ジャズメガネのセンチなジャズの旅

25.「ムーン・レイ/大友義雄」1977年録音
25.「ムーン・レイ/大友義雄」1977年録音

  ジャズを好きになって、アルト・サックスも吹き始めた頃、渡辺貞夫さんはすでにジャズマンとしても、国民的スターとしても雲の上の存在だった。そんな時、少し先輩という感じで頭角を現してきたのが大友義雄さん。初めて聞いたのは新宿ピットインでの水橋孝カルテット。伸びのあるきらめく高音がアルトらしくて、貞夫さんに近いアドリブ・フレーズも親しみがあった。たいそう上手くて、もちろん足元にも及ばないのだけれど、雲の上の貞夫さんを目標にするよりは親しみ易い存在だった。コピーもしたし、短い間だったけれど、ヤマハで教えていただいたりもした。このTBMのアルバムもジャズ研真っ只中の頃に発売されたものだ。「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」をレパートリーに入れてカルテットを組んでいたのが懐かしい。


text & cut by Kozo Watanabe