・アイドル歌声集』

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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。

1. 恋のハーフムーン/太田裕美

ゲストの太田裕美さんからインスパイアされたプレイリスト。先週の1970年代女性アイドル・ポップス集に続いて、今週は1980年代編。女の子アイドルが大挙活躍した時代のキュートな歌声を集めてみました。まずは太田裕美さんご本人が1981年にリリースした松本隆(作詞)&大瀧詠一(作曲)作品から。
2. 八月、最初の水曜日/渡辺満里奈

1980年代アイドルといえば、おニャン子クラブ。その関連だけから選んでも12曲は軽く突破してしまうわけですが(笑)。ぐっとこらえて、おニャン子から3曲。ということで、会員番号36番のこの人が1988年にリリースしたサード・アルバム『SUNNY SIDE』のオープニングを飾っていたこの曲を。
3. AXIA 〜かなしいことり〜/斉藤由貴

1985年発売のファースト・アルバム『AXIA』の収録曲。作詞・作曲は銀色夏生。斉藤由貴がイメージ・キャラクターをつとめた同名カセットテープのCMソングだ。冒頭、いきなりの二股宣言にたじろぐが、やがて芸能ニュースを賑わす、まあ、なんというか、この人の大人な魅力はデビュー時から全開だったということか。
4. 夏色のナンシー/早見優

1983年にリリースされた5枚目のシングル。早見優自身も出演していたコーラのCMイメージ・ソングとして話題を集め、彼女にとって初のトップ10ヒットとなった。三浦徳子・作詞、筒美京平・作曲。グアム〜ハワイ育ちの彼女らしい個性が発揮された爽快なポップ・チューンに仕上がっている。
5. すてきなジェラシー/松本伊代

1981年にシングル「センチメンタル・ジャーニー」でデビューした松本伊代が、キュートな少女から大人の女性へと成長する過程でリリースした一連のアダルト・オリエンテッドなシングル曲のひとつ。川村真澄が作詞し、岸正之が作曲した1987年作品だ。フィリー・ソウル風味漂うアレンジも新鮮だった。
6. 話しかけたかった/南野陽子

日本の女の子アイドル・ソングには中山美穂「色・ホワイトブレンド」や渡辺満里奈「深呼吸して」などシャッフル調の名曲が多いが、これもそう。1987年にリリースされた南野陽子の7枚目のシングルだ。戸沢暢美・作詞、岸正之・作曲。マイナー・キーのヒットが多かった彼女初のメジャー調シングルだった。
7. WELCOME BACK TO MY HEART/薬師丸ひろ子

1985年にリリースされたセカンド・アルバム『夢十話』の収録曲。松本隆、阿久悠、売野雅勇、吉田美奈子、筒美京平、林哲司、鈴木康博、来生たかおら様々なソングライターが参加した豪華な1枚だった。その中から井上大輔のメロディに竹内まりやが英語詞をつけたこの曲を今回はピックアップ。
8. 涙の茉莉花 LOVE/河合その子

おニャン子クラブ関連の二人目は会員番号12番のこの人。1985年リリースされたデビュー・シングルだ。おニャン子クラブに所属していた女の子のうち、初めてソロ・デビューを飾ったのは彼女だった。作詞は現在の旦那さまでもある後藤次利と当時のディレクターだった稲葉竜文が担当。作曲はもちろん後藤次利。
9. 恋をアンコール/おかわりシスターズ

現役女子高生を中心に構成されたおニャン子クラブの原型は、女子大学生を主役に起用したテレビ深夜番組『オールナイト・フジ』に出演していた“オールナイターズ”。そこからデビューしたのが山崎美貴、松尾羽純、深谷智子によるこの3人組だ。本曲は1983年にリリースされたデビュー曲。嶺岸未来・作詞、佐藤準・作曲。
10. 左胸あたり/岩井由紀子(ゆうゆ)

