私が欲しいレコード

幻の名盤から架空の一枚まで。今聴きたい、今欲しいレコードを、各界のレコード愛好家のみなさまに、自由な発想で綴っていただきます。

第4回【加納エミリ】 シンガー・ソングライター
第4回【加納エミリ】 シンガー・ソングライター

ネコ好きのトラックメーカーとSSWが集結した「全曲ネコの鳴き声をサンプリングしたインストコンピレーションLP」を希望します



 音楽活動を始めるまで、レコードに触れたことはありませんでした。
 物心ついて音楽を聴き始めるようになった頃には既にYouTubeが普及しており、当時高校生になったばかりの私はUS・UKのBillboardにチャートインしているアーティストを片っ端からYouTubeで検索し、気に入ったらCDを購入。ポップ・ミュージックとの新たな出会いをいつも探していました。
 2018年に音楽活動を本格化させ、2019年2月に私の楽曲「ごめんね」を7インチでリリースしたことがきっかけで、レコードをはじめアナログのフォーマットと関わりを持つようになりました。初めて購入したレコードは大好きなDepeche Modeの『The Singles 81-85』。「針を落とす」という一つの動作に物質への愛情を感じます。

 最近、個人的に衝撃を受けたのは小田島等さんと細野しんいちさんによるユニットBEST MUSICの『MUSIC FOR SUPERMARKET』。
 元々は2007年にCDでリリースされ、昨年12年の時を経てアナログ化された作品なのですが、スーパーマーケットに流れている軽快なBGMをオリジナルで制作するというクレイジーなコンセプトに感動しました。
 ジャケットがスーパーの衣服売り場の半額セールのチラシを模したデザインで、発売当時はそのCDの定価が半額と思われてレジでお客さんからクレームをつけられたり、収録曲にスーパーの閉店音楽(“当店は○時をもちまして閉店とさせていただきます~”というアナウンスがエンドレスで流れる)があるのですが、レコード屋さんで店頭BGMとして流していたらお客さんに本当に閉店と勘違いされたこともあるそうです。これこそアートテロだと思います。


BEST MUSIC
"MUSIC FOR SUPERMARKET"



 逸れた話をしまいましたが、私が聴きたいレコード或いは私が聴きたい音楽。
 私はネコがとてつもなく好きで遂にはお迎えしようかと毎日真剣に悩んでいるのですが、ネコのお世話以前に自分の生活にいっぱいいっぱいなのでSNSで好きなネコちゃんの動画を観て我慢しています。

 ネコの可愛いところは何と言っても鳴き声。ネコは低く唸ったり甘えたり鼻を鳴らしたりなど様々な表現で発声します。
毎日多くのネコ動画を観ているうちに、ネコの鳴き声は音楽に多用できるのではないかと思いました。ネコの鳴き声をサンプリングしたトラックが詰まったレコードが存在していたら気になって思わず買ってしまいそうです。
 そんなことを考えながら調べてみると、1993年から「ジングル・キャッツ」というシリーズでクリスマスモノや洋楽のカバーアルバムがCDでリリースされていることを知りました(有名なタイトルのようです)。内容はネコの声をピッチ修正しメロディに仕上げ、ボーカリストとしてカバー曲を歌うというもの。かなり手間がかかっていますし、中にはゲストボーカルでワンちゃんの吠えも入っており、思わず吹き出してしまいました。


JINGLE CATS on Spotify




 ですが、「ジングル・キャッツ」シリーズは全てカバー曲。ネコの可愛らしい鳴き声がミックスされたオリジナルのトラックが聴きたいところです。
 ということで私は、勝手に続編としてネコ好きのトラックメーカーとSSWが集結した「全曲ネコの鳴き声をサンプリングしたインストコンピレーションLP」を希望します。
 中身は歌詞カード、ではなくネコの図鑑を封入。ネコの生態も分かってしまう一枚にしたいです。

 ネコの鳴き声をサンプリングしていればジャンルは問いません。児童向けっぽいものには取り入れやすいでしょうし、ミニマルテクノやヒップホップなどにもパーカッションで入れると面白いと思います。むしろゴリゴリなトラックであればあるほど、あのネコの無垢な鳴き声が入っていた方が拍子抜けして良いのではないでしょうか。
 例えば私だったらネコのシャーッという威嚇の声をハイハットと混ぜたり、甘えた時に出すゴロゴロ音をパーカッションにしたテクノを作りたいです。
 それぞれ色が異なるアーティストがどのようにネコの鳴き声を使うのか。とても気になりますし、ユーモアに徹した痛快な一枚になるのではないかと思います。





●加納エミリ(かのう えみり)

1995年2月13日生まれ。2018年5月18日にデビュー。
作詞、作曲、編曲、アレンジなどを全て自らで手がけるセルフプロデュースアイドル。80年代ニューヴェイヴ、テクノ、インディーロックをルーツとし、「ニューウェーブ歌謡」と称される楽曲「ごめんね」の高い楽曲性とコミカルなダンスで注目を集める。音楽雑誌やTVなどのメディアにも数多く取り上げられている。
2019年11月20日、1stアルバム『GREENPOP』を全国発売。
2020年5月28日には渋谷WWWでの二周年ワンマンライブを開催。

EMIRI KANOU OFFICIAL SITE
emirikanou.themedia.jp

加納エミリ Twitter
@emily_k0213


最新リリース:

『GREENPOP』


なりすコンパクト・ディスク
・通常盤CD
品番:HYCA-3093
価格:¥2,500 + 税

・限定盤2CD
品番:HYCA-9004
価格:¥3,000 + 税


なりすレコード
・LP
品番:NRSP-1270
価格:¥3,000 + 税

・カセットテープ(限定300本)
品番:NRCT-2501
価格:¥2,500 + 税


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