ジャズメガネのセンチなジャズの旅

87. 宮間利之とニューハード『ギャラリー』
87. 宮間利之とニューハード『ギャラリー』

   宮間利之とギターの山木幸三郎さんの関係はデューク・エリントンとビリー・ストレイホーンのそれに似ている。バンド・リーダーと作曲家。山木さんはニューハードのオリジナリティを決定する重要な作曲家だった。
   僕が初めて知ったのは浅川マキさんのヒット・シングル「夜が明けたら/かもめ」を中学生の時に買った時。「かもめ」を作曲したのはニューハードのギターの人なんだよ、と兄に教えて貰った。それ以降、スイングジャーナルに目を通して、ニューハードの新譜レヴューなどが出ると必ず山木さんのアルバムにおける功績が評価されていたのが印象深い。
   ずっと気になる存在だったけど、ライヴ・ハウスで会えたりする訳ではないので、なかなかお会い出来なかった。初めてお会いしたのが、瀬川昌久先生のパーティー。写真を一緒に撮っていただいた。その後、亡くなられたので、その時が最初で最後だった。大切な一枚だ。

text & cut by Kozo Watanabe