おニャン子クラブからもうひとり。会員番号19番のゆうゆ。1985年に高井麻巳子とともにうしろゆびさされ組としてもデビュー。その後、「天使のボディーガード」で1987年にソロ・デビューも果たした。元気キャラで人気を博したが、1988年リリースの本曲ではしっとりとした魅力も。及川眠子・作詞、井上ヨシマサ・作曲。
11. だいて(ラスベガス・ヴァージョン)/森高千里

1990年代に入ってから破竹の快進撃を見せることになる森高千里だが、1980年代にも名曲多し。森高千里自らが作詞し、高橋諭一が作曲した本曲は1989年のリリース。ジェフ・リンがプロデュースしたロイ・オービソンを想起させるビデオクリップも、マニアックな洋楽ファンの間でちょっと話題になった。
12. 真冬の恋人たち/松田聖子

最後はやはりこの人で。1980年代女性ポップ・アイドルの最高峰、聖子ちゃん。1982年にリリースされた6作目のアルバム『Candy』のラストを飾っていた松本隆・作詞、大村雅朗・作曲による名バラードだ。とびきり切ない松田聖子の歌声も魅力的だが、それと掛け合う杉真理のヴォーカルも素晴らしい。

解説:萩原健太

太田裕美さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第137回 萩原健太のotonanoラジオ#19

2020/02/11 公開

太田裕美さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

太田裕美さんをゲストに迎えて(その1)

1.

太田裕美

ステキのキセキ

『ヒロミ☆デラックス』2019年

太田裕美さんをゲストに迎えて(その1)

2.

太田裕美

恋のうた

『ヒロミ☆デラックス』2019年

太田裕美さんをゲストに迎えて(その1)

3.

太田裕美

さらばシベリア鉄道 feat. 高嶋ちさ子 ピアノクインテット

『ヒロミ☆デラックス』2019年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#19

『70年代女性ポップ・アイドル歌声集』

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1. ひぐらし/太田裕美

今週のプレイリストは、ゲストにお迎えした太田裕美さんが活躍を開始した1970年代に、ぼく萩原健太が日々うきうき楽しんでいた女性ポップ・アイドルの歌声集。まずは太田裕美さんから。サイモン&ガーファンクルの「アメリカ」に触発されて松本隆が作詞、荒井由実が作曲。1975年のアルバム『心が風邪をひいた日』に収められた。
2. そよ風のくちづけ/キャンディーズ

まだスーちゃんのセンター時代、1974年にリリースされたセカンド・シングル。ファースト・アルバムに収録されていた「盗まれたくちづけ」を改作してシングル化したものだ。作詞が山上路夫、作曲が森田公一。シャララ・コーラスがごきげん。やはりキャンディーズ、昭和の最強ガール・グループです。
3. 悲しみよこんにちは/麻丘めぐみ

1972年にリリースされたセカンド・シングル。デビュー・シングルとして大ヒットした前作「芽ばえ」同様、作詞が千家和也、作曲が筒美京平。途中、ガット・ギターのソロが出てきたり、アレンジ面で当時日本でもヒットしていたギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」からの影響もちらほら…。
4. ポケットいっぱいの秘密/アグネス・チャン

1974年発表。アグネス、6作目のシングルだ。作詞・松本隆、作曲・穂口雄右。当時、ニュー・ライダース・オヴ・パープル・セイジのカヴァーでリヴァイヴァル・ヒットしていた「ハロー・メリー・ルー」を意識したポップ・カントリー調の仕上がりだ。演奏は細野晴臣、松任谷正隆、林立夫、鈴木茂によるキャラメル・ママ。
5. 初恋のメロディー/小林麻美

のちにガゼボの世界的ヒット曲に松任谷由実の訳詞を乗せた「雨音はショパンの調べ」で大人っぽいアンニュイな魅力をふりまくことになる小林麻美がまだ真っ向からティーン・アイドルしていた1972年に発表したデビュー・シングル。作詞・橋本淳、作曲・筒美京平という最強ソングライター・チームによる名曲だ。
6. 真夏の出来事/平山三紀

これも橋本=筒美作品。「初恋のメロディー」同様、当時の若者の憧れだった車でのデートが描かれたナンバーだ。神奈川県・三浦半島の油壺をイメージして作られたものだとか。それもまた当時のおしゃれトレンドか。1971年、平山三紀のセカンド・シングルとしてリリースされた。
7. 早春の港/南沙織

作詞・有馬三恵子、作曲・筒美京平。南沙織の6枚目のシングルとして1973年にリリースされた。前年暮れに出たアルバム『早春のハーモニー』収録の「ふるさとのように」を改作したもの。冒頭の並のSE、スティール・ギターの調べ、“♪…あの人に〜”のところに登場する必殺のⅣ度マイナー。すべてが完璧。さすがの筒美ワールド。
8. おくさまは18才/岡崎友紀

1970年作品。当時、大人気を博した同名の学園ラブコメ少女漫画をテレビドラマ化した際、主演をつとめた岡崎友紀が自ら作詞も手がけた主題歌だ。彼女にとって3作目のシングルとしてヒット。百恵・淳子・昌子の中三トリオが世を席巻する以前のアイドル・シーンを吉沢京子とともにリードしていたのが岡崎友紀だった。
9. センチメンタル/岩崎宏美

1975年リリース。岩崎宏美、3枚目のシングルだ。彼女の初期シングル楽曲すべてを手がけていた阿久悠(作詞)&筒美京平(作曲)作品。ほのかにフィラデルフィア風味も漂うポップ・ソウル・サウンドが実に新鮮だった。歌のうまさに定評のある岩崎宏美の若々しく溌剌としたヴォーカルも今なお魅力的だ。
10. 水色の恋/天地真理

“白雪姫”というキャッチフレーズでデビューした天地真理のデビュー曲。本人も出演した人気テレビドラマ『時間ですよ』の挿入歌としてヒットした。フランク・シナトラの「夜のストレンジャー」や、フェリシアーノ・ラタサ作のタンゴ「グラン・ホテル・ヴィクトリア」などとの相似性が何かと物議を醸したのも大ヒットゆえ?
11. ひとりっ子甘えっ子/浅田美代子

天地真理同様、『時間ですよ』に自らも出演しデビュー曲「赤い風船」を大ヒットさせた浅田美代子が1973年にリリースしたセカンド・シングル。これも筒美京平の作曲によるナンバーだが、当時の浅田美代子の持ち味にぴったりの牧歌的なニュアンスをたたえたティーンエイジ・ポップ・ワールドを構築している。
12. グッド・バイ・マイ・ラブ/アン・ルイス

1970年代の女性アイドルによる名曲というと、他にも山口百恵とか神田広美とか風吹ジュンとか様々な歌声を思い出すのだが、ストリーミングされていないものも多く、あれこれ断念。最後はまだロック方面へとシフトチェンジする前のアン・ルイスによるこの1974年作品で。のちの名曲「リンダ」へと直結するロカバラードだ。

解説:萩原健太

太田裕美さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第136回 萩原健太のotonanoラジオ#18

2020/02/04 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

1.

大江千里

Re:Vision

『Hmmm』(通常盤)2019年

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

2.

大江千里

The Very Secret Spring

『answer july』2016年

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

3.

大江千里

Poignant Kisses

『Poignant Kisses』(7インチ・アナログ盤)2020年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#18

『N.Y.の空気を感じるポップな名曲』

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1. ネイティブ・ニューヨーカー / オデッセイ

ゲストの大江千里さんはニューヨーク在住。それにちなんで、先週に引き続きニューヨークの歌を特集。先週はジャズ・ソングを取り上げたので、今回はポップス・フィールドから。まずは1977年に男女3人のソウル・グループ、オデッセイが放った全米21位のヒット曲から。もともとはフランキー・ヴァリがオリジナル。
2. 親父の嫌いなニューヨーク・シティ / スティーリー・ダン

ディーン・パークス、ヒュー・マクラッケン、ラリー・カールトン、チャック・レイニー、ウィルトン・フェルダー、ジェフ・ポーカロなど、豪華なサポート・メンバーが参加するようになった1975年リリースの4作目のオリジナル・アルバム『うそつきケイティ』より。シニカルでクールな世界観がいかにもスティーリー・ダン。
3. 孤独のニューヨーク / ハリー・ニルソン

1969年のアルバム『ハリー・ニルソンの肖像』から。映画『真夜中のカーボーイ』のために書き下ろされた自作曲だ。が、結局こちらはボツり、ニルソンはフレディ・ニール作の「うわさの男」を映画のためにカヴァーさせられたのだが、その判断に納得がいかなかった彼は「うわさの男」と同じアレンジで本曲を録音。それが本ヴァージョンだ。
4. ニューヨークのキャッチャー、ピアザ / ベル・アンド・セバスチャン

野茂英雄とのバッテリーでもおなじみ、メジャー・リーグの名キャッチャー、マイク・ピアッツァのことを歌った曲。野茂とはロサンゼルス・ドジャースでバッテリーを組んでいたが、1998年、ニューヨーク・メッツに移籍。そんなメッツ在籍時代、2003年にベル&セバスチャンがリリースしたアルバム『ヤァ!カタストロフィ・ウェイトレス』の収録曲だ。ピアッツァのゲイ疑惑に言及したもの。
5. ニューヨークの少年 / サイモン&ガーファンクル

1970年1月にリリースされたサイモン&ガーファンクル、オリジナル活動期最後のスタジオ・アルバム『明日に架ける橋』の収録曲。レコーディング中、映画の撮影で海外に行ってしまったアート・ガーファンクルのことを思いながら、ポール・サイモンがニューヨークで書き上げた曲だと言われている。
6. ニューヨークは淋しい町 / トレイドウィンズ

ソングライター・チームとして多くの名曲を生み出してきたピート・アンダース&ヴィニ・ポンシアが、トレイドウィンズという架空のグループ名義で1965年にリリースしたヒット曲。この曲を下敷きに舞台を別の都市に移した「ロンドンズ・ア・ロンリー・タウン」をデイヴ・エドモンズが、「トーキョーズ・ア・ロンリー・タウン」を山下達郎が歌っていることでもおなじみ。
7. 雨の日のニューヨーク / シカゴ

強烈なブラス・ロックン・グループとしてデビューしたシカゴが、のちのアダルト・コンテンポラリー路線への下地を作り上げた1976年のアルバム『シカゴX(カリブの旋風)』より。グラミーを獲得した「愛ある別れ」や「君の居ない今」ともども、このアルバムからシングル・カットされてトップ40ヒットを記録した。
8. アイル・テイク・ニューヨーク / トム・ウェイツ

1987年のアルバム『フランクス・ワイルド・イヤーズ』の収録曲。デビュー初期、1970年代のアサイラム・レコード在籍時にはよりストレートにノスタルジックなアプローチを聞かせていたトム・ウェイツだが、1980年代に入ってアイランド・レコードに移籍後はかなり歪んだ郷愁を追求するように。そんな個性が全開になった曲だ。
9. 紐育市(お前は女さ) / アル・クーパー

ニューヨーク生まれのアーティストの代表的存在でもあるアル・クーパーが、故郷への愛を表明した1971年のアルバムの表題曲。ニューヨークという街に渦巻く様々な音楽性が興味深い形で交錯している。ただし、実はレコーディングはロンドンとロサンゼルスで行なわれているというところがまたアル・クーパーらしいひとひねりか。
10. ニューヨーク・シティ / マンハッタンズ

ニュージャージーで結成されながら、マンハッタンの名をバンド名に冠した偉大なR&Bヴォーカル・グループが、1979年にリリースした10作目のアルバム『ラヴ・トーク』より。メンバーのひとり、ウィンフレッド“ブルー”ラヴェットが書いたオリジナル曲だ。
11. ニューヨーク行きの船が出る / フィービ・スノウ

シェルター・レコードから衝撃のデビューを飾った女性シンガー・ソングライターが、1976年、CBS/コロムビアへと移籍して放ったセカンド・アルバム『夜の調べ』の収録曲。名匠フィル・ラモーンのプロデュースのもと、スタッフのメンバーやデヴィッド・サンボーン、ラルフ・マクドナルドらが参加し、都会的な世界観を演出してみせた。
12. イン・ニューヨーク・シティ / ディオン

“キング・オヴ・ニューヨーク”というとルー・リードのことを思い出すロック・ファンが多いかもしれないが、それ以前、元祖というか先代というか、最初にそう呼ばれたのはこの人、ディオンだ。1950年代にデビューして以来、ブロンクスを本拠に今なお現役で活躍するディオンが2000年にリリースしたアルバム『デジャ・ニュー』からのこのドゥーワップ・バラードで特集は締め。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その2)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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第135回 萩原健太のotonanoラジオ#17

2020/01/28 公開

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

今週のオンエア曲

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

1.

大江千里

Poignant Kisses

『Hmmm』(通常盤)2019年

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

2.

大江千里

Rain

『Boys & Girls』2018年

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

3.

大江千里

Tommy Who Knew Too Much(SENRI OE TRIO at BLUE NOTE TOKYO 2019.5.18)

『Hmmm』(完全生産限定盤)2019年

 萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#17

『N.Y.の空気を感じるジャジーな名曲』

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1. ニューヨーク・ニューヨーク / フランク・シナトラ

ニューヨークでジャズどっぷりの日々を送る大江千里さんにちなんで、今週のプレイリストはニューヨークを題材にしたジャズ・ソング特集。まずは1977年にロバート・デ・ニーロとライザ・ミネリ主演で作られた同名映画の主題歌から。映画ではミネリが歌っていたが、それを彼女の友人でもあるフランク・シナトラが取り上げて大ヒットさせた。ニューヨーク・ヤンキースのテーマ・ソングとしてもおなじみ。ニューヨークで一旗揚げるために勇躍やってきた者の高揚感を描いた名曲だ。
2. バードランドの子守唄 / サラ・ヴォーン

1952年に英国生まれのジャズ・ピアニスト、ジョージ・シアリング作。“バード”の愛称で知られる偉大なアルト・サックス奏者チャーリー・パーカーと、その愛称に倣ったジャズクラブ“バードランド”に捧げられた曲だ。無数のジャズ・シンガーが取り上げているが、今回はサラ・ヴォーンが1954年、アーニー・ウィルキンスの編曲のもと、クリフォード・ブラウン、ハービー・マンら腕ききジャズメンを従えて吹き込んだヴァージョンで。
3. A列車で行こう / ザ・デルタ・リズム・ボーイズ

1939年、デューク・エリントンが楽団のピアニスト兼作編曲者であったビリー・ストレイホーンに依頼して作られた名曲。エリントン楽団のテーマ曲としてもおなじみだ。A列車='A' Trainというのは、ニューヨークのブルックリン東地区からハーレムを経由してマンハッタン北部を結ぶニューヨーク市地下鉄A系統路線のこと。インスト曲として演奏されることが多いが、今回は1944年にデルタ・リズム・ボーイズが歌詞付きで歌ったヴァージョンを。
4. ニューヨークの秋 / ビリー・ホリデイ

1934年、名匠ヴァーノン・デュークがミュージカルのために書き下ろした名曲。“ニューヨークの秋はスラム街をロンドンのメイフェアのような気品ある街に変えてくれる/ニューヨークの秋にはスペインのお城なんかいらない/恋人たちはセントラルパークのベンチで深まりゆく夜にキスをする/この街でまた暮らしていくのも悪くない”と、ニューヨークへの愛を切々と綴った1曲だ。今回はビリー・ホリデイのクールなヴォーカルでどうぞ。
5. サンデー・イン・ニューヨーク / メル・トーメ

1963年、ジェーン・フォンダ、ロッド・テイラー、クリフ・ロバートソン主演で制作された映画『ニューヨークの休日』の主題歌だ。曲を書いたのは映画全体のサウンドトラックのスコアも手がけたピーター・ネロ。歌っているのはジャズ・ヴォーカル界最強のテクニシャン、メル・トーメ。この曲をはじめニューヨークに関する楽曲ばかりを集めたアルバム『メル・トーメ・シングス・サンデー・イン・ニューヨーク&アザー・ソングズ・アバウト・ニューヨーク』も名盤だ。
6. マンハッタン / エラ・フィッツジェラルド

偉大なソングライター・チーム、ロジャース&ハートが1925年に書いた名曲。“夏の休暇でナイアガラとか観光地に行くのもいいけれど/気も遣うしお金もかかる/古き良きマンハッタンに小さな部屋もあるし/この街にとどまっていてもいいんじゃない?/素敵な動物園だってある/びゅんびゅん風が吹きまくる地下鉄も悪くない”と、観光目線ではない、そこで生活する本物のニューヨーカーならでは表現が満載されている。エラ・フィッツジェラルドのスムースな歌声で味わって下さい。
7. ニューヨークの想い / アン・バートン

ジャズ畑の作品ではなく、ビリー・ジョエルが書いた名曲。活動初期に拠点としていた西海岸から生まれ故郷のニューヨークへと戻るときの気持ちを赤裸々に綴っている。バーブラ・ストライサンド、メル・トーメ、トニー・ベネットらも録音しているが、今回はオランダのクールなジャズ・クイーン、アン・バートンがヘレン・メリルに誘われて渡米し、ニューヨークで1979年に録音したヴァージョンで。
8. ハーレム・ブルース / ナット・キング・コール

ナット・キング・コールが、恋人に去られてしまった男の悲しい物語をブルージーに綴る。“バッテリー公園からブロンクスまで/くまなく探した/高級クラブから安酒場まで/映画館もキャバレーも/愛する人が去ってから/ハーレムはまるで違う場所になってしまった/着飾った女が次々俺に笑いかけるけれど/俺は密造酒をめぐんでもらって憂さ晴らしするばかり…”と。こういうのもまたニューヨークならではの光景か。1958年録音。
9. ブロードウェイの子守歌 / ドリス・デイ

ソングライター・チーム、アル・デュービン&ハリー・ウォーレンが1935年、映画『1935年のゴールド・ディガーズ』のために作った主題歌。その年のアカデミー主題歌賞も獲得している。今回は1951年、ドリス・デイ主演でリメイクされた際のヴァージョンで。このときは映画のタイトルも『ブロードウェイの子守歌』に変更された。もちろんドリス・デイののびやかな歌声でリヴァイヴァル・ヒットを記録している。
10. ドゥ・ユー・ミス・ニューヨーク / デイヴ・フリッシュバーグ

ダイアナ・クラールやブロッサム・ディアリー、ボブ・ドロウらとの交流でも知られるソングライター/シンガー/ピアニスト、デイヴ・フリッシュバーグの隠れた名曲。1970年代に作られたものだが、今回は2003年にリリースされたニューヨークのリンカーン・センターでのライヴ盤からのヴァージョンで。
11. ハウ・アバウト・ユー / ジュディ・ガーランド

1941年、ジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニー主演で制作された映画『ブロードウェイ』の挿入歌。正面切ってニューヨークを歌っているわけではなく、歌い出しの部分で“私は6月のニューヨークが好き/あなたは?/ガーシュウィンの曲が好きなの/あなたは?”というフレーズがとても印象的に登場する。日本語にしてしまうと伝わりにくいのだが、英語だと“New York in June”と“a Gershwin tune”が素敵に韻を踏んでいて、ぐっとくる。
12. ラプソディ・イン・ブルー / レナード・バーンスタイン指揮コロムビア交響楽団

と、そんなニューヨークにぴったりの名作曲家、ジョージ・ガーシュウィンが1924年に作った名曲。当時まだ卑俗なものとしか思われていなかったジャズの立場をより芸術的な地点へと引き上げようとガーシュウィンが作曲した意欲的なシンフォニック・ジャズだ。ニューヨークという街に渦巻くジャズとクラシックが見事に融合。巨匠レナード・バーンスタインが1958年、自らピアノを弾きながらコロムビア交響楽団を指揮した名演を最後にどうぞ。

解説:萩原健太

大江千里さんをゲストに迎えて(その1)

●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。

